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『宇宙人 第2集』ができるまで

『宇宙人』は背表紙の真っ赤なスケルトン装とメタドレスV樹氷に赤い透明箔が押されたケースが特徴でかなり凝った仕様ですが、『宇宙人 第2集』はそれを超える豪華絢爛、複雑怪奇な紙と加工の組み合わせによる本になりました。

宇宙印刷とジェットプレス

まずは本文ページの印刷ですが、宇宙印刷(藤原印刷さん)のジェットプレスという最新のインクジェットデジタル印刷機で印刷しています。普通の印刷との一番の違いは「色」です。印刷の色が普通の印刷と違ってものすごく鮮やかなのが特徴です。原画は色鉛筆やカラーペンを使用しており、印刷では再現が難しい繊細な色も完璧に再現できました。

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宇宙製本と蛇腹製本

製本は宇宙製本(篠原紙工さん)の蛇腹折り製本に。

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図のように紙の大きさが決まっているので、繋ぎ部分を入れると6ページしか入らないので、13枚の紙をつないで78ページにしなければならず、その紙を繋ぐ作業は職人さんの手作業になります。その作業の様子を見学させて頂いたのですが、素早く、きれいにつなぎ合わせるために様々な工夫がされていて、その所作の美しさにも見とれてしまいました。その他にも宇宙人ケースがピタッと閉じるためにケース内に磁石を入れる工程もそのほとんどが手作業で、1冊1冊丁寧に作られている現場を目の前にして感謝してもしきれない思いになりました。

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宇宙箔押しとウーペ

そして、最後にケース部分の箔押し、加熱型押し加工ですが、こちらは宇宙箔押し(コスモテックさん)にお願いしました。ケースの加工の説明をする際に合わせてケースに使用している紙についても説明したいと思います。今回、ケースに使用した紙は「ウーペ」という紙です。ウーペはベルベットのような質感、触感の植毛紙と言われる紙です。SSコースターというコースター用紙に真っ赤なウーペを両面に貼り合わせてケースの紙を作りました。そしてその貼り合わせたウーペに表面には全面加熱型押し(ホットスタンプ)、裏面は同じく加熱型押しとシルバーの箔押し加工がされています。それでなくても加工が難しいウーペですが、特に表面のデザインが非常に繊細で、型押しする際の圧の加減で見え方が大きく変わるため、微調整を重ねて、完璧な仕上がりを目指しました。最後に、宇宙製本(篠原紙工さん)で、加工を終えたウーペのケースと蛇腹製本の本文用紙を、これまで手作業で合体させて、印刷から3か月をかけてようやく完成となりました。

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『宇宙人 第2集』販売予定

『宇宙人 第2集』は6月3日からGOTTA九段下で開催される『宇宙人展(woochoozineteng)』でお披露目、販売となります。その後STORESで販売をする予定です。第1作目の『宇宙人』はSTORESで発売中です。




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