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テントウムシダマシ

昨年から、夫婦で家庭菜園をはじめました。本やネットで調べると、農業も奥が深く、いろんなことが書かれています。素人が趣味でやるので、あまりがんばりすぎずに楽しくやることにしています。それでも植物の生命力はすごく、小さな苗や種がすくすくと大きくなってくれました。ジャガイモ、トウモロコシ、ミニトマト、レタス、モロヘイヤ、ニラなどが取れ、満足しています。会社では室内の仕事がほとんどなので、太陽の下、夫婦で畑仕事をするだけでも、リフレッシュになり、いやされます。
しかし、畑仕事もいいことばかりではありません。夏野菜の収穫を楽しみにしていたら、いろんな野菜の葉っぱにテントウムシが、たくさんついています。一般によく見かけるナナホシテントウは害虫のアブラムシを食べてくれる益虫ですが、私の畑にいるのはテントウムシダマシという、葉を食べてしまう害虫でした。テントウムシダマシは、正式には「ニジュウヤホシテントウ」といい、名前の通り、星が28個もあります。ナナホシテントウほどの光沢もないので、区別は簡単にできます。
昨年もジャガイモの葉にたくさん発生して、駆除に苦労しました。今年は、殺虫剤も何回か散布して対策していたつもりでしたが、少し油断したすきに大量発生してしまいました。ミニトマト、ナス、キュウリなどが、収穫時期なので、もう農薬は散布できません。
ネットで調べると、殺虫剤で駆除するか、捕まえる(あるいは捕殺する)と書かれています。殺虫剤はわかりますが、捕まえてどうするかが悩ましいです。捕まえて飼うわけにもいかず、どこか違う畑に逃がそうものなら、大ひんしゅく(ひょっとして犯罪?)です。「捕殺」ということばはネットで見かけますが、捕殺方法の記事があまりありません。YouTubeを観ていたら、ようやく捕殺している動画がありました。特に難しいことはなく、手の親指と人差し指で押しつぶしているだけでした。
しかし、虫を手でつぶして殺すのって、嫌ですね。そうはいっても、ミニトマトやナスの葉っぱを見ていると、やるしかないと決意して、つぶすことにしました。つぶす気になれば、物理的には簡単につぶせます。罪悪感は禁じ得ないので、せめてものおわびとして、心の中で「ごめんね」とつぶやきながら、ものすごい数のテントウムシダマシをつぶしました。たくさんいるテントウムシダマシが野菜か、せめて食べられる虫だったらどれほど良いかと思いました。
農業というのは、生き物を育てるだけでいいと思っていましたが、害虫駆除という仕事もあるのだということを改めて認識しました。小さな虫ですら葛藤している自分からすると、牛・豚・鶏を育ててくれている農家の方には頭が下がります。
その後の畑ですが、テントウムシダマシの完全駆除には至りませんが、数を減らすことはできました。ナスは、葉がほとんど食われて、収穫できなくなりましたが、ミニトマトは何とか食べられています。
虫の命と引きかえに収穫させていただいた野菜だと思うと、自分でつくった野菜はもちろん、スーパーで売っている野菜も、大切にいただかなければと感じますね。

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