静7132
少し変わった名前の品種「静7132」(しず なないちさんに)
静岡県茶業試験場で1960年代に生育され「やぶきた」の自然交雑から選抜された品種です。
"7132"試験場で使われていた当時の管理番号です。
品種名が付けられずそのままの名前で販売されている珍しいパターンですが、静岡市清水区では「まちこ」という可愛らしい名前がつけられています。
「さくらかおり」という名前が付いている商品も見かけたことがあります。
「静7132」の特徴は、なんといっても桜の花のような淡く柔らかな香り。
この香りは桜の葉や明日葉などに含まれる「クマリン」という香気成分によるもので「やぶきた」には含まれていない成分です。
また、萎凋(生葉をしおらせ発酵させる製法)させることで、より強い香りが生まれます。
そのため、紅茶やウーロン茶にしても楽しめる品種なんだそう。
石山製茶工場「静7132」
茨城県西部の茶産地、さしま茶を製造販売する石山製茶工場さんの静7132は中〜深蒸し製法で仕上げられていて、水出しのお茶としてもオススメです。
桜の花のような香りは水出しでも十分に堪能できました。
口当たりはまろやかで、しっかりとしたうま味も感じられるコクのある味わいでした。
2煎目、3煎目をお湯で淹れると、心が和むような甘い香りが楽しめます。
新茶より二番茶、開封直後より開封してから少し時間を開けた方が、この桜のような香りが強く感じられるみたいなので、一気に飲み切らずに少し時間をおいて、香りの変化を楽しみたいと思います。
茶殻を見ると赤い葉が見えます。
決して傷んだ葉が混入しているわけじゃなく、これもこの品種の特徴なのです。
味や香りだけでなく、見た目も個性的な品種のお茶ですね。
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