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議員だって旧姓利用したいし、自宅住所を全世界に公開されるのは辛い #総務大臣に要望書をだしました #WOMANSHIFT

2020年7月14日(火)

高市早苗総務大臣に要望書を提出しました。


「政策を実現できる女性議員を増やし、地方議員を女性のキャリアの選択肢とすること」をミッションとするWOMANSHIFT(ウーマンシフト)として。


なんの要望書を出したのか?


統一地方選挙のときに入ってきた相談

実は昨年の統一地方選挙の前後から、WOMANSHIFTにはいくつか共通した相談が入ってきていました。それは、旧姓で立候補ができない。また、住所が公開されてしまうというものです。

NHKの記事にもなっています。住所の件はこちら。

今回、立候補を決意して初めて、横浜市では、立候補者名簿としてPDFで自宅住所が公開されることに気付いたという。
「『えっ、まさか』と思って、過去の選挙も調べてみたら、検索で出てきちゃったんです。これは、今後横浜市で選挙に出る限り、ずっと自宅住所は公開されたままかもしれないと思って、怖くなりました。私はシングルマザーで、ストーキングの被害にあったこともあるし、子どもが自宅で留守番することもあるし、ちょっとこれはないんじゃないかと」

旧姓利用については神奈川新聞が特集してくれていますね。

旧姓含めた通称使用、承認は半数 県内議会

企業や行政、国会などで結婚前の旧姓使用が進む一方、地方議会では希望が通らず、戸籍上の姓での議員活動を余儀なくされている女性議員もいる。
当選後に「名前」が変わったのは、昨年4月の同町議選で初当選した山田(旧姓冨田)陽子さん(35)。町内で林業を営む山田さんは、2018年6月の結婚後も旧姓で仕事を続け、議員としても旧姓での活動を考えていた。公選法は、旧姓や芸名などの通称を選挙活動で使うことを認めている。山田さんは立候補の届け出に合わせて「冨田陽子」の使用を同町選挙管理委員会に申請し、承認された。ところが当選後、同町議会事務局から旧姓ではなく戸籍名を議員氏名とすることを求められた。同町議会事務局は、これまで議会で前例がなく、通称使用に関する規則がないことなどを理由に挙げている。


それから旧姓利用をちゃんとできるようにしてね、と通知もでています。

地方議員の議会活動での旧姓使用を巡り、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会が、各地方議会の議長に「必要な措置」や「適切な対応」を求める通知を出していたことが19日、分かった。旧姓を含めた通称の使用を認めるよう強制するものではないが、衆参両院での運用例や、改善を求める有識者の意見などを周知する狙いがあり、旧姓使用の広がりを後押ししそうだ。



ホームページでも自宅住所が全世界に公開されてしまう自治体も

現在、選挙に立候補すると「立候補届出があったときは、その旨を告示すること」とされています。(公職選挙法86条、86条の2,3,4)


そのときに、よくあるのが区役所や市役所の前の掲示板に紙で張り出されること。名前、住民票の住所などが公表されます。でも、情報公開が進む今、インターネットで全世界に公表がされている自治体も少なくありません。

先程の記事にもありました。

でも、統一地方選挙から1年以上経過した今でも当時の住民票の住所がインターネット上に残っているのです。しかも公開されるその住所は選挙事務所だったり議員事務所ではなく、住民票がある自宅。


実際の女性議員の声の一部を紹介します!

①2期めに通称として旧姓を使用した際、立候補時に立候補者一覧として、戸籍名と住民票住所を公表されました。確かに必要な措置かもしれませんが、旧姓使用を良く思わない方から、戸籍名で議会事務局宛に手紙をいただく、SNSで居住地と地盤が異なることを悪意的に書かれるなどの嫌がらせを受けました。また、立候補者一覧をDMの宛先に使用する業者もあり、仮住まいしていたハイツに議員宛のDMが届いたりします。既に引越し済みのため、退去後も届いているのでは、と心配しています。
②選挙時は1期めは独身で戸籍名、2期めは既婚で旧姓を使用しました。現職であり選管職員と顔見知りだったため、旧姓使用はスムーズにできましたが、規定がないゆえの曖昧さを感じました。
※今回の問題とは違いますが、結婚した際に議会で旧姓利用をしようとしたときに、職員にも旧姓利用をしているものがいないということで難航を極めました。

私の場合は立候補の際、旧姓を通称として使用したいと思いましたが、自分の旧姓が広く社会で通用していると示す資料を提示することができず、選管から認定は難しいと事前に言われ断念しました。
旧姓を利用したかった理由は、結婚後数年は経っていましたが、友人にも新しい姓が知れ渡っていないと判断したためです。私自身が当初より知識を持って臨んでいれば旧姓の通称認定を受けられていたかもしれませんが、選管職員の認識が、個人の概念によって大きく異なるのが問題だと思います。よって、立候補の際に男女共、旧姓を不自由なく利用できるよう基準を設けて頂くことを望みます。

私は、立候補の時家族の1番の不安が【住所公開】でした。
正直、立候補を諦めようかとも思いました。
夫とよく話し合った結果、某警備会社を利用し、家の四方全て死角がないように防犯カメラを設置しました。全てのカメラで1週間分の録画が残るようになっております。ちなみに、カメラの導入費用などで80万円ほどかかりました。政治活動でただでさえもお金がかかっていたのでかなりの痛手でしたが、それでも家族と自分を守るためにはその方法しか思いつきませんでした。選挙後は自宅の住所は公開しておりませんでしたが、選挙時に公開していた影響でその後しばらくは市民の方が突然自宅にいらっしゃることがありました。
どの方も市民相談ではなく、『実物を見たかった』というような理由でした。いらした方には悪気はないのだと思いますが、やはり少し恐怖を感じました。あの時、80万円出せるほど経済的な余裕がなかったら立候補してなかったと思います


どんな要望書をだしたのか?

実は旧姓利用と住所公開については、細かく言うと選挙のときと議員になってからの2つが課題としてあります。

無題のプレゼンテーション (2)

今回要望を出したのは、立候補時のこと。

青くなっている①と②の部分に特化しました。議員としてももちろん住所公開も控えたいという声も、旧姓利用にハードルがあるという声も女性議員から届いているのですが、実は3月に全国市議会議長会からこんなお知らせが出ているのです。大臣も課題については認識していただいているだろうということで、今回はあえて選挙時にしぼりました。

議員の通称使用については、地方議会への女性の参画が進む中、婚姻等により旧姓で議員活動を行うことを希望する事例が増えるものと予想されます。また、日頃通称で活躍して当選した議員が、その通称のままで議員活動を行うことを希望する場合も想定されるところです。
ついては、議員の通称使用に関する国会における先例や総務大臣答弁など関連の資料を掲載いたしますので、各市議会におかれましては、その趣旨をご理解いただき、議員の通称使用について必要な措置など、格別のご配慮を賜りますようお願い申し上げます。

実際に提出した要望書はこちら

具体的に要望したのは

 候補者の氏名、本籍、住所、生年月日、職業の公表について、告示以外の方法については現在各自治体に委ねられているが、慎重に扱うよう(HPなどでは戸籍名・自宅住所は公表しないなど)通達を出してください。
 候補者や議員の旧姓使用について全国的に基準をつくり立候補にあたり簡単に利用ができ、不自由がない形にしてください。

という2つです。



では、どうやって大臣に会ったのか?


吉川さおり参議院議員にお世話になっているメンバーがいましたので、吉川さんにお願いして、つないでいただきました。


3期目の参議院議員で、ずっと総務委員会に所属されている方です。


新型コロナウィルス感染症や国会日程の関係でずっと伸び伸びになってしまっていたのですが、とうとうお会いいただけることに・・・・!高市総務大臣とはメンバーみんなニュースなどで拝見したことしかなく、旧姓利用や住所公開について、実情をお話してもなかなか理解していただけないのではないか?とドキドキしていました。


ところが、実際にお会いしてみると、「旧姓利用については戸籍抄本つければできるから、もしできない事例があれば教えて!」「住所公開については自分もいろいろな体験をしている」と大変理解を示していただきました。


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前日に作成したプレゼン資料


総務大臣にお会いするんだから!と要望書だけではだめかもしれない・・・!とはたと気づき、突貫で前日に作成したプレゼン資料はこちら。実際の事例はもっと盛り込んでありましたが、様々な事情で公開をしづらい方もいるので、消した事例もあります。なるべく課題からわかりやすくまとめたつもりですので、よかったら御覧ください。



実際に、地方議員の選挙は各自治体の選挙管理委員会が取り仕切るため、国からは求めることしかできないようなのですが、それでも国が統一した見解を出すことは、地方を後押しする力になります。


お忙しい中、総務大臣に面会を交渉していただいた吉川さおり参議院議員と、お時間をいただき、ご理解をしていただいた高市総務大臣に大きな感謝を!


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引き続きWOMAN SHIFTでは、政策実現できる女性議員を増やすための活動を続けていきます。



当日参加者 (50音順)


※今回の内容については本当に多くの女性地方議員から声をいただいており、できれば全員で伺いたかったのですが、このご時世最小限の人数で伺い、さらに地方からはオンラインで事例をお伝えしました。

オンラインのための荷物は重かったですが、持っていってしっかりとお伝えしたかいがありました!(上の写真のタブレットに写っている2名です)

おぎのあずさ
自民党
埼玉県川口市議会議員


田添麻友
たぞえまゆ
都民ファースト
目黒区議会議員

田畑直子
たばたなおこ
国民民主党
千葉市議会議員(美浜区)

中村延子
なかむらのぶこ
立憲民主党
中野区議会議員


本目さよ (WOMANSHIFT 代表)
ほんめさよ
無所属
台東区議会議員

◆オンライン参加者

上森 茜
うえもり あかね
自由民主党
柏崎市議会議員(新潟県)


島津明香
しまづはるか
自由民主党
高砂市議会議員(兵庫県)










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