カネヨ製茶_やぶきた

カネヨ製茶 やぶきた 滋賀 朝宮茶

知る人ぞ知る茶産地朝宮

たぬきの焼き物で有名な滋賀県信楽町にある茶産地朝宮
静岡の牧之原や鹿児島の知覧のように決して大きな産地ではないが、日本茶愛好家の下を唸らせる良質なお茶を生産することで知られています。


カネヨ製茶さんは日本茶インストラクターの方との繋がりで紹介して頂き、茶園見学をさせて頂ける事になりました。

山の斜面にびっしりと茶園が広がっている光景は壮観です。

標高の高い場所の奥山の茶園では標高約400m。
標高が高く、昼夜の気温差が激しい茶園は良質なお茶を栽培するのに最適な環境なのです。


朝宮茶の起源

朝宮茶の起源は、約1200年前、805年(延暦24年)に最澄が留学先の中国から茶の種子を持ち帰り、朝宮の地に植えたことに発すると言われていますので、宇治茶や静岡茶の発祥とされる栄西が中国から茶の種子を持ち帰った時代より約400年も古い歴史を持っている茶産地です。

また、『日本後紀』には815年に、嵯峨天皇が近江国を訪れた際に、永忠から茶を献じられたことが記されており、これが喫茶の記録としては日本最古のものとされています。


お茶は大まかに種類分けをすると、牧之原台地や鹿児島の知覧のような平坦地でとれる「里のお茶」標高の高い茶園でとれる「山のお茶」に分けられます。
朝宮茶は高いところで標高約400mなので「山のお茶」になります。
平坦地に比べ日照時間が短いため、摘採適期までうま味成分が多く残りやすい環境になります。

また、山のお茶はなんとも言えない爽やかな香りが特徴です。
うま味成分は肥培管理によってある程度増やすことが出来ますが、香りは環境に依存しやすく、朝宮茶には他の産地とは一味違った上品な香りが詰まっています。



カネヨ製茶 新茶 やぶきた

淹れる前の茶葉を見ると粉っぽさがなく1本1本の茶葉の形状がよくわかります。
これは「浅蒸し」という製法で、採れたての茶葉を蒸す時間を短くして作られたお茶になります。
逆に蒸し時間の長いお茶を「深蒸し」と言います。
深蒸しのお茶の場合は、このように粉っぽい形状のお茶になります。

「深蒸し」のお茶は、苦渋みが少なくまろやかな味わいが特徴ですが「浅蒸し」のお茶の方がお茶本来の香りがより楽しめます。

水色(お茶の抽出液の色)は澄んだ山吹色で、薄く見えますが、見た目以上に味がしっかりとしていて、濃厚なうま味が味わえます。

日本茶は淹れる温度によって味や香りが変化しますが、このお茶はその味わいの変化が他のお茶に比べ大きいように感じられます。


「朝宮のお茶は渋い」と言われることもありますが、日本茶のおいしさは、うま味や甘みだけではありません。苦渋みも日本茶のおいしさの一つです。
良いお茶の苦渋みは舌に刺さるようなものではなく、爽やかで嫌な後味が残らない苦渋みが楽しめます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました!