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Hilty & BoschのLive「-Will-」

「将来、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」
とウォーホルは言ったそう。
 
 今日は、世界で活躍する日本人ロックダンスチーム Hilty & Bosch さん達のLIVEを観てきました。ロックダンスをメインにした、ロックダンサーによるワンマンライブ。ゲスト出演もあるものの、今までの日本ではあまり行われてこなかった企画だと思う。
 
なんとなくこの公演では凄いものが観られる気がして、正直、めちゃイケで見るまでHiltyさん達の事を知りもしなかったのだが、直感でチケットを買った。
 
直感は的中。すごいショーだった。全てが美しかった。
 
ダンスはもちろんカッコいいのだけど、それよりも、彼らがダンサーとして生きてきたこれまでや、人となりがダンスの背景に見えて、素晴らしかった。
 
まだ学生でダンスを初めたばかりの頃の2人、学校のイベントで踊る2人、ダンス大会で初めて優勝した2人、世界で活躍するようになった2人。ダンサーとして歩いてきた数々のシーンをスクリーンに投影し、これまでの2人を見せてくれた。
 
そんな彼らも30代後半。大雑把に見えて実は非常に繊細なところ、優しい性格、紳士的な振る舞い、人柄がくっきりとダンスに現れていた。ラストに向かうにつれて、真っ白な灰にならんと燃え尽きて踊る姿が、美しかった。
 
あまりにも美しい彼らを見て、考えた。人生のピークって、どれくらいの時間なんだろう。今のHiltyさん達は美しく、キラキラに輝き、それをダンスという形で最大限に変換している。この2人の"ピーク"を、自分は目の当たりにしているのだろうか。
 
Hiltyの2人はまだまだ留まる事を知らないのだろうけど、何事にも始まりと終わりが確実にあって、それこそめちゃイケもそうだけど、自分の身の回りでもちょこちょこ終わりを迎えた話を聞くようになった。
 
ウォーホルは何であんな事を言ったのだろう。人生のピークって15分くらいしかないのだよ、と言っているようにも思える。かたや北斎は死ぬ間際に「あと5年あったら本物の絵描きになってみせる」と言って死んだそう。
 
北斎は自分のピークを感じずに死んでいったのだろうか。ピークを迎えるタイミングもその基準も、人によって様々だ。
 
とても美しいショーを見た後なのに感傷的になっているわけでもないのだけど「あぁ、終りがあるとはなんて美しく儚いことなんだろう。そして、"ピーク"というものの美しいこと!」と思った。
 
時間と機会を大切に、一つ一つ噛み締めて歳をとっていきたい。おそらく一瞬であろう人生のピークで何が見えるのか、見逃さずにしなければ。
 
ありがとうございました。

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