学而不思則罔、思而不学則殆
たまに、座右の銘は何かと聞かれることがあります。一瞬、考えてしまいますが、今の私の座右の銘は、次のことばです。
本で勉強したことをうのみにするだけでは身につかず、考えてばかりで本などを読まなければ危険である、というような意味です。
周りを見ていても、学びて思わざるタイプと、思いて学ばざるタイプがいると感じます。
一生懸命、勉強していても、自分の頭で考えて納得しないと、本当の意味で理解したことになりません。学生時代だと、数学の公式や計算方法はしっかり暗記して、公式に当てはめることは出来るものの、応用問題や少し表現が変わると、解けなくなるというのが、学びて思わざるタイプです。
仕事だと、高度な理論や統計的手法を使っているものの、基本的な理解が不足していて、何か違うと感じることがあります。統計だと、扱っているケースが、ランダムなサンプリングとみなせない場合などです。
日常生活でも、人から聞いた話をうのみにするようなことが、よくあります。最近だと、ネットでいろいろな記事が簡単に入ってきます。その真偽を確認しないまま、事実だと信じて拡散してしまうというケースは、増えていると思います。
やはり、思う、すなわち、自分の頭で考えることは大切です。
逆に思いて学ばざる例は、自分の考えを信じて、人の話を聞かないケースがあります。例えば、過激な思想に洗脳された場合などは、都合が悪い情報に耳を閉ざすようになります。この場合、学ばざるもありますが、そもそも思わざる(自分の頭で考えていない)のも大きいです。
うつ状態になっている時は、自分の頭の中だけで、いろいろ考えて、新しい考えが入ってこないので、思いて学ばざるになっているのかもしれません。
私自身も実践できているとは言えませんが、学びて思わざるにならないよう、思うこと(自分の頭で考えること)を意識しています。また、思いて学ばざるにならないよう、あえて自分と反対意見の本や記事も読むように心がけています。
例えば、「ワクチン接種はしない方が良い」という記事があったとします。その場合、主張する理由、エビデンスがあるのか、データが信用できるのかなどを、自分なりに考えます。仮に、もし、「ワクチン接種はしない方が良い」ことに納得した場合は、「思いて学ばざる」にならないよう、反対意見も確認してみます。反対意見を聞いても、考えが揺るがなければ、最初の意見を採用します。おかしいと感じたら、再度、思い(考え)、学んで、結論を出します。
「学而不思則罔、思而不学則殆」を意識することで、だまされたり、独善的になることも防げると思います。
最近は、「学ぶ」と「思う」に加えて、「動く」も大事と考えています。机上で勉強しても、いくら頭で考えても、実際に動かなければ、知識や知恵は本物になりません。今の座右の銘は、
といったところです。
具体例については、以下の記事もご覧ください。
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