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もうひとつの目

個人的な作品撮りは別として、仕事の撮影ではメイクさんについていただくことがある。今回は、ボクがよく一緒に仕事をさせていただくメイクさんのお話。

髪や顔のメイクだけでなく、「モデルのメンタルケア」「撮影中のチェック」もしてくれる。

メイクさんは、ボクらフォトグラファよりもモデルと接する時間が多かったりする。また、撮影前のメイク時にモデルと会話の中で、ボクらには気づくことのないモデルのコンディションやコンプレックスなどを知ることができる。それをフォトグラファに伝えてくれることにより、本撮影がスムーズに進めることができる。そして、撮影前〜中〜後にモデルのメンタルをケアする。不安や緊張をほぐすのはフォトグラファの仕事のひとつではあるけれど、シャッターを切ることに集中してしまうと、なかなかそこまで気を回すことができないので、どうしてもフォローしてくれる人が必要となる。

撮影中のチェック、つまり、髪型や化粧の直しという作業は当たり前のこと。でも、リズムに乗ってシャッターを切っている最中であっても、気になる点が見つかるとそれを遮って直してくれるというのは有難い。そう、彼女に言うと、「失敗したままシャッターを切らせない。遮ってしまっても、その後は良い状態で撮影ができるのだから。」「先生の撮影画角もチェックしていますよ。」と、笑顔で答えてくれた。彼女の言う通り、変に気を使って流れが途切れるのを待たれると、NGカットを無駄に撮ることになり、もっとリズムを崩すことになる。

クライアントやグラフィックデザイナー、そしてフォトグラファのイメージするメイクをするのが一番の役割なのだろうけれど、ボクらフォトグラファの第2の目になってくれるメイクさんは、とても貴重な存在だ。

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