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2014年5月の記事一覧
光画小説集 - 月夜のでんしんばしら/宮沢賢治
「とつぜん、右手のシグナルばしらが、がたんとからだをゆすぶって、上の白い横木を斜に下の方へぶらさげました。これはべつだん不思議でもなんでもありません。
つまりシグナルがさがったというだけのことです。一晩に十四回もあることなのです。
ところがそのつぎが大へんです。
さっきから線路の左がわで、ぐゎあん、ぐゎあんとうなっていたでんしんばしらの列が大威張で一ぺんに北のほうへ歩きだしました。
「とつぜん、右手のシグナルばしらが、がたんとからだをゆすぶって、上の白い横木を斜に下の方へぶらさげました。これはべつだん不思議でもなんでもありません。
つまりシグナルがさがったというだけのことです。一晩に十四回もあることなのです。
ところがそのつぎが大へんです。
さっきから線路の左がわで、ぐゎあん、ぐゎあんとうなっていたでんしんばしらの列が大威張で一ぺんに北のほうへ歩きだしました。