むかし書いた韓国コラム #692

  エバーランドにやってきたパンダのカップルはサムスンの名誉社員に任命されているが、サムスングループの社内ネットではサムスン物産所属の社員として登録されており、専用のメールアドレスまで持っている。ある社員がメールを送ったところちゃんと返信があったそうだ。担当の飼育係が時間の余裕があるときに送っているらしい。

 2頭のパンダは社員としてエバーランドで午前10時から午後6時まで勤務しているが、一般社員のように月給や福利厚生はない。とはいえ彼らの食費は年間で1億~2億ウォンかかる。さらに中国で研修を受けた飼育係という名の専属秘書まで抱えているのだから待遇は役員クラスだ。

 彼らの仕事と言えば食べて遊んで寝るくらいのもの。営業ノルマもないし上司の小言とも無縁。毎日好物を与えられ好きに過ごせるとはうらやましい限り。「代わってほしい」と思うサラリーマンも多いかもしれない。

【解説】
 日本ではパンダは大人気だが、韓国では日本ほど話題になった記憶がない。韓国にパンダがやってきた時の盛り上がりも控えめな感じがあった。2020年にはパンダに子どもが生まれたが、韓国ではあまり盛り上がっていなかったように思う。せっかくのパンダなのにちょっともったいない気もする。

 
(初出:The Daily Korea News 2016年6月1日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?