むかし書いた韓国コラム #720

 日本語における清音と濁音の区別や長音の存在は韓国人には習得が難しい。韓国語には明確な区別はないが、日本語には明確な区別がある。日本語を流暢に話す韓国人でもこの区別があいまいな人は多い。

 「競馬に行ってきた」と日本語で語る韓国人の友人。「果川まで行ってきたのか」と問うと、「狎鴎亭洞だ」という。競馬のゲームでもやったのかと話をよく聞いてみると、「競馬」ではなく「ゲイバー」だった。

 秋夕連休に東京に行ってきたという別の韓国人。どこに行ったのかを尋ねると、日本語で「刑務所に行ってきた」と言う。どんな犯罪をやらかしたのか。いぶかしむこちらにはお構いなしに「楽しかった」と感想を述べる。楽しい刑務所とは合点がいかない。正解は「刑務所」ではなく、「ゲームショー」だったというオチ。

 清濁と長音は区別をしっかりしないと全然違う意味になる。本人は堂々と話してるだけに指摘のしづらいところだ。

【解説】
 NHKのオリンピック中継を見ながら「金メダルと銀メダルの区別が付かない」と言う韓国人もいた。日本語の濁音は韓国人には発音も聞き取りもなかなか難しいようだ。

(初出:The Daily Korea News 2010年10月7日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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