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隙(スキ)の大切さ

会社で管理職に昇格する際、研修兼試験を受けました。グループ毎に分かれ、ディスカッションを行い、最後に感じたことを互いにフィードバックしあいました。私は「怖い印象を与える」というフィードバックをもらいました。人を責めたつもりはなく、声を荒げるようなこともなく、グループメンバーにも気を遣っているつもりだったので、少し驚きました。
メンバーのフィードバックの後に、講師の先生のフィードバックがありました。私の場合、早口なのもありますが、それ以上に話に間(ま)がないのが問題だと、指摘されました。一方的に話されると、聞いている方は自分の意見をはさむタイミングもなく、圧迫感を感じてしまうということでした。また、人の目を見ていないという不合格に近い指摘も受けてしまいました。
確かに、メンバーの意見を一言も聞きもらすまいと、人の目もよく見ず、ひたすらメモをとっていました。メモを見ながら、言いたいことが全部言えるよう、一生懸命話したので、どうしても早口で間がなくなります。
講師の先生には、話し方や聞き方もですが、隙(すき)がないのが問題だと言われ、納得しました。
私は、完璧主義なところがあります。完璧を目指してがんばると、どうしても隙というか余裕がなくなります。
自分が部下の立場で考えると、隙のない完璧な上司って、怖くて話しづらいですね。自分の意見を言うにしても、本当に思っていることではなく、見栄えの良い資料を作るなどして、理論武装して話そうとしてしまいます。逆に、肩に力が入っていなくて、ちょっと抜けているぐらいの上司だと、本音を言いやすいです。
例えば、やる必要性が感じられない無理な仕事がふられた時に、隙がない上司には、「(言い訳のための工程表をつくって)リソースは何人で、これに最低何日間かかり、効果も○○%程度なので、費用対効果が……」といった感じです。隙がある上司には「正直、これをやってもたいした効果がないと思いますよ。メンバーも忙しくて、これ以上、出来そうなきがしませんし。会議では報告しにくいですが、実は前から気になっていることがあるので、そこを先に手を付けた方が良いと思います。」という感じ。
隙のない上司だと、論理的でないことや間違ったことを言えないので、メンバーは緊張し続けて、本音が言いづらくなります。隙のある上司だと、心理的安全性が確保され、本音を引き出せます。
一生懸命働いているのに部下がついてこないという方は、がんばりすぎて、隙がなくなっていないか、確認するのも良いのではないでしょうか?

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