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コロナ禍の今だから、より胸に響く新曲 ― Cash Cash「Too Late (feat. Wiz Khalifa & Lukas Graham)」

「Too Late」は、コロナ禍で人との繋がりの大切さを再認識した世界中の全ての人々にとって、とても心に染みて励まされる名曲だ。2013年の「Take Me Home feat. Bebe Rexha」でプラチナディスクを達成し、ジャンルを超えて世界的に人気を博しているEDMユニットのCash Cash(キャッシュ・キャッシュ)が、俳優としても活躍するセレブ・ラッパーのWiz Khalifa(ウィズ・カリファ)と、デンマークのコペンハーゲンから世界を制したバンドのリードシンガー、Lukas Graham(ルーカス・グラハム)とタックを組んだこの新曲のテーマは、「家族や友人の大切さ」と、だからこそ「手遅れになる前に、今できることをやろう」ということ。

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Lukas Grahamの世界的大ヒットとなった「7 Years」(2015年)は、Lukasの父親が彼の24歳の誕生日の前日に突然亡くなってしまった後、父親を想って書いた曲だった。「僕はまだ7歳だった/ママが教えてくれた/友達が隣に座ってくれたら、人生は寂しくない」というイントロで始まり、「僕はまだ11歳だった/パパが教えてくれた/愛する人がいたら、もう寂しくないはず」と続く。

日本版のアニメMVで描かれている通り、Lukasの父親はずっと彼の側で彼の夢を応援し続けていて、バンドと一緒にツアーしたこともあった。そんな父親が急に他界してしまった経験をもとにLukasは「7 Years」を生み出し、現在はこの曲の中で自ら予想した通りに結婚して2人の娘の父親になっている。

そんなLukasが、18年に作曲して使わずにしまってあったサビが、キャッシュ・キャッシュの手によって「トゥー・レイト」という曲になった。Lukasは人生を舞台に例えて、こう歌う。

舞台の明かりが消えて 最後の幕が降りる時
「自分という人間を全うしたよ」
って言えるように。
全てはやって来て、去っていく
伴奏が終わってしまえば
もう歌い始めることもできないから
(和訳詞: 太志(Little Parade))

そのサビに続けて、Charlie Puth(チャーリー・プース)とのコラボレーション曲「See You Again」(交通事故で他界した俳優ポール・ウォーカーに捧げる曲として作られた)で全米シングルチャート1位を達成した聡明なWiz Khalifaが、人生の知恵をライムする。

そう、手遅れになってしまうから
もう待つのは終わりにした
逢うべき人がいる
稼ぐために汗もかく
もがくばかりの毎日を乗りこなす
必死になってこそわかる
人生にも締め切りがあると

Lukasのエモーショナルで迫力のあるヴォーカルとWizのスムーズかつ鋭いラップが、Cash Cashによる高揚感たっぷりのトラックと合わさって、2021年の最強コラボレーション曲が誕生した。寂しい時や癒されたい時や元気を取り戻したい時 ― 今の私達は多かれ少なかれ毎日そんな気分になっていることと思うが ―「7 Years」の続編ともいえる「Too Late」を聞いてみて欲しい。 (文:鈴木美穂)

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追記
Cash Cash 「Too Late (feat. Wiz Khalifa & Lukas Graham)」日本版ビデオが公開となりました!

楽曲が最愛の父への想いを歌い世界的大ヒットを記録したLukas Graham「セブン・イヤーズ」を彷彿とさせることから、「泣ける」と話題になり900万回以上再生されている「セブン・イヤーズ」日本版ビデオの続編ともいえるアニメーションビデオを作成。 今回も引き続き太志氏(Little Parade)が和訳詞、イラストレーター/マンガ家のタダユキヒロ氏がイラストを手掛けた。




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