雁が音

雁が音←これなんて読む??


雁が音は、「かりがね」と読みます。

では、、、

雁が音ってなに!?

"雁が音"とは「茎茶(くきちゃ)」のことです。

日本茶専門店なら大抵どこでも売っている「茎茶」(「棒茶(ぼうちゃ)」と言われることもあります)
だいたい100g 400~600円くらいの比較的安い値段で売っていて、普段使い用としても重宝できるお茶。

お茶にはいろんな種類がありますが、茎茶や粉茶は「出物(でもの)」と言われる種類のお茶になります。

普通の煎茶を作る際に出るお茶だから「出物」。


煎茶の製造工程

煎茶と言われるいわゆる"普通のお茶"は大雑把にいうと「蒸す→揉む→乾燥させる」の工程を経て作られます。

蒸して揉んだあと、乾燥させてできたお茶を「荒茶」(あらちゃ)と言います。

その後、篩(ふるい)にかけて、大きさをごとに振り分けられます。
この工程で、細かいお茶(粉茶)、くきの部分(茎茶)は、機械で選別されます。
(残るのは↓このような細長い形状の茶葉)

こうして、茎の部分ばかりをより集めたお茶は「茎茶」「雁が音」「棒茶」という名前がつけられ販売されます。


なんで雁が音っていうの??


では、なぜ「雁が音」という名前がつけられているのか?
実は、名前の由来は明確には分かっていないみたいですが、雁(がん)という渡り鳥からきているという説が一般的にいわれています。


初冬にシベリアから群れをなして飛来してくる渡り鳥の雁は小さな枝をくちばしにくわえて飛ぶのですが、疲れると海に枝を浮かべてそれに止まり休憩をとります。

ですが、海を渡るために必要だった枝も陸地に到着すると不要になり、浜辺にたくさん置かれていくそうです。

季節が巡って春が訪れると、雁たちは再び浜辺に捨てて置いた枝を拾って旅立つそうです。

ところが、日本で過ごす間に命を落とす雁も少なくないようで、浜辺にはたくさんの枝が残ったそうです。

その残された枝がお茶の茎に似ており、命を落とした仲間を思う雁の悲しい鳴き声から「雁が音」とういようになりました。

ちなみに、この津軽地方ではこの枝を集めて「雁風呂」(がんぶろ)という風呂を焚く風習があるそうです。

うーん、なんか悲しくも切ないお話ですね。笑

ちなみに、これを焙じたのが、加賀棒茶などで有名な「茎ほうじ茶」

最後まで読んで頂きましてありがとうございました!