ミス・アメリカン・コンテスト

 もう35年くらい前でしょうか、テレビ東京系でお昼くらいにやっていた映画「ミス・アメリカン・コンテスト」について発作的に書きたくなったので書いてみます。私の記憶ではミスアメリカコンテストというタイトルだったような気がするのですが、ネットで調べたらどうも微妙に違っていたようです。あとどうもTVムービーだったようですね。またキャストにスーザン・アントンやファラ・フォーセットもいたようです。全く印象になかったので意外でした。

 確か勉強か何かをやっていて、たまたまテレビがそこにチャンネルが合っていて、何となく観ていたという感じでした。と言うのも、こんなことを言うのはなんですが、ほとんど内容を覚えていないのです。ミスアメリカを決めるコンテストが舞台で、それに参加する女性たちの群像劇みたいな感じでした。舞台裏の一人一人のドラマや、ステージ上の審査の様子が交互に描かれていきます。なぜわざわざ取り上げるかというと、ちょっとラストが面白かったからです。例によって結末を完全にネタバレしてしまいますが、まあこの映画は二度と観る機会などないでしょうから、遠慮せず書いていきます。

 参加者の一人が、フェミニズム運動の過激派の一派でして、当時はフェミニズムでなくウーマンリブと言っていたかも知れませんが(ひょっとしたらその両者は全くの別の物かもしれません。一緒にするなと思われた方、ごめんなさい)、ちょっと過激な論調の方もいて、アメリカあたりではよく物議をかもしていたものです。

 で参加者とその仲間の女性が打ち合わせをしているのです。ステージ上でこのようなコンテストは不当であり、撲滅すべきだみたいなスピーチをするつもりなのですね。これを参加者である女性が言えば確かに大会としては面目丸つぶれですし、効果的であろうということです。

 で、大会はどんどん進んでいって、その過激派の女性は決勝に残り、仲間もしめしめみたいに思って見ていると、なんと優勝してしまうのです。さあ優勝のスピーチです。仲間は客席で、さあ私たちの理想を今こそ世界に向けて発信するのよ、みたいな感じで期待しています。優勝した女性はしかしマイクの前で口ごもっています。彼女はミスに選ばれたことで喝采を受け、舞い上がってしまっています。そして何ということでしょう。優勝したことに感極まって感謝のスピーチを始めてしまうのです。会場からは拍手が巻き起こり、仲間はその中で立ち上がって「裏切り者―!」と叫ぶところでこの映画は幕を下ろすのですが、まさかこんなお話になるとは思っていなかったので、適当に観ていた私はちょっと得をした気分でした。

 しかしこれ女性を賛美しているともバカにしているとも取れる相当皮肉の効いたオチで、まあ映画の出来がどうこうという以前に、そんなオチが必要な映画とも思えないのに、なんでこんなことになったのだろう、とちょっと考えてしまいました。あるいは当時のアメリカの時代背景というものをちゃんと理解していないと本当の面白さは分からない類いの映画なのかもしれません。この作品の情報もいろいろ探してもほとんどないですね……。もしご覧になった方がいらっしゃいましたら、この映画の正確な解説をお願いしたいところであります。


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