ジョーイ・ジョーディソンについて
2021年7月26日、Slipknotの結成メンバーだったドラマーのジョーイ・ジョーディソン(Joey Jordison )が亡くなったという情報が世界中に駆け巡りました。
ジョーイはSlipknotでの功績はもちろん、その技量、そしてその愛すべき人柄から、多くのバンドのサポートメンバー、助っ人として参加し、またサイド・プロジェクトではギタリストとしてMurderdollsに参加するなど、数多くの楽曲を世に発信し、世界中のメタル / ロック・ファンを魅了してきました。その証拠に、Metallica、スコット・イアン(Anthrax)、マイク・ポートノイ(ex-Dream Theater)、Rob Zombie、System Of A Down、Trivium、Satyriconをはじめとした多くのアーティスト / バンドがジョーイの死を受けて、追悼の意を表しました。
スコット・イアンはRoadrunner Recordsの設立25周年のパーティーの舞台裏写真を投稿。
左からディーノ・カザレス(Fear Factory)、ジョーイ、アンドレアス・キッサー(Sepultura)、スコット・イアン、ロイ・マイヨルガ(Stone Sour、Soulflyなど)、そしてポールの姿も。
個人的にも今回のニュースはあまりにもショックで、今だにどう消化したらいいのか分からない状態ですが、今回この記事で、ジョーイが残した音楽を振り返って、これらの音楽を生み出してくれたジョーイに感謝し、そしてジョーイの死を悼んでいきたいと思います。
Slipknot
結成メンバーであり、トライバル・ロゴの考案者でもあるジョーイ。彼が在籍していた最後の作品『All Hope Is Gone』までの4作品で全ての楽曲のメイン・ソングライターとして名を連ねています。この4作品から、自分が思うジョーイの存在感溢れる曲を4曲ピック。
「Eyeless」 from『Slipknot』 - 1999
「People = Shit」from『Iowa』 - 2001
「Welcome」from『Vol. 3: (The Subliminal Verses)』- 2004
「All Hope Is Gone」from『All Hope Is Gone』- 2008
Murderdolls
Slipknot在籍時にサイド・プロジェクトとしてWednesday 13と共に始動。このバンドではドラムではなくギターとして参加。ライブではステージ前面で動き回るジョーイを見る事ができました。
ホラーパンクをかき鳴らすこのバンドでジョーイが生み出すポップさ、キャッチーさが従来のメタル / ロック・ファン以外にも刺さり、シーンにおいてのジョーイの存在感がより確立していった気がします。
「Dead In Hollywood」from『Beyond the Valley of the Murderdolls』- 2002
「Nowhere」from『Women and Children Last』- 2010
Roadrunner United (2005年)
Roadrunner Recordsの25周年を祝い誕生したプロジェクト。Roadrunnerを代表するソングライターとして、ジョーイとロブ・フリン(Machine Head)、ディーノ・カザレス(Fear Factory)、マシュー・キイチ・ヒ―フィー(Trivium)の4人がリーダーとなって、Roadrunnerのレジェンドたちを集結させメタル・アルバムを生み出した、奇跡的な作品です。
この中で、ジョーイはゴリゴリのデスメタルからカラッと爽やかなロック・ナンバーまでをプロデュース。4人のリーダーの中でも特にジャンルの幅の広さを見せつけ、ロック / メタルの持つ可能性を提示してくれました。中でも、今や映画音楽で引っ張りだこのJunkie XL(トム・ホーケンバーグ)をキーボーディストに迎えた「No Way Out」は特に異彩を放つ楽曲。
フロリダはタンパ出身の伝説的デスメタル・バンド Deicideのヴォーカリスト、グレン・ベントンや、Obituary、Deathといったこちらも伝説的バンドのギタリストを担い、"渡り鳥ギタリスト"の異名を誇るジェイムズ・マーフィーらが参加した「Annihilation by the Hands of God」は、Slipknotの「People = Shit」などで覗かせた、ジョーイのデスメタルへの造詣の深さを味わう事ができます。
3 Inches of Blood(2007年)
カナダのメタル・バンドである彼らの2作目『Fire Up the Blades』でジョーイはプロデューサーを務め、彼らのパワーメタルをより強固なものに仕上げました。
Rob Zombie(2010年)
もともとジョーイも大ファンだったというロブ・ゾンビのツアーに帯同。そして彼らの名盤『Hellbilly Deluxe』の続編である『Hellbilly Deluxe 2』デラックス・エディションの一部楽曲でジョーイがドラムとして参加しました。
グループショットも最高です。
Scar the Martyr (2013年)
Slipknot在籍時にジョーイにとって最後のサイド・プロジェクトとなったのが、このScar The Martyr。Nine Inch Nailsのクリス・ブレンナ(キーボード)、Strapping Young Ladのジェド・サイモン(ギター)、Darkest Hourのクリス・ノリス(ギター)らが集まったスーパー・バンド。ジョーイはレコーディングで全曲でベースを、そして2曲を除いた楽曲でリズム・ギターをプレイ。インダストリアルなメタルを聴かせてくれます。
Vimic(2016)
Scar The Martyrを昇華していったバンドがVimic。残念ながらアルバムは未だ日の目を見ていないですが、発表してきた楽曲はどれもハイ・クオリティかつ十分なインパクトを誇るものでした。荒廃とした雰囲気がたまらない、ソリッドなサウンドがザクザクと襲い掛かります。
Sinsaenum(2016~)
最後にジョーイが在籍した、こちらも豪華なメンバーが集結したデスメタル・バンド。Dragonforceのフレデリック・ルクレール 、ボーカルにはMayhemのアッティラとDaathのショーン・Zという布陣。こちらはRoadrunnerを離れてのリリースになりましたが、ジョーイが参加しているという事、そしてこのメンツという事で、注目せずにはいられないバンドでした。
これらが、ジョーイによる楽曲のほんの一部です。
ほんの一部なので、ジョーイが生み出した他の楽曲たちを改めて聴いてみてください。多くの人たちの人生を変えてきた彼の作品達は、今後もずっと色褪せません。自分もこれらの楽曲に支えられて、前に進んでいきたいと思います。
最後にSlipknotが公開した動画を貼っておきます。
RIP Joey Jordison
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