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むかし書いた韓国コラム #741

 このところ、輸入品価格に対し問題視する新聞記事をよく目にする。洋酒や化粧品、ベビーカー、登山服など、韓国では海外より2倍も高い値段で売られているとか。輸入品である以上、関税や為替相場の問題もあり、安く買いたいのは心情だが、輸入品ゆえに仕方ない部分もある。

 一方、米ビジネスウィーク誌で真露の焼酎が日本では高級酒として販売されていることが紹介され、韓国紙も相次いでこれを報じた。中身は韓国とほとんど変わらないのに日本では10倍近い値段で売られているという。ある新聞はこれを「マーケティング戦略のおかげ」とした。当初から高級イメージで売り込んだ戦略は確かに成功したのだろう。日本でも相当なシェアを獲得している。

 ただこの価格差について、批判的な声は韓国では聞かれない。韓国で輸入品を2倍高い値段で売るのはけしからんが、韓国の製品を海外で10倍の値段で売るのはお手柄ということか。

 日本人ももう少し声を上げてもいいのではないかと思うのだが。

【解説】
 真露の焼酎も最近ではチャミスルが日本のコンビニでも並ぶようになった。韓国より割高な気もするが、輸入品ゆえにある程度は仕方がない。この当時、普通の「JINRO」は関税とか酒税とか考えても相当に割高だった印象があるが、それでも10倍近い値段がついていただろうか。最近は韓国の即席めんがけっこういい値段で売られているのをみかけるが、輸入品は関税のほかに為替相場の変動なども考慮した値付けをしなければいけないので、一概に「韓国より高いのはけしからん!」とは言えない。なかなか難しいところだ。写真は販売サイトより拝借。

(初出:The Daily Korea News 2012年4月17日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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