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むかし書いた韓国コラム #843

 サクラの名所の鎮海を抱える慶尚南道昌原市が行っている貸し自転車がすばらしいので紹介しよう。市内全域241カ所の自転車ステーションに2445台の自転車が配置され、会員登録をすれば市民でなくても1カ月4千ウォン、1年3万ウォンで自由に使える。交通カードに会員情報を登録すれば、無人の自転車スタンドにカードをタッチするだけで自転車を借りられる。旅行者も1日会員になり利用が可能だ。自転車は借りた場所に戻す必要はなく、出先のステーションに返却すればOKだ。自転車は7段ギア付きで、自動で前照灯と尾灯が点灯し、スピードメーター装備で制限速度を超えると警告音が鳴る。市内の主要道路には自転車レーンや自転車用信号も設けられており、貸し自転車は市民の足として定着している。

 ソウル市も自転車活性化に力を入れているが、自転車の面倒までは見てくれない。人口規模を考えると簡単ではないが、昌原市のような貸し自転車があればソウルももっと便利になるだろう。

【解説】
 ソウルでも2015年からシェアサイクル「タルンイ」のサービスが始まった。他の都市でも同様のサービスがあるようだ。昌原市には1カ月ほど滞在したが市内の移動に便利に活用したもの。韓国では自転車はレジャーの一種で、公園や遊園地などで借りて遊ぶものだった。あるいは配達用の業務用であり、一般の人は日常的に自転車に乗ることはなく、自転車に乗れない人も多かった。最近では自転車用のレーンが設けられた道もあり、自転車は日常の風景になった。

(初出:The Daily Korea News 2014年4月14日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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