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むかし書いた韓国コラム #706

 乱立気味の韓国の格安航空(LCC)だがまた新たに1社が就航に向けた準備を本格化している。江原道襄陽を拠点とするフライ襄陽が来月中旬にも1号機を受領する。機種は韓国のLCCではおなじみのボーイングB737-800型で、最大189人の乗客が乗れる。コストがかかる新造機ではなく中古の機材だが、以前はヒラリー・クリントン氏が2016年の米大統領選挙期間中に使用していたものというのが興味深いところ。アラスカからハワイまで縦横無尽に飛び回った機材で、同社関係者は「米大統領候補の専用機として使われただけに、整備や管理面で万全を期したという信頼からこの機材を選んだ」と話す。

 一般庶民が由緒正しい機材に乗れるのはありがたいが、専用機時代は座席数も少なく、クリントン氏もさぞやゆったりと移動できたことだろう。一般的に座席間隔が狭いLCCの機材では優雅な移動は望めそうにないのは残念なところだ。

【解説】
 フライ襄陽はフライ江原と社名を変更し2019年に就航し、後に国際線にも進出している。国土面積の狭い韓国でLCCが乱立しているがどれだけ生き残れるのか気になるところ。過去にはエアフィリップや嶺南エアなどが就航したがまもなく運航停止に追い込まれている。写真はフライ江原公式フェイスブックより拝借。

(初出:The Daily Korea News 2017年11月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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