むかし書いた韓国コラム #368

 「MERSの影響はどうなんだ」。知り合いから問い合わせのメールが来た。専門家ではないのでなんとも答えにくい。観光客は減っているが住民は普通通りの生活をしているし、マスクをしている人もほとんど見かけない。周辺には旅行や出張を取り消したという知り合いもいるが、本人の意思ではなく家族に止められたり会社が渡航を禁止したケースが多い。無責任に「絶対に大丈夫」とは言えないが、マスクや手洗いの励行など適切な予防をすればそんなに神経質にならなくていいような気もするのだが。

 先日乗った日韓線の飛行機では、MERS問題が起きてから空席が目立つようになったと客室乗務員が話していた。また、ホテル予約サイトを見るとソウルのホテル宿泊料は以前より下がっているようだ。韓国を訪れる観光客は激減しているが、逆に考えれば飛行機もホテルも予約の取りやすいいまがお得に韓国旅行をするいいタイミングかもしれない。最終的には「自己責任」だが。

【解説】
 MERSの流行時は若干の緊張感はあったが普通に旅行はできたし、その前のSARSの時も大きな問題はなかった。SARS流行時に台湾に旅行に行ったが、マスク着用を求められるくらいで行動制限はなかったから、現在のコロナ禍とは比較にならないほど緩かった。

(初出:The Daily Korea News 2015年6月23日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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