書評:ライフハック大全 知的生活の設計

同じサイズの色違いで堀正岳さんが発行している2冊の本を紹介します。

ひとつは『知的生活の設計』もうひとつは『ライフハック大全』です。前者は5年後10年後を見据えて、どのような生活を送れば知的なストックを増やしていけるかの本、後者は、読んだらすぐ使える5分で生活を劇的に変える方法を書いた本です。筆者は研究者兼ブロガーという経歴をお持ちで、本の執筆はサイドワークとして行われているようです。それもあってか、前者の「10年後のキャリア」を見据えた本は、深い洞察が少ないように見えました。一方で後者は、インターネット上で見つかる「ライフハッカー」のようなサイトを、わかりやすくかつハイクオリティにまとめた構成になっており、非常に価値が高いと感じました。

前者『知的生活の設計』については、10年後の自分を支える83の戦略というサブタイトルがついています。書店で目次を眺めて面白そうだなと思い買いましたが、電車の中で1時間程度で読むレベルの内容でした。

後で述べる『ライフハック大全』の方で出てくるすぐ役に立つライフハックと、レベル感があまり変わらず、10年後を見据えた話があまり出てきません。それに何より1日2時間は知的生活のストックを築くには時間をかける必要があるということが前提になっており、かなりハードルが高いと感じました。

学びとしては、これだけ本やネットに情報があふれている今、自分にとって意味のある情報をどうやって探し、どうやってストックするかという方法論が役立ちました。情報にストックするにあたっては、Evernoteや紙のカードなどを駆使し、後で検索可能な状況にしておくことが大事です。私のように企業勤めの人間だと、今は紙で仕事をするケースと、ペーパーレスで仕事をするケースが半々くらいの過渡期にある人も多いと思います。何かメモをするときは、もらった資料にメモしていてはあとでどこに行ったか分からなくなるので、紙なら紙、ネット上のメモアプリならアプリに統一的なルールの下で書いたほうがよいでしょう。

余談ですが、企業に勤めていると世代が上の人は紙を好み、世代が下の人はペーパーレスを好みます。これだと、仕事の資料の管理が二重管理になることが多く、あとで検索するときに面倒なんですよね。。。取引先とのミーティングでも紙の場合もあればペーパーレスの場合もあり、どちらかに統一してほしいと思ってしまいます。

今回の書評もう一冊は『ライフハック大全』です。

こちらの本は、サブタイトルに人生と仕事を変える小さな習慣250とある通り、5分でできることが250個書いてあります。小さな習慣なので、内容について考察するというほどのこともなく、「確かにこれはやってみたほうが良さそうだな」というのが、いくつか見つかると思います。

本の内容は、「自分が一番集中力が高まる時間に一番難しいタスクをぶつけよ」「集中力を切らさないためにメールの通知はオフにせよ」「ビジネスパフォーマンスのためには適度な運動や節酒を行うべし」といった、よく見かけるものから、なかなか普段で会うことのない便利だけどもあまり知られていないアプリの紹介など、多岐にわたっています。本の中でも二つ印象に残った項目があったのでシェアします

①ディープワークで自分の限界に挑戦せよ

私たちは日々の仕事の中で、頭を使って考えるというよりは日常的な業務を淡々と処理することに時間を割かれがちです。そのような状況だと、なかなか自分の頭の良さは開発されていきません。本の中では1週間の中で意識して自分のレベルを超えるイシュー=ディープワークに取り組むべしと書いてあります。自分の限界を超えるような話、例えば数学や哲学などに意識して正面から向かうことによって、能力が開発されていくということです。

今考えてみると、高校や大学時代は、常に新しいこと、かつ、自分にとっては未知の話を学んでいました。その最たるものが高校時代の数学で、今振り返ってみてもよくあんなに難解なものを自分の力で理解しようとしていたものだと思います。そうした知的格闘をしていくことで、その格闘によって得た知識が直接的には人生に役に立たなくても、ビジネスの世界で戦っていく土台になったのだと思います。翻って今の日々の生活の中ではそういった知的格闘を行う機会もなく、3年前の自分に比べて知的パワーの向上があったかというと、そうではないようです。

なかなか時間を取るのは難しいですが、面白い考えだと思います。

②GTDで頭の中を空にする

日々の仕事の中であれをやらなきゃこれをやらなきゃということで、頭の中がもやもやしてしまうことは、誰にとってもよくあることでしょう。そういったときに、頭の中で悩んでいることをすべて紙に書き散らすのです。そうすることによって、頭の中の邪念がすべて紙の上に吐き出され、頭の中がクリアになるのです。これをやるときは、プライベートのことや答えがないものも、すべて書くことが大事になります。

やってみるとわかるのですが、3分程度で書き出しが終わり、頭の中がクリアになることがわかります。書き出した後、優先順位をつけてひとつずつモヤモヤを倒していくことができ、頭の中で邪念がぐるぐる回るのを防ぐことができます。筆者の紹介している方法論として、書き出した後は、2分いないで終わるタスクは、紙に書きだしてその場で対応し、それ以外はToDoリストにまとめて順番をつけて対応するというものがありました。これもやってみましたが、非常に効果的でした。

本日は以上です。2冊本を紹介しましたが、もしライフハックの考え方を知らない方がいらっしゃるのであれば、絶対に買うべき本だと思います

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