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【7wonders考察・23/4/30追記】最新版5人戦環境の解説

はじめに

お久しぶりです、あいなーです
前回の記事で7wondersの攻略を引退すると宣言したのですが、流石に最近の5人戦環境が面白いので一本記事を書こうかなと思います

なにがそんなに面白いのかというと、
・ボード格差エグすぎ
・資源開拓が一巡してきた
・メタがまわり始めた
なところですかね

私が前回上位をとった5人戦のシーズンから早くも2巡したわけですが、当時とは全く別物のゲームになっていますね
ていうか今までのルールと比べて、明らかに環境のレベルが上がってます

5人戦って本当に戦術レベルの行動だけでは勝てない(科学特化、軍事特化試合場、片勝ち青とか)ので、現環境トップにいる人たちは7wonders力がバケモンだなと感じます

いつもの文明ランク

Sランク ハリカルナッソスB、バビロンA
Aランク オリンピアA、ギザB、エフェソスAB
Bランク ロードスB、バビロンB
Zランク ギザA、オリンピアB、ロードスA、アレクサンドリアAB、ハリA


ざっくり4段階に分けてますが、ぶっちゃけS,Aランク以外は総じて有象無象だと思っています。Zランクの中で、後述する開拓との相性が良いのがバビドスBになると思っています

あと今回から全文明のランクをつけてみました
(ギザAとハリカルAのみ触ってませんが、感触は合ってるかと思います)

前回ランクがこちら

1年前の文明ランク

大きくかわったのが、バビロンAの評価↑とエフェソスの評価↓ですかね
個別の文明ランクの前に環境解説をしていきたいと思います

【解説1】5人戦のメインテーマは競合戦かも

なにより語りたいのがこちらのテーマですね

これまでの解説で5人戦はカードプールや配置の性質により、競合しながら最後まで進むことが可能なルールであることを述べました

環境の理解度が進んだ結果、5人戦は「最後まで自分と同じポジションの競合が存在する」ことが前提となる展開が増えました。

具体的には、科学競合軍事全勝の競合がほぼ確実に存在します
それぞれが興味深いテーマですので、まずは科学から話を進めていこうと思います

■科学競合戦

5人戦の環境変遷を語る上で、このテーマは最も外せないでしょう
以前私はこのルールで最も強い立ち回りは左右科学競合であることを述べました

下図のように、左右で仲良く2、3セットを目指して科学競合をし続ける形のことですね。

左右科学競合が5人戦のデフォになりつつある

これの何が強いのかというと、
・安定して7−9枚の科学をお互いに取れる
・5人戦でなかなか発生しない「左右が軍事をしにくい状況」を意図的に作りやすい

当時はこれを狙ってする人はあまり多くなかったのですが、現環境ではこれをデフォルトで狙ってくるプレイヤーが増え、科学競合戦で最も意識すべきオープニングの形となりました。

これによって何が起きたのかというと、「5人戦にも科学対面位置が発生しやすくなった」ことが挙げられます
ここで注目するのはアレクサンドリアの位置です

こんな感じで対面に灰を集められるは、左右に軍事を流されるワでとんでもない不利状況に置かれます
4人戦の科学対面位置との差別点は以下です

・科学を奪いに行くことはまずまず不可能
・両方の軍事視点で軍事全勝を狙いに行くメリットがある
・行動の選択権がない

まず一つ目ですが、科学を奪うのが難しい。
これはいうまでもないですが競合がすでに2人いる上に灰も対面で占有されやすい。そもそも5人戦は1人1役のポジションを持つゲームではないので、科学をしたところでゴールがありません。
4人戦なら科学ポジションを奪ってしまえば有利という明確なゴールがありましたが、5人戦は最後まで競合しないといけないので、この展開から点数逃げを行うことはほぼ不可能と言えます。

ところで、以前4人戦の配置論について一つの結論を述べました

要点をまとめると、
科学対面は科学上家の選択した立ち回りではない方を選ぶ権利しかない
ということです。

科学上家が軍事を選んでくるなら軍事全勝を取れるかどうかは運ゲー
科学上家が軍事を譲ったときはじめて軍事全勝を取りにいける

ここで科学上家の思考としては、
軍事全勝を狙うと科学下家に有利を与えてしまう、
軍事全勝を譲ると科学下家の点数フィルタ、科学対面の軍事全勝に負けうる
みたいな択を迫られています。4人戦では自分の行動によって有利な影響を受ける人間が最低でも一人存在することを示しています

しかし5人戦では各プレイヤーで見ている盤面が異なります
盤面が異なるとは、例えば資源の共有状況であるとか、自分の行動で得をする損をするのは誰かといった状況が4人戦ほど一意に定まらないということです。
なんでかというと、対面が2人いるからですね。自分が軍事を頑張れば対面が得をするのが4人戦の鉄則でしたが、5人戦は対面が二人いるので、その影響も分散されるというわけです。なんならその対面二人の見ている盤面上でも何かしらの対立が起きている可能性もあり、本当にケースバイケースになりやすいのです

そういうわけで、5人戦では基本的に軍事全勝を取れる展開ならとってしまった方が楽なことが多いのです。なのでこのような左右科学競合の形になると十中八九軍事挟み込みが起きます。

これによって科学対面位置が安定して取れる行動がなくなります
一応4人戦の時は、科学上家の動向次第で無駄な行動を避けることはできていましたが、5人戦ではその無駄行動をなくす手間を省くことができません。だって狙えるなら左右とも軍事全勝狙ってくるんだもん

なので対面二人が左右科学競合する形は、
5人戦で唯一全員平等な不利配置であると言えます。この状況から勝てる文明はまずいないです。ハリカルだろうとギザだろうとロードスだろうと狙って勝つことはまず難しいです。

唯一チャンスがあるとすれば、対面科学競合が軍事戦に発展して、結果的に自分以外の4人で軍事を争ってくれる展開になることですが、その展開になったとして、軍事なしでそれなりに点数が取れる戦略を持っている文明は限られます。

あるいは軍事配牌の運ゲーに勝ち軍事全勝をとった上で、Age3のドラフトで事故らないこと。これは全くないとは断言しませんが、滅多にないと言い切っていいです。
そもそも5人戦で最後まで枯れないこと自体が相当なラッキーゲームです


科学競合戦で語るべきもう一つのテーマが
「科学の強弱=科学競合戦の強さ」になりつつある件です

結論を述べると、ハリカルバビロンに科学競合戦を挑める文明がいません。もちろん理屈があるので説明させてもらいます

まず第一に、一人一役のポジションを取るゲームではなく、最後まで科学競合をし続けるゲームになったことを述べましたが、ここで科学特化をした時の点数差・立ち回りの幅の広さで有利不利がつきやすくなりました。

例えばハリカルは科学競合中にお金がもらえないという明確な弱点がありましたが、5人戦は見ている盤面が違うので、科学をしていない側のプレイヤーが灰を借りてくることが増えました。これにより4人戦でたびたび生じていた不利展開が発生しにくくなり科学競合のガス欠が起こりにくくなった

お金の不利さえなければハリカルは科学を集める力も、科学しながら軍事をする力、青を拾う力も強く、左右競合相手になんでも通しやすくなりました。対面科学競合の場合も大抵の場合はハリカルの収集能力で集め勝ちすることが多いです

次にバビロンですが、単純に効果科学者を持っているので集めた時の点数差が大きいです。
あとは資源構成が強いので、仮に競合がAge1で科学を取り勝っても、Age2で軍事体制を整えてから連鎖ではなく資源で科学カットを通せることも増えました。今までのルールと違って、5人戦は科学の枚数が多いのでAge2中盤から集めても十分科学セットを集められるようになったのが大きいです

後述しますが、バビロンはこのゲームで唯一どこから科学を狙っても絶対値だけで勝てる可能性を秘めたボードです(※バビロンA)
なので対面科学競合になろうとも初手から科学一本で行っても十分55〜以上の点数を出すことが可能になります。

そういうわけでただ単に科学の初動をとりやすいだけだったエフェソスやアレクサンドリアの科学が明確に弱体化しました
基本的にこの2体でハリバビに左右科学競合を挑んでも勝てないことが多いです。せいぜい軍事勝ちつつ1セット科学か1種単科学を通すくらいで、少なくとも軍事は勝てることが前提じゃないと有利が取れないです。

科学競合戦のまとめはこんな感じになります

科学競合戦のまとめ
・全体的に科学のやり方が上手くなった
・5人戦にも明確な不利配置が発生するようになった
・科学競合戦に強いかどうかが科学の評価基準になってきた

■軍事競合戦

競合戦に関する次のテーマがこちらです
前述したように、軍事挟まれの状況が発生しやすくなったことで、軍事競合の在り方も変わってきました

まず、ボードの特性として軍事が強いかが評価しにくくなってきました

どういうことかというと、
自分が軍事全勝をしている時、他にも軍事全勝をしているプレイヤーがいることが前提になってきたということです。
言うなれば軍事全勝競合の発生です。

さっきの左右科学競合の形もそうですけど、例えばこんな形でも軍事全勝競合がいることが増えました

他人のゲームなので伏せ

対面科学競合によって孤島のロードスが軍事全勝に、このとき対面二人が軍事競合するか譲るかの展開になりますが、大抵は後者の展開になるので軍事全勝競合がほぼ存在することになります。

ロードスっていうのは、なんとなくイメージが先行して左右が軍事勝ちを譲ってくれやすいボードではあるのですが、それはそれとして軍事全勝してる人は他にいるよーな展開が増えたということです。

実はこのゲームロードスが最下位となってしまっています。
最終Ageで3回点数が枯れて負けてしまったのですが、ここからいくつかの示唆が得られます

まず左右科学という圧倒的な有利配置でも点数がそれほど伸びなかったこと。3回枯れたのは悲劇ですが、そもそもロードスはwonder枠が少ないボードなので取得した建業者の点数が低いとか、1回分余計に枯れてしまったというのも事実です

次に左対面に上位互換の動きをされたこと
5人戦軍事で最も強い動きは軍事全勝+試合場ですが、その動きを先にされています。ロードスは軍事枚数が少なくて済む分試合場の点数も伸びにくいという特性があります。
あとはギルド運もあり点数を枯らさずに最後まで立ち回れています

今回軍事全勝競合はアレクサンドリアBでした。wonderの点数は少なく、資金も重くなりがちでしたが、今回は運の差で負けてしまったと言えます。この位置がもしギザやエフェソスだったらなすすべなく負けていたでしょうね

何が言いたいのかというと、
・軍事文明は軍事が強いだけじゃなくて、軍事以外の点数能力が問われるようになった
・軍事競合同士の位置取りが重要になった
ということです。

前者は簡単で、要は試合の流れでなんか軍事全勝取れそうだぞという文明が増えたので、単に軍事が強いだけでは点数を稼げなくなったということです。当たり前ですけど軍事全勝しているロードスとエフェソスがいたらエフェソスの方が点数勝ちすることが多いです。

wonderの性能が違うからですね。単純にエフェソスの方が事故りにくく、青を拾い集めやすく、点数が伸びやすい。ギザでも同じです。wonderで13点差がついているので、ロードスはなんとかそれをカード取得だけでカバーする必要があります。
つまりwonderの点数性能が正義ってことです

今後の5人戦はこの点数能力という概念に開拓の道があると思っています。
後述しますが少し触れておくと、いかに点数が高くなるようなカードの集め方ができるかが軍事文明に問われているということです

次に軍事の位置どりの話。
単純に右対面との軍事全勝競合対決で有利になりやすいです

軍事全勝のボードが狙いたい試合場であるとかその他青紫のリソースを先にカットできるため、4人戦でいう科学下家vs科学上家みたいな展開になりやすいということです。

さて、ここまでは軍事全勝競合戦の話でした。
しかし軍事競合戦のテーマを語る上でもうひとつ重要なテーマがあります

「軍事競合戦は戦略として安定しなくなってきた」件です。

まず一つに、軍事戦略は軍事部分の点数上限が決まっています
マックスは18点ですがこれは科学2セットにも満たない点数です。しかもまるまる18点を取れることは稀で、取れても13−16点くらいで収まるイメージがあります。

対して科学競合は3セットこそ難しくなったものの2セットプラスアルファまでは安定して狙えるようになりました。これは大抵26〜36くらいです。科学が明確に強くなったわけではありませんが、科学競合事故で点数を落とさなくなった分、下振れの幅は狭まったのかなと思います。

とはいえここまでの話は前座で、一番ヤバいのが「第三の軍事競合が発生しやすい」ということです

5人戦はとにかくAge3の点数カードが枯れやすいです。特に青紫
理由は単純明快です。青紫は科学含め5人のプレイヤーから常に需要があるからです。対する緑のカードはせいぜい2人にしか需要がないので最後まで競合しやすいという明確な点数格差があります

それにより、Age3の余った手でとりあえず軍事を取るしかないプレイヤーが増えました。
ここまで言えば皆まで言う必要はないと思いますが、軍事暴れをするプレイヤーが増えたと言うことです。

これにより軍事全勝の立ち回りを事故的に潰されることが増えました。

そういうわけで最初の結論をもう一度書きます
ボードの特性として軍事が強いかが評価しにくくなってきました

軍事が強いだけじゃなくて、点数を稼ぐ能力が高いかも重要
軍事が強くても暴れで台無しにされることが増えた
→だから軍事を主軸にするのは難しいね

という論理展開です。
この辺がエフェソス、オリンピアの評価を下げざるを得なかった理由になります。

軍事競合戦についてのまとめは以下です

軍事競合戦のまとめ
・軍事全勝競合という概念が発生しやすくなった
・軍事にも点数能力が求められるようになってきた
・軍事で勝っても台無しにされる不可抗力が増えた

【解説2】石系のボードが弱くなってきたかも

二つ目の解説です
石系のボードといっていますが、石資源自体の弱体化がメインコンテンツかもしれません

そもそもこの広い界隈で石が強いと主張しているのは私くらいなものです。
石自体はAge3の基本的な点数カード(科学とギルド以外)に多く含まれる資源のため需要が高いのが理由として上がっていました

石系のボード(エフェソスBやアレクサンドリアA、オリンピアAなど)は重量系のギザロードスを除けば比較的軽い資源構成のため行動の自由度が高く、3、4人戦ではかなり強く評価していました
集計上でも高い数字を出してましたしね。

とはいえこれらのボードに共通するのは薄利多売であることです
要は青や緑を全時代沿って拾いやすく、Age3もコンスタントに6点を拾いやすいことがメリットだったわけです

哲学や科学者のような大きく点数の伸びやすいギルドは持たず、安い点数カードを多く集めることが強いという特性でした。

しかしここまで前述したように、軍事戦略が安定しなくなってきたので、いわゆる片勝ち青であるとか、エフェソスの石板青といった薄利多売な立ち回りが強みとして活かしにくくなりました。
今この立ち回りで勝てるのはギザBだけであると断言してしまって構わないです。

薄利多売以外にも以下のような弱点が目立ってきました

■デュアランと隊商配られすぎ問題

タイトルで落ちてますが、強い資源カードが増えたので、とりあえず石を持ってるプレイヤーが増えて石という資源を借りるプレイヤーが減りました。

■軍事の立ち回りで石が不要

軍事が安定しないとは言え、軍事全勝を取るのが前提のゲームであることが多く、そうなると木、鉱石、粘土の需要の方が高いです。
まあAge3で石が必要なのは変わらずなのですが、点数がインフレしやすい現環境だとそんな6点のカードをとれるかどうかよりも、ギルドでいかに点数ぶっぱできるかのほうが重要なわけです。

あとで述べますけど、ギルドにも石は不要よりなのですワ…

■科学の立ち回りで石が完全に不要

前述したように、薄利多売が弱いのは科学にも言えることで、基本的にはセット競合を狙った方が強いです。
その場合バビロンのように資源を集めてAge2の科学を取りに行くムーブも増えるわけですが、その時にも木、鉱石、粘土(+灰三種)の構成のほうがより多くの科学を取れます。せいぜい図書館(石石布)が取れない程度ですが、これもAge3の連鎖先が木木瓶紙で前述の資源構成で取得できます。

あとはAge3のコンパスが石石石瓶構成なのですが、現状これを取る以外に多くの石を必要としないので大人しくAge2科学の取得に全力を出して連鎖でとった方がコスパがよいことが多いです。

Age1で石を拾ったせいでこれらを拾いにくい状況が増えるため完全に邪魔資材です。バビロンBの評価が低い理由の一つでもあります

■ギルドに石が不要

色で資源は察して

需要と各ギルドの石を図示化するとこんな感じになるんですけど、石系で強いのが建業、職人。前者は強いですが後者は安定して点数が高くなる状況が左右科学のときなんですけど、その盤面では粘土の方が強いので石集めの手番が邪魔より。
それ以外の石は1枚で事足りるので、デュアラン隊商でなんとかできることが多い。

科学系需要のギルドは全く石を使わないのが見て取れると思います

そもそも、5人戦はわりとギルドゲーです。

配牌枚数が増えたので科学者や哲学とかめっぽう強いギルドが戦略的に狙いやすくなったのが大きいです。
要は最初から科学者や船がある前提で立ち回っても損しにくくなったということです

この次に解説するテーマを聴くとギルドゲーであるゆえんもちょっとわかってもらえるのかなと思います

そういうわけでこの章のまとめ

石系のボードが弱くなってきたかものまとめ
・石資源自体が環境の逆風を受けている
・石系ボードの強みがことごとく消えている
・今強いカードに石が不要

【解説3】取得したカード一枚あたりの点数単価が高いボードが強いかも

ここまでの話をまとめていきます

・科学は競合してもなお火力が出せるボードが強い
・軍事は軍事部分の点数が逓減されやすいので、それ以外の性能が個性になりやすい(wonderが優秀かどうか、高火力のカードを狙いやすいか)

この示唆を抽象化すると以下のようにまとめられます

1.周りの状況によらず、科学だけで相対的に高い点数が出せること

2'.wonderの得点性能が高いこと

2"なにかしら大量に点数を取れる択を作れるwonder構成であること
(哲学ギルドが取りやすい、船主ギルドが伸びやすい、商工会議所が狙いやすいなど)

前述してきたように科学は軍事と違い集められれば集められるほど得をするので、単純に科学部分の点数が高くなるような性能を持っているボードの評価が高くなりやすいです

これはつまり、科学1枚あたりの平均点数を高めやすいボードの評価が高くなったと言えます

2についてですが、軍事文明に課せられた命題は「いかにドラフトで稼げる点数を伸ばせるか」になります
先んじてたくさん青を取っておく、あるいはAge3の平均点数を上げるの二択になりがちですが、全時代を通して点数の枯れやすい前者を狙うのが若干難しいので必然的に後者に寄りやすくなります

そうなってくると重要なのが
「もともと持ってる点数はいくつなのか」
「点数の高いカードを取れるのか」

という観点になります

この前者にあたるのがつまりwonderの点数性能です。例えばギザは全18回のドラフトのうち、4ターンで平均5点を出す権利を持っているわけです。
平均的なボードは3ターンで平均5点ですから、運ゲーが1回少なくて済むわけです。

後者に当たるのがwonderの資源性能です。例えばギザは建業者や闘技場など独自に8点以上を出せるカードを持っているため、とりあえずwonderを集めるだけでも十分強いことがうかがえます。
他にバビロンなんかも化学だけではなく、商工会議所や船主、商人といった高得点になりやすい組み合わせを狙いやすいです。

なので、普通にwonderを埋める過程で一枚あたりの平均点が高いカードをどれだけ抑えられるかが重要ということになります。

・科学1枚あたりの平均点数を高めやすいボードの評価が高くなった
・普通にwonderを埋める過程で一枚あたりの平均点が高いカードをどれだけ抑えられるか

最終的にこの二つの結論が導けたわけですけど、これをさらにまとめたものが解説3になります

取得したカード一枚あたりの点数単価が高いボードが強いかも

取得したカード一枚あたりの点数単価が高いボードが強いかものまとめ

・薄利多売の立ち回りが弱体化している
・何回点数行動をするかではなく、一枚あたり何点取れるかが重要
・軍事が強いことは評価対象になりにくいけど、科学が強いことは個性になる(科学が強いわけではない)
・wonder点数が高いと運ゲー部分を減らせる
・wonder構成が強いと一枚あたりの平均得点を伸ばしやすい

【解説4】今後の開拓

私あいなー的目線での開拓ですが、今後熱いのは
・船主軸ギルドマスター
・科学

の2種類だと思っています。

船主はわかりやすいですが、とにかくギルドが強いルールなので資源を厚めにして船主の点数を伸ばしていく、Age3の点数単価を上げていくのが目的となる開拓になります。
4人戦と同様ですが、資源を厚めにすると払う資金が減っていくので、支出を減らす方向でも点数単価をあげることに貢献していきます。

これをどうしても点数が伸びにくい文明に仕込ませていくのが重要かなと思います。省資源で点数手番を増やす立ち回りは平成です。

次が科学です。
なにを当たり前のことをと思うかもしれませんが、ここで言っているのは軍事文明の科学です。

私は基本的に1セット科学を低評価していますが、この科学余りのルールに限っては評価しています。これを意識的に集められるかどうかでAge2までの点数の伸びが変わってきます。青で10点を集め切るには需要が多すぎるんですよね

以前からたびたび述べている戦法ですが、オリンピアAの科学一種単あるいは1セット集めはとても重要です。
青紫の枠を開けつつ、軍事全勝を取りつつ、点数を伸ばすにはこの開拓しかないです。青紫の点数が枯れやすい分、緑の点数ソースをAge3で稼げる状況を作れるかどうかで戦績が変わってきます。

他には軍事文明の左右科学競合ですね。
大真面目な話ですけど、ロードスBの科学セット競合はそこそこ熱いと思っています。ロードスは軍事全勝よりも安く軍事で勝つ方向に舵を切った方が伸びやすいと思っていて、wonder数が少ない分資源を集めまくる余裕のあるB面のほうがこの開拓に向いているなと感じます。
科学競合までいかなくても、資源(特に灰3種)を集めて省軍事で立ち回るロードスBはとても熱いと思っています
(どうしようもなく弱いのをある程度戦えるようにするくらいですけど)

23/2/10 追記
とはいえ灰の価値が低いという5人戦の基本は変わらないので、過去ルールほど資源を厚くする恩恵は薄いです
ギルドの観点で言うと、職人ギルドをめちゃくちゃ伸ばしてしまう要因にもなるので、ハイリスクミドルリターン感は拭えないですね。取れるなら青取っちゃった方が強いのは間違いないです

【解説5】ボードの文明ランク解説

あらためて最初の文明ランクを提示します

Sランク ハリカルナッソスB、バビロンA
Aランク オリンピアA、ギザB、エフェソスAB
Bランク ロードスB、バビロンB
Zランク ギザA、オリンピアB、ロードスA、アレクサンドリアAB、ハリA

Sランク解説

Sランクに置いた文明の評価はずばり、
「科学特化だけで勝てる可能性があるかどうか」

この一点です。
このルールで最も安定するのが科学であるという評価は変わらない一方で、別に常勝戦略ではないなと思います
とはいえいろんな可能性を追う必要のあるこのルールで科学逃げができるのはかなり強い個性だと思います

■ハリカルナッソスB

いうまでも無いトップメタです。
大きくは前回のnoteと評価は変わらないです

加えて述べるなら、船主軸も追いやすいのが評価ポイントでしょうか。なにかと商人、船主は取れる展開が多く、割と点数も伸びやすい。とにかくこのボードに関してはやれることが多いだけで評価があがっていきます。

ひとつだけ言うなれば、5人戦はその時の流行りで環境の動き方が変わりやすく、その影響をモロに受けてしまうなと感じます

以前までは軍事を主軸に置くべきだと主張していましたが、今は軍事戦略のメタが回り過ぎているので、科学始動したほうが安定しやすいかなと思います。
その中でも無理に軍事せず青緑するか、軍事を絡めて赤緑をするか、といった択を間違えると詰みやすくなったなと感じていますね

依然として強い部類ではあるのですが、使ってる本人の7wonder理解力が試される文明だなとも思います

■バビロンA

前述したように、科学特化ができる、科学競合戦で強いというだけで評価が一段上がります。

ハリカルが環境のメタの影響を受けやすい分、だいたいどんな環境でも科学始動で間違いないバビロンAの評価は安定しやすいですね

このボードは軍事しても強いと思ってましたけど、嘘でした
科学特化があまりにも強いです

この5人戦というルールは資源で科学を集めることが非常に多いのですが、その時木、鉱石、粘土という構成を持っているバビロンAは非常に輝きます。
灰3枚、取れるだけ科学、茶資源、というAge1構成にしとけば連鎖含めてAge2の科学はそこそこ取りきれますし、お金も消費しにくい。もし隊商宿を取れると図書館(石石布)以外は無償化しやすいのも強いですね

というか、既存ルールでやってた資源を多めに集めるバビロンBの立ち回りをそのままトレースしてくるならAのほうが強いというだけの話ですね。
今までのnoteで書いてきたようにバビロンBのwonderは非常に安定しにくいので、個人的にはほぼ上位互換だと思っています。

強いところ2つ目がwonder性能です。
A面の基本構成である10点+能力構成ですが、バビロンAは全部が点数系なのが強いですね。
例えば布からコンパスの一種だけあつめて残りは資源と青を集めるという立ち回りでもwonder部分だけで15点くらいは安定して狙えるので、船主とか商工会議所、宮殿神殿あたりを拾えれば軍事に勝てなくても60弱を出すことは比較的狙いやすい方です。科学者ギルドが割と狙いやすいので一種単36点の最強構成を狙いやすいのも高評価
他にも科学の集まりがいい時は無理にwonder埋めにお金を使わずに、ハリカルBのようにAge3の最後でwonder2を埋める立ち回りを選べるのが強いです。科学が伸びているのであれば2枠で10点以上を出すことが可能です。この辺の臨機応変ができるのもA面の強みですね。

弱点はお金をいかに使わないかの立ち回りが理解できてないと弱いこと。無理に借りてセットを狙わなくても十分強いのでまずは灰を優先して集めましょう。

もうひとつが一枚も科学を取れない展開ですね。
他の文明とは異なり軍事路線<一種単となるので、軍事の負けとか、安く語れることも多少は妥協しないといけないです。ここの読み合いに負けると無駄手番1の差で負けやすいので注意

Aランク解説

Aランクに置いた文明の評価はずばり、
「デュアラン負けでも勝てる可能性があるかどうか」

この一点です。
基本的にこの人たちは軍事プラスαを追わざるをえないので、その中でも初手の運で負けてもなんとかなる個性があるボードを選んでいます。

■オリンピアA

軍事最強の評価は変わりませんが、軍事戦略自体の逆風もあり、ちょっと評価が下がりつつあります。
強かった試合場軍事の立ち回りが潰されやすいメタになったのもきつい

とはいえ軍事で安定して勝てたり、資源構成が強かったりの評価は依然として高め

オリンピアは割と科学を絡める必要が多いなと思っています。
意識してなくても最後の方にコンパスが一枚回ってきたとかの状況もあるので、軍事に若干余裕があるならそういうのを拾っていくのも重要でしょう

23/2/10 追記
やっぱりこのボードは安定して強いです
開拓の幅は狭いんですが、軍事特化できてギルドを拾いやすいっていうのがなおさら5人戦に求められる軍事性能だなと感じます。
真ん中のwonderはたとえば宮殿が拾えるなら実質6金を得たことになるうえ、そこで浮いたお金を他人にあげなくて良いと考えると令和のエフェソスはこのボードなのではないか?とさえ思います。

■ギザB

最近なにかと評価が高いです。やはりwonderが強いだけで色々幅が広いです。

特に左右科学競合の横で安く軍事をする立ち回りが強いです。
左右競合になると軍事と科学のハンドで科学に択を切る場合が多く、軍事を減らして青を取るという選択を選びやすいです。

目安ですが、Age2まで安く片勝ちが取れればAge3で挟まれて負けても点数をペイしやすいです。Age2まで軍事1枚で片勝ちが取れると高確率で60を狙えます。

あとは科学対面位置になったときにヤケクソ風青ギザができるのも強いですね。これで軍事を舐めてきた左右相手に片勝ちを取れれば序盤の青と重ねて十分勝ちを狙えるのが強いです

23/2/10 追記
ギザの資源の集め方のコツがわかってきたのでメモ
Age2の資源よりもAge1の資源が大事。資源負けしても腐らず単資源を集めた方が意外と金もちが良い
→Age1で資源を集められていると左右が金を借りてくれる機会が増えるため

若干4人戦のエフェソスと似た香りがします。どれだけお金を集金できるかでギザの点数が大きく変わってくる印象
たまに見る軍事0で60を出すギザは大抵ギルド運がいいわけですが、お金を継続的にもらえている状況であるのも大きいと思っています

あと青拾うよりもwonder3までAge2で埋め切っちゃった方が点数効率が良いイメージ。理屈は分かりませんが、闘技場の点数上がりやすいのが影響しているのか…?

■エフェソスB

エフェソスBに関しては評価を下げざるを得ません。
皆さんも感じているでしょうが、このルールのエフェソスBはなかなか点数が伸びないです。それもそのはずで、薄利多売の強みが消されている割にwonderもギザやバビロンほど伸びない、点数も枯れやすい、軍事の旨みが薄いなど環境的に逆風だからですね。

前回までは軍事全勝した時の強さだけで飯をくっていましたが、メタが回ってきた現状ではきついですね。
かと言って科学を絡める展開もあまり強くない。オリンピアの科学が強いのは青紫のコストを大きく抑えられるとかそもそも取れないものを取れる可能性がある上でプラスα科学分を載せれるからで、エフェソスBには逆転の札となる強いカードを取る能力がありません。科学に手を裂いた分他がおざなりになりやすい

その上で資源を集めまくるにしても石資源が邪魔になりやすい
最近はA面でよくね?と感じることが多くどの局面なら強いのかが言語化できていません。それでも有象無象よりは個性がある方だし、噛み合って点数枯れさえ起きなければ十分軍事全勝時の強さが残るだけマシ

■エフェソスA

最近こっちの面のことを評価しています。割とボードパワーを感じますね

まず科学をしなければならない盤面なら間違いなくA面の方が強いです
バビロンと同じ資源構成のため資源で科学を取りやすく、石が不要
またガラスが資源構成に入っているため船主も自然と狙いやすいという強みがあります。

軍事する時の強さはどっこいかなーと思います。コインをいつでも回収できる分軍事に勝てるかどうかではB面の方が強いですが、強いギルドにリーチする能力、船主軍事に発展する能力ではA面のが上

バビロンAと同様資金管理のクセを覚えてしまえば割とA面だけで各種対応がしやすいのかなと思います。

とはいえ構成がB面より強いくらいでwonder点数能力は低め
B面よりも色々戦術の切り替えがやりやすい分、盤面見て動き変える開拓はこっちの方が勧めやすいかなー程度の違いですね。ABでの左右差はあるかと思いますが、オリンピアAやギザBより安心できるかと言われると微妙

Bランク解説

Bランクに置いた文明の評価はずばり、
「有象無象の中ではワンチャンあるか」

この一点です。
上位互換がいるか、展開は作れるけど力負けしやすいっていうアレクサンドリアみたいな悩みを抱えているボードをここに置いてます。

■バビロンB

運ゲー3銃士の一人です。
ぶっちゃけ弱いですが、有象無象の中だと船主軸をかなり主体的に狙えるだけマシかなと思いランクをひとつ分けています。

ぶっちゃけA面に勝ってる要素が一つもないと思っています。
強いていうなら上振れたときはB面の方が強いですが、この強いカードが変わりやすいルールで常に最適なカードがラスハンに残る上振れが起きる可能性って何%ですか??

■ロードスB

昔はAの方が好きだったんですけど、軍事逆風すぎてデュアランに負けた時点で軍事全勝路線がかなりキツいという弱点が目立つようになりました。

最近は船主だったり(科学競合が2人以内に収まる盤面なら)科学競合していく変態プレイも時たままぜないといけないなと思います。まあ取れるなら軍事全勝は前提としてですけど。

というか、今熱いのは灰全種を集める動きです。
資金を減らしたりギルドを取り逃がさなかったり、商工の択を残せる択を作れる、科学を取り合えず拾えるのが熱い。

だからwonder枠が少なくて若干行動しやすいB面の方が開拓の余地あるかなと思います。
こいつのwonderで盾を得られるという個性自体は逆に省エネだからこそ輝くと思うんですよねー

Zランク解説

基本的には単体で勝つ能力はないです
火力の出せない石系のボード、灰全種を要求するボードはここです
つまりアレクサンドリアAってことです

■アレクサンドリアB

基本的にB面を評価することはないんですが、このルールでは意外とBの方が評価が高いです。このボード使い道あったんですね

というのも5人戦は木鉱石粘土の構成が強いのでそれにマッチしている
また灰を諦めると言う展開をとっても効果広場を持っているので実質損することがない(哲学が取れなくなるくらい)

どうせAge3で大量得点するゲームになるので、Age2までの点数が負けやすいと言う弱点も割とペイしやすい

ここまで書くと強そうに見えますが、お金が足りないがちだったり、wonder点数が低いせいで自力負けするのは変わらないです


2023/04/30 追記
ちなみにシーズン終了後の感覚ではこんな感じ

Sランク ハリカルナッソスB、エフェソスA
Aランク ギザB、エフェソスB、バビロンA
Bランク ロードスB、バビロンB
Zランク ギザA、オリンピアB、ロードスA、アレクサンドリアAB、ハリA

エフェソスAが思ったより強いのと、バビロンAが気持ち安定しない環境があることに気づいた。細かい解説はYoutubeの方でしているのでそっちを参照ください



終わりに

以上が最近の5人戦環境の解説になります
あいなーさ、キミ引退してたんじゃないのか?と言われそうですが、引退してます。ほんとなんです😢

とはいえ5人戦をやってて思うのは、普通の立ち回りをするとどんどん勝率が落ちていくことですね。
普通に軍事全勝してるだけではだめ、普通に科学特化してるだけでもダメ、有利展開とってても同じ有利位置にいる競合に負ける
この繰り返しでなかなか勝ちきれません。

思い切って変なことをする(オリンピアAで科学拾ったり)とちょっとずつ結果が伸びてきたりするので、やっぱこの海(アリーナ)で一番自由なやつが勝つルールなんだろうなと思います。

歴戦のwonder民たちのログを見ててもみんな苦戦しているので、いかに過去ルールの立ち回りを忘れられるかが重要なんだろうなと思います。

みんなも7wonder力、鍛えていきましょう

今後も趣に記事を書くかもしれませんがあまり期待しないでください。
ありがとうございました。


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