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jiji(@traductricemtl)のデマがひどい件

私のnoteでも、トランスの議論においてはちょっとありえないレベルのデマが日常的に作られていることを記事にしてきました。


トランスに対するデマを流しているアカウントはたくさんありますが、中でも特に悪質なjiji(traductricemtl)というアカウントについてまとめておきたいと思います。

1.handlebar_kyleをトランス女性だと言いはった件

まずは下のツイートを見てみましょう。

このツイートで、jijiは銃の画像をツイートしているhandlebar_kyle(2022年現在はアカウント凍結済み)という人物がトランス女性であると主張しています。このツイートを見た当時、私も件のアカウントを確認しにいきましたが、handlebar_kyleが「自分は女性である」とツイートしたものを見つけることができませんでした。
後日、あらためてアカウントをみると、プロフィールがHe/Theyとなっているのが確認できました。

詳しくない人用に説明すると、英語圏では自分を呼ぶときの三人称をどうすればよいかをプロフィールに書き込むという運動が広がっています。
”They"は一般的には複数形とみなされますが、HeともSheともどちらも使用しないジェンダーニュートラルな三人称(単数)として使用する用法が広がっています。使用者は必ずしもトランスやノンバイナリーとは限りません。LGBTを応援する意味を込めてプロフィールに書き込む人もいます。

つまり、このhandlebar_kyleは三人称をHe、あるいはTheyとしてくれ、と言っているわけで、少なくともこの人物が女性自認ではないことは確定と言ってよいでしょう。

では、jijiの引用したツイートに貼ってある女装画像はいったいなんなのか?
それはどうもコスプレ画像のようです。

ゲーム「メタルギアソリッド5(MGS5)」に出てくるQuietという女性兵士のコスプレであると本人がツイートしていますね。このコスプレ画像を切り取って「このひとは女性自認だ」などとトランスヘイターは騒いでいたわけです。いかなる文脈においても、銃の画像を送りつけて相手を脅迫するなんてのは許されませんが、自分のコスプレ画像を切り取って相手が騒いでたらイラッとする気持ちはわからなくもないですね。

なぜそのようなコスプレをしたのかについて詳細は書かれていませんでしたが、アメリカのフェミニストの間では「ゲームに出てくる女性戦闘員の衣装は同じゲームに出てくる男性戦闘員よりも明らかに露出が高く、不自然だ」という趣旨の批判が以前から行われており、その批判を男性自らコスプレで体現したものではなかろうかと私は見ています。

なお、このデマについてはトランスヘイターたちによって使い回されているようです。誰一人として事実を確認していないようですね。



2.陸上の女性選手にたいして「この人ら女としてリレーに参加して勝ったのか」

名言はしていませんがおそらくこの四人が「トランス女性」だと思ったからこのようなツイートをしているのでしょう。
中国の陸上大会の女子リレーの画像ですが、この4人はいずれも(少なくとも公には)トランス女性ではなくシス女性です。中国でトランス女性の選手が陸上競技に出ているという事実は存在しておらず、わずか数秒の同性愛シーンですら認めない中国がトランス女性を認めているとは考えにくいです。

「スポーツのためなら不正もやるのが中国では?」などという意見もありますが、中国国内のスポーツイベントでそんな不正をしてもなんの得にもなってないでしょう。この四人はオリンピックには出場していないことはすでに記事にしました。

そもそも上の写真にしても、「右から2番目、3番目は男だ」「いや、2,3,4は男」「2と4は男」などと、ネットでも「どれが女性に見えるか」は定まっていません。
そのような「だれが男に見えるかクイズ」など、直球の女性差別ではないでしょうか。それはフェミニストの対極にある発想ではないでしょうか。
たとえば、そのへんにいる(シス女性の)おばちゃんを集めてきて、「この中に男性がいます」とかネットで晒して遊んでたらどう思いますかね。すごいグロテスクな光景ではないですかね。


3.「刑務所のトランス女性の性犯罪率は58.9%」と言い張った件

刑務所にいる「トランス女性の性犯罪の割合が58.9%もある」などというとんでもない話を載せていますが、まず最初に、これは「英国政府」がだしたデータではありません。英国議会の委員会にパネリストが提出した文書です。

この文書では"Fair Play for Women"という団体が取ったとする統計が根拠として挙げられていますが、その"Fair Play for Women"の統計は怪しいよ、という記事をBBCが書いていました。

雑にまとめると、受刑者がトランス女性であるかどうか確かめるのはむずかしく、刑期が短い囚人については入れ替わりが激しいためトランス女性であってもカウントされず、結果として刑期が比較的長めの性犯罪の割合が高めに出る、というのが事実のようです。常識的に見て「トランス女性の囚人の性犯罪率が男性の囚人の性犯罪率より3倍高い」なんてのはどう考えても統計上の異常値でしょう。これをみておかしいと少しでも思わなかったひとはただの情弱だと言わざるを得ません。

この話自体はもともと「トランス女性の受刑者を男性の刑務所に入れるか女性の刑務所に入れるか」という問題ですが、BBCによると「トランスジェンダーであろうとなかろうと、女性囚人が特に危険であると見なされた場合、男性刑務所に収容されるという規定があります。」とあります。現在女性の刑務所に入っているトランス女性については「特に危険である」とはみなされていない、ということでしょう。
多くのトランスヘイターは「女性だと自認したらそれでトランス女性になる」と主張していますし、過激なアンチトランス記事を書くデイリー・メール誌も

トランスジェンダーの囚人は「男性刑務所か女性刑務所のどちらで服役するかをすでに選択できる

などとしていますが、トランス女性が女性の刑務所にはいるのはそのような単純な話ではありません。トランス女性が女性刑務所に入るにはすでにGRC(医師が発行する性別承認証明書)を持っているかあるいはケース会議を開催して女性刑務所に入ることが適切であると判断された場合のみです。

BBCの記事でジャーナリストでトランス活動家のJane Faeはこう書いています。
「本当の危険は、一般大衆が(トランス女性の性犯罪者割合が高いという)この数字を誤って解釈し、調査対象となる少数派に対して不当な敵意を抱く可能性があることです。暴力や虐待の被害は、場合によっては重大なものになるでしょう。」


追記(2023/03/11)

トランス女性とシス女性が戦うのは不公平だなどといっていますが

この動画で「トランス女性」だと思われている人物は
「ギャビ・ガルシア」というシス女性です。トランス女性ではありません。



追記(2023/03/27)


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