むかし書いた韓国コラム #630

 南大門市場などで見かけるブタの頭。外国人にはややショッキングな光景でもあり、思わずカメラを構える観光客も多い。しかしながら撮られる側はあまり歓迎していない。時に水をぶっかけて追い払うケースもあると聞く。韓国に限らず、海外でも外国人観光客にとってゲテモノ系は格好の被写体となるためか、追い払われなくても撮影代金を請求されるケースもある。売り手にしてみれば客でもないのに撮影だけされたのでは商売にならないのだから仕方がないのだろう。

 筆者の場合、台湾の市場でヘビを、タイの屋台でサソリの唐揚げなどを被写体として収めたことがある。いずれも撮影だけするのは歓迎されないが、客になってしまえば撮影もし放題なので、ヘビもサソリもしっかりと消費し、ささやかながら売上にも貢献した。

 南大門のブタの頭も、客になってしまえば写真も存分に撮れるだろう。とは思うが、なかなかあれを個人で消費するのは困難だ。いまだに撮影はできていない。

【解説】
 沖縄でも豚の顔の皮「チラガー」は観光客に被写体として人気で、おおらかに撮影を認めているところも多いけれど、店によっては撮影禁止のところもある。個人的にはちゃんと購入した上で正当な権利を得てから撮影したいと思っているので、南大門の豚の頭も、沖縄のチラガーも、まだ撮影したことはない。

(初出:The Daily Korea News 2011年5月19日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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