ターミネーター2
もはや何も書く必要がないほどの名作ですが、「ターミネーター2」の感想もやはり書いておかなければならないでしょう。前作からかなり年数が経ってからの続編ということで、期待も不安もあったのですが、監督のジェームズ・キャメロンさんも「ターミネーター」以降、「エイリアン2」や「アビス」など大作を撮るようになってまして、それらで培った技術を全部つぎ込んだかのような、当時としては、いや今観てももの凄いクオリティのアクション超大作となっていてビックリしました。
とにかくアクションが凄いんです。今さらこんなこと書くのも恥ずかしいんですが、公開当時、初めて観た衝撃を思い出して書いてますので勘弁してください。アニメとかでなければ不可能なほど大仕掛けのアクションを、実写でド迫力で表現しているのにまず驚きました。今だったらCGだろ、ということで済んでしまうような映像も、当時はまだCGは敵役のT-1000にしか使用しておらず、大体ライブアクションか、ミニチュアワークといったアナログ特撮を使用しており、実際にモノが壊れたり爆発したりする様が本当にダイナミックなのです。見せ場の巨大感にこれほど圧倒されたのはこの映画が初めてではないかなと思います。
さらにストーリーがなかなか面白いのです。もちろん前作からお話は続いていまして、サラ・コナーは精神病院に入れられ、その息子のジョンは従兄夫婦でしたっけ? そこに預けられて、ちょっと悪いこともしてるみたいな年頃です。そこにシュワちゃん型ターミネーターが送り込まれ、また殺しにきたのかと思いきや、今度は新型ターミネーターから守る役目を仰せつかったのです。その新型ターミネーターというのが液体金属状のT-1000でして、演じるのはロバート・パトリックなのですが、このアイデアと言い、ロバート・パトリックの名演と言い、映画の面白さを2ランクくらいアップさせている名悪役と言っていいでしょう。シュワちゃんと違ったタイプの強さなので、アクションが単調になりません。本当にキャメロンは頭のいい人だなあと思いました。
構成がやはりよく練られているのです。ターミネーター対ターミネーターとか普通にやりたくなると思いますが、不死身の機械同士が闘ってもプロレスみたいなもんで、2時間見せられたらそりゃ単調になりますよ。しかしT-1000はサラとジョンを殺すことが目的で、シュワちゃんはそれを防ぐのが目的なのです。だから二人が出会った瞬間こそはガチンコで殴り合ったりしますが、延々そんな単純なアクションが続くわけではありません。T-1000はあの手この手でサラたちに近づいて殺そうとしますし、シュワちゃんはそれを察知して逃げたり、時には身を挺して二人から引き離したりして、一種頭脳戦という図式になったりします。何かを守らなければならない状況でのアクションというのはグダグダになりがちなんですが、この映画に限って言えば最高にエキサイティングになっています。サラもかなり強いので、足手まといになったりしないところがいいです。
私はこの映画が大好きで公開していた時は7、8回劇場に観に行ったと思うのですが、それだけ観るとやはり途中のダレ場がけっこう長いと感じたりします。しかしまあ必要なシーンですし、そこがあるからダイソンのところへ行くところからまた盛り上がる感じが効いてくるのでしょう。長い映画としての良さというのはやはりうまくダレ場を作ることなのかな、とこの映画を観て思いました。
後半の展開など、一作目を踏襲していて、続編であると同時に、リメイク的な意味合いもあるのかなと思ってしまいます。工場内での戦いは私としてはちょっと引っ張りすぎだなと思った部分もあるのですが、それでも最後まで緊張して観ることができました。これだけ破壊しまくりのアクションをして、最後にあのような形でちょっと感動させる幕引きをするなんて何という力技かと思います。これはもう見事に完結していて、この後に続く映画など必要ないと思っていたのですが、その後「ターミネーター3」というものが出来てしまい、さらにその後も続編が何本も作られてしまうことになるのですが、それらの感想はまた後日ということにしておきましょうか……。
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