蒼風4

「蒼風」 やぶきた(♀)×静-印雑131(♂)

静岡県金谷の農研機構で育成され、2005年に命名登録された比較的新しい品種です。

株親♀:やぶきた 花粉親♂:静-印雑131


摘採期は「やぶきた」より4~7日早い早生品種。

収量は「やぶきた」と同程度で、幼木園の初期生育が良い。
新芽数が少なくなり芽重型になりやすいという特徴がある。

耐寒性は「やぶきた」より低いため、温暖地での栽培に適しています。

輪斑病の抵抗性は強いが、赤焼病の抵抗性は若干弱いため多発地域では防除が必要になります。炭そ病は中程度。


蒼風の最大の特徴は花のような香りが楽しめること。
一般的に想像されるであろう日本茶の香りとは全く異なる香りです。


やぶきたの力強いうま味と清涼感のある香りと折り重なるようにジャスミンのような香りがふわっと口の中に広がります。
飲み終わったあとも後味が残り、余韻を残しながら時間をかけてすーっと消えていくような味わいです。


一度飲むとその香りに魅了される方も多く、特に女性人気の高い品種だそうです。


「蒼風」の個性的な香りの正体は、花粉親のインド系統の実生品種「静-印雑131(しず いんざつ131)」に含まれる"アントラニル酸メチル"という香気成分です。

この成分が含まれる日本茶は非常に少なく、他には「藤かおり」「近藤早生(わせ)」という品種があります。


蒼風の特徴である花のような香気を活かすためには、被覆を最小限に留め、普通蒸しか浅蒸しで製茶することが必要になります。

「蒼風」は、静岡県の奨励品種ですが、商業栽培はほとんどされていない希少品種です。

普通の煎茶とは一味違う「蒼風」を楽しみたい方は、錦園 石部商店さんの「日本平 蒼風」がオススメ。
オンラインでの販売がない場合でも静岡伊勢丹を中心とする催事場で手に入ると思います。


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