むかし書いた韓国コラム #195

 銀行の支店は道路に面した1階にあるものだが、最近は2階以上のフロアに支店を構えるケースも増えているという。韓国経済新聞によると新韓銀行明洞支店はこのほど1階から2階に移転した。ネットバンキングの普及で支店を訪れる顧客が減っていることなどが理由だ。自社ビルなので今後1階を貸し出すことで賃貸収益を得られると期待しているという。一般のテナントビルも、以前は1階に銀行があれば流動人口が増え商圏が賑わうメリットがあったが、最近では午後4時にシャッターを閉める銀行よりも遅くまで営業するコーヒーショップなど飲食店をテナントとして歓迎しているという。

 脱1階の動きは航空会社ではすでに数年前から見られた。以前は1階に入る航空会社が多かったがネットで予約しチケットも電子化されたいまでは多くがビルの2階以上に引っ込んでしまった。確かに、航空会社も銀行も直接窓口を訪れる機会はほとんどなくなっている。銀行が1階から消えていくのも時代の流れのようだ。

【解説】
 ソウル市庁前のプレジデントホテル1階にはかつて日本航空、全日空、日本エアシステムの日系航空3社が並んでいた。いまも残っているのは日本航空のみだ。銀行は単にフロア移動するだけだが、航空会社はカウンターもなくなり、インターホンで担当部署に連絡しないと用務を済ませられないようになってしまった。航空会社に出向くことなどほとんどなくなったが、これが少々めんどくさい。

(初出:The Daily Korea News 2017年3月2日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?