スター・ウォーズ

 以前、私は幼いながらも「ジョーズ」で映画の面白さに目覚めたと書きましたが、その次に劇場で観て夢中になったのは恐らく「スター・ウォーズ」だったと思います。今となってはなんか副題がついているかもしれませんが、誰が何と言おうとここでは「スター・ウォーズ」ということで話を進めます。シリーズ第一作です。

 何と言っても子供でしたから宇宙でバンバン撃ち合う映画が嫌いなわけはありません。実は実際に観る前に、兄貴がサントラレコードを買って来ていて、その音楽をかけまくっていたわけですので、私はジョン・ウィリアムズの音楽からこの映画に入ったと言ってもいいかも知れません。とにかく音楽がカッコいいと思いました。

 そしてついに家族揃って「スター・ウォーズ」を観に行くことになりました。何と言ったらいいのでしょう。その当時映画を観るというのは一大イベントだったわけで、当時を知る人は分かってもらえると思いますが、今の映画とは違ったノリがありました。それとも今リアルタイムで映画に開眼している人は、例えばマーベルのアメコミ映画とかで同じような思いを味わっているのでしょうか。あるいはそうかも知れません。でも私は「スター・ウォーズ」でお祭りムービーの面白さに目覚めて幸せだったと思います。

 当時は字幕も満足に読めず、他の映画の退屈なシーンではぐずっていたかも知れないほど幼かった私ですが、「スター・ウォーズ」は全く退屈することなく、その面白さに驚きました。なぜこんなにも面白いのか、当時の私には分析する能力も無かったのですが、後々思い返してみると、やはりキャラクターが分かりやすく魅力があったからではないかと思います。主人公のルークとレイア姫、流れ者のハン・ソロ、その相棒のチューバッカ、狂言回しのC-3POとR2-D2、師匠のオビワン・ケノービ、そして悪役のダース・ベイダー。どんな子供でも一目で覚えられる外見と名前です。子供向けと揶揄されることも多い映画ですが、これって本当に凄いことだと思います。子供こそ、少しでもつまらなかったら飽きて観なくなってしまう人種ですので。

 さらに、ただ単にカッコよく戦争ごっこしているだけかと思いきや、中盤まではドタバタコメディの様相を呈しています。そして使命や責任に目覚め、最後の戦いに向かうという燃える展開。ここは親父が感心していました。私はあまり分かっていなかったと思います。

 なんだか小学生の感想文みたいな感じになってしまいますが、例えばゴミ処理場に落とされて潰されそうになるサスペンスが凄かったりとか、予告にない面白いシーンがいっぱいあって、子供ながらに「この映画は何か違う!」と感じたものでした。ああいう執拗な面白さがノンストップで続く展開はスピルバーグのお家芸になってしまって、その後ルーカスはあまりやらなくなってしまいましたね……。

 神話や伝説や過去の名作をうまいこと換骨奪胎して、ハリウッド娯楽映画の新しいスタンダードを(今となってはもう古典になりましたが)作ったジョージ・ルーカスは本当に凄いと思います。しかし、これ以外に好きな映画があるかと聞かれると、パッと思いつかないので私はジョージ・ルーカスのファンということではないのだなと思います。なんだか感想というにはとりとめのない文章になってしまいましたね。あれからかなりの年月が経ってますので、当時の新鮮な気持ちを思い出すというのは難しいですね。

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