むかし書いた韓国コラム #186

 忙しさにかまけて光熱費などの支払いが滞りがち。携帯電話料金督促の電話がかかってきた。某大手携帯電話キャリアの督促電話は妙に色っぽい。

 「お客さまぁ、うふっ。料金の支払いがまだのようですのでお電話差し上げましたぁ、くすっ」という具合だ。「うふっ」と「くすっ」が織り交ぜられながら話が続き、最後は「大変申し訳ないんですけどもぉ…、○日までにお支払いいただきたいんですぅ…」と消え入るような声で哀願してくる。うろたえつつ「わかりました、すぐ払います」と答えると、明るい声に変わり「うふっ、ありがとうございまぁす。○○テレコムでしたぁ。楽しい1日をお過ごしくださいね」となり一件落着。

 「萌え声」だと滞納料金の回収にも効果があるのだろうか。見え透いた手だと思いつつ、電話を置いたあとにニヤニヤしながら銀行に向かうのだった。

【解説】
 このころはまだ光熱費や家賃やらを銀行に振り込みに行っていた。後にネットバンキングや自動引き落としを使うようになったので萌え声の女性から電話がかかってくることはなくなったのだが、それはそれでちょっと残念だったかも。

(初出:The Daily Korea News 2009年12月4日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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