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#75 附属小学校での学習戦略を紐解く(小学校受験)

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 本noteは、主に附属小学校入学後の内容となりますが、小学校受験家庭の皆さまにおかれましても、中学受験と悩んでいるご家庭や、知名度や偏差値に惑わされない志望校選びの一助になれば幸いです。

 一貫校にご縁をいただけると、12年・16年の長い旅路が始まります。
 当然ながら、長い道のりの中でご家庭の教育方針が変わったり、本人の志が生まれることもあるでしょう。途中での方向転換はいくらでも可能です。
 とはいえ、小学校入学後は、まずは一貫教育目線での学習戦略であるべきですし、低学年を中心とした基礎基本の習得の意味では、今後の方向転換によらず、やるべきことはそう変わりません。

 また、私立小学校ごとの学習進度・強度は本当にそれぞれです。学習の深さ・幅もそれぞれ。
 以下は、それらの幅をある程度織り込んだ内容になっておりますが、学校ごとへのアジャストはお願いします。そして、本人の学力・得意不得意も千差万別です。本noteやSNSの情報に振り回されすぎないようお気を付けください。

【重要】
 本noteの学習戦略は、中学進学後に学年上位層を確保する強度を想定してます。
 しかし、一貫校生活でどこに重きを置くかはご家庭それぞれです。学力よりも得るものがあると考えることは決して悪いことではありません。それが附属校の魅力でもあるからです。さらには、本人の学力が伸びるタイミングも千差万別です。
 一番の悪手は、あれもこれもと親が欲張りになることです。教育方針と成長曲線を見極めながら、ご家庭それぞれの学習戦略を組み立ててください。

【補足】
 私立一貫校を学力の面から紐解くなら、その学力向上は「本人(家庭)による」に尽きます。小学校受験にて、いくら中学受験の偏差値が高い学校に合格しても、その偏差値に見合った学力が自動的に身に付くはずもありません。逆もまた然りです。
 また、学年上位層を確保することは、どの学校であっても、概ね出口戦略編で検証した難関大学合格の範疇に位置することを意味します。ますます、中学受験偏差値の入り口は無関係です。さらに言えば、本noteの内容は、一貫校のメリットを享受すれば十分に辿り着ける学力の土台づくりです。
 それゆえに、何度も申し上げますが、小学校選びは本人(家庭)に合った環境選びであることが第一です。学力は本人次第でも、環境は本人の力では変えられないからです。


■はじめに

 一貫校の長期目線で考えるならば、目標に置くべきは、小中高一貫校であれば大学受験、指定校推薦狙いや大学附属校であれば学校(学部)選考の対象となる高校の定期テストになります。中学受験組(以下:中受組)との差を意識しすぎて、6年間の短期目線で焦るのは木を見て森を見ずといえます。

 一方で、中学進学後のスタートダッシュは親御さんが思っているより重要です。
 立ち位置とは怖いもので、そこで出遅れた場合、巻き返すのはかなり困難です。焦った当人が巻き返そうと勉強しても、スタートダッシュ成功組も、よほどの慢心がない限り同じくらい勉強しているからです。中学受験にて、「小4の夏の立ち位置が概ねゴールまで続く」と言われるのと同じです。

 さらに、戦う相手は、ポテンシャルのある内部進学生(以下:内進組)に加えて、厳しい中学受験を突破してきた猛者たちです。スタートダッシュで彼らに太刀打ちすべく、さらに目標とする長期目線を忘れずに、小学校時代にどのような学習戦略を取っておくべきなのか。本noteにて紐解きたいと思います。

 小学校での学習戦略の恩恵は中学進学後のスタートダッシュだけではありません。足が速い子がヒエラルキーのトップだったのは昭和の話。現代は、算数が出来る子も尊敬の眼差しを受けます。学校や先生にもよりますが、私立小では勉強のできる子をうまく表舞台に立たせてくれます。
 まさに自己効力感の育成です。高い自己肯定感が、勉強の意欲を増してくれることは言うまでもありません。

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