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むかし書いた韓国コラム #9

 「おひとり様」の敷居が高い韓国。最近は事情もだいぶ変わっているようで、先日の中央日報では女性記者が1人でラーメン屋、カフェ、カラオケ、焼き肉屋などを訪れる体験ルポが掲載されていた。ただ、いずれも1人客を想定した店作りをしている店ばかりだ。当方も飲食店での「おひとり様」はかなり場数を踏んでいるが、焼き肉屋をはじめ、タッカルビ屋、港町の市場にある刺身屋など、1人客を想定していないところが多く、おひとり様の難易度はやや高めだ。

 先日は「羊肉串」の店に1人で乗り込んだ。テーブルに炭火が置かれ、そこで羊肉の串焼きを自分で焼くスタイルだ。グループ客ばかりの中で1人客は目立ちそうで、店に入るのに少々躊躇したが、席についてしまうと焼き加減が気になり周りのことを気にする余裕はない。注文は2人前以上からという店だったが、3人前と一品料理を頼んで難なくクリア。おひとり様難易度は中級レベルか。目の前に並ぶ串を独り占めできる喜びはおひとり様ならでは。いずれまた挑戦したい。

【解説】
 韓国で周りから「友達いなさそう…」とか思われるので1人で食事はしないという人が多い。友達いなさそうと思われてなにか不都合があるのだろうか。人目が気になり1人で食事ができないというが、だれもおまえのことなんて見ちゃいないって。最近はおひとり様用についたてで区切った席を設けた店もあるというが、そういうのに頼るのは甘えだよなぁ、とおひとり様のベテランとしては思ったりもするのである。

(初出:The Daily Korea News 2014年4月17日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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