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むかし書いた韓国コラム #460

 大田市のメインストリートである中央路の地下には長さ700メートルの地下商店街がある。中間にある地下鉄中央路駅からも直角に300メートルの地下商店街が伸びており、T字形の地下道となっている。ソウルや他の地方都市にもあるごく普通の地下商店街なのだが、ここでほかでは見かけない光景を目にした。商店街の人たちが移動手段としてキックボードに乗っているのだ。

 キックボードが流行したのはもう10年以上前だっただろうか。当時は地上でも乗っている人を見かけたがそれも子どもたちが主流だった。いまでも乗っている人はいるだろうが、ここ数年は見かけた記憶がない。それが大田の地下道では実用的な移動手段として現役で活躍しており、多くの店で店頭にキックボードが立てかけてあった。ハンドルにビニール袋をぶら下げ疾走するのを見かけたが、配達などに使われているようだ。でこぼこの多い地上の道路より地下の方が走りやすいせいもあり生きながらえたのだろうか。思いがけない場所で懐かしいものに再会できた。

【解説】
 キックボードは自転車よりも軽くスリムで取り回しも楽だ。大田だけで生き残った流行なのかはわからないが、でこぼこの多い地上の道路より走る環境は良いので地下で生き残ったのは合点がいく。いまでも現役なのだろうか。中央路の地下道の写真は撮ってないので地上の写真を掲載しておく。

(初出:The Daily Korea News 2014年11月3日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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