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むかし書いた韓国コラム #615

 検索大手のヤフーが韓国から撤退するというニュースは少々驚きだった。日本に住んでいたころ、インターネット黎明期にお世話になったサイトだからだ。韓国留学を終えたばかりでネットなる未知の世界に足を踏み入れ、ネットの楽しさにとりつかれたころだった。日本のパソコンで韓国語を表示させるのは面倒だったが、韓国の情報がリアルタイムで入手できる時代が来たことに感動した。ブロードバンドもない時代、深夜の「テレホーダイ」の時間になるとせっせと情報収集に励んだ。韓国の情報を得るための検索に使ったのは必ず韓国のヤフーだった。

 しかし気がつくとネイバーを愛用するようになり、いつの間にかヤフーの出番はなくなっていた。検索の精度も高く、かゆいところに手が届くサービスはヤフーの存在感を薄れさせた。最後にアクセスしたのはいつだっただろうか。アカウントも持っていたはずだがIDが思い出せない。惜別の意味を込めてしばらくはヤフーを使ってみようか。

【解説】
 韓国もネット黎明期にはポータルサイトが乱立していた。ヤフーもそのひとつだが、90年代から2000年代にかけては千里眼、ユニテル、シムマニ、ドリームウィズ、コリアドットコムなどがしのぎを削った。そうした中で頭角を現したのがネイバーで、かゆいところに手が届くサービスは他の追随を許さない。外資系ポータルサイトのつけいる隙はなさそうだ。

(初出:The Daily Korea News 2012年10月22日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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