むかし書いた韓国コラム #895

 韓国でも最近では大学生を中心に「1人メシ」が増えているようで、このところ新聞各紙をにぎわせている。ただ、1人で食事をするのは「友だちがいない」と思われたりするので体裁が悪く、1人で食事をするのを見られたくないためトイレで食事をするケースもあるのだとか。

 韓国では1人での食事を避ける傾向が強い。以前勤めていた韓国企業で、昼食を終えて戻ってくると、隣の部署の人がやってきて、「食事はしたか」と尋ねてきた。仕事に追われ気がついたら社内に一緒に食事に行く人がだれもいなくなってしまったらしい。さほど親しくもない当方に声をかけてきたというのはそれだけ切羽詰まっていたのだろうか。

 韓国では「食事したか」があいさつ代わりという。相手への思いやりの気持ちが込められているというが、それと同時に、食事相手を探す意味もあるのかもしれない。たしかに韓国は1人では食事をしにくい雰囲気があるが、慣れればどうということはない。むしろ1人の方が気楽なのだが。

【解説】
 それでも最近は若い人を中心に1人で食事をする人も増えており、1人客向けの飲食店が登場するなど、1人メシをめぐる環境も変わってきているようだ。

(初出:The Daily Korea News 2014年3月21日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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