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#71 出口戦略を紐解く'24[男子編](小学校受験)

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 出口戦略編は、2021年4月の第一弾配信から始まり本noteで4期目となります。
 狼侍のnoteでは、「出口戦略[男子編]」累計アクセス数でトップです。それだけ男子の小学校受験は悩ましいのだと思います。

 今回は、検証の深掘りや範囲拡大も含め、文字数1.5倍の大型アップデートとなったため、新ナンバーでの配信とさせていただきました。ご理解賜れれば幸いです。

【ご参考】
 文字数が多ければ良いものではないのは承知していますが、30,000字超の長文となってしまいました。少しずつお読みいただければと思います。もしくは、「全体検証」と「まとめ」からお読みいただくのも良いかもしれません。


■はじめに

・はじめに

 男子の小学校受験の進路選択の難しさはこれまでお伝えしてきた通りです。一方で、先日配信した「#66 進学ルート検証」で紐解いたように、12年間の一貫教育には偏差値に表せない魅力がたくさん詰まっています。多様化する大学受験環境を鑑みれば、偏差値基準だけが物差しにならないのも明らかです。

 今回、検証の範囲や角度を増やしましたが、従来の仮説が一層強固になった気がします。
 本noteでの仮説とは、「学力や進路を意識するがゆえに偏差値を忘れる」という、初等教育選びの原点とも言えるものです。
 有料につき強くお薦めするのは憚られますが、男子のご家庭は各校の特徴の理解も含めて、是非ご一読いただきたいと思います。

・男子の小学校受験の悩ましさ

 本noteの本旨は、入口の垣根が低くて出口の良い、いわゆる「お得な学校探し」ではありません。
 中学受験偏差値(以下:中受偏差値)の高い学校だけを見て、「やっぱり○○小学校しか勝たん!」と判断するためでもありません。
 「私立一貫校それぞれに将来の可能性は大いにある(結局は本人次第)」を確かめていただきたかったのが本旨です。

 学力志向の男子の小学校受験においては、「早慶附属が勝ち組、進学校は暁星・桐朋2校に加えて農大稲花が登場し厚みを増した」というのが、これまでのスタンダードです。
 そして、それらの学校の異常な倍率から考えると、男子は極めて選択肢が少ないのが、男子を持つご家庭の悩みでした。

 しかし、データでの検証により、決してそれだけの構図ではないことをこれまでの出口戦略編でお伝えしてきましたが、検証範囲の幅と奥行きを深めた今回の検証にて、それが一層明らかになりました。
 その傾向は「#68 2023年秋の受験分析」でもお伝えした通りです。

 結論を言えば、男子の小学校受験の選択肢は十分にあります。選択肢が少ないのではなく、恐らく女子以上に、「将来をしっかり考えないと後悔する受験」、つまり「親の覚悟が必要な受験」と言えるでしょう。

 中学受験層を中心に、偏差値に拘る層の動機として、「高い学力の学友との切磋琢磨」を挙げるご家庭が多いのは周知です。大いに魅力的な要素だと思います。
 一方で、学友の視点で言えば、小中高一貫校では、「家庭環境や価値観の合う学友との切磋琢磨」に置き換わります。
 早慶はともかく、上記に挙げた進学校も中学受験では最上位とは言い難いポジションです。附属中学の偏差値でなく、その学園の一貫教育そのものに魅力を見出さなければ、居心地の悪さやミスマッチを招く可能性は高いでしょう。
 男子の小学校受験の決断は難しいです。かと言って早慶専願で挑むには幼児への負荷と成功体験のバランスが合いません。どうしても偏差値の呪縛が解けないようであれば、素直に中学受験に挑むことをお勧めします。

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