武器兵器調達課#90:  「中国空母 福建」 <- 仕様的はすごいです

今回は「中国空母 福建」についてみていきましょう。

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「中国空母 福建」: 人民解放軍の航空母艦(空母)であり、型式名は003型、艦番号は18です。

1. 艦体構造

  • 全長: 約315メートル(遼寧・山東の約285メートルより長い)

  • 全幅: 約76メートル

  • 排水量: 約8万トン(遼寧・山東と同程度)

  • 飛行甲板: 蒸気式カタパルト採用の遼寧・山東とは異なり、艦首側に3本ずつ計6基の電磁式カタパルトを配置。発艦効率が大幅に向上し、より多くの艦載機を短時間で運用可能。

  • 艦橋: アイランド型を採用。遼寧・山東の分離型艦橋と比べて、レーダーや電子戦装置の統合配置が可能で、情報処理能力や指揮統制能力が向上。

  • 艦載機搭載数: 約30機(推定)

  • 艦載機の種類: J-15艦載戦闘機、FC-31艦載戦闘機、艦載ヘリ(Z-9、Z-18など)

  • 兵装: 32連装垂直発射装置(VLS)を艦首と艦尾に各1基ずつ計2基搭載。射程数百キロメートルの対艦ミサイルや対空ミサイルなどを発射可能。

  • 防御システム: 近接防御システム(CIWS)やデコイ発射装置などを搭載。艦載機の艦載ヘリなどを含めた対空防御能力が向上。

2. 電磁式カタパルト(本当に機能するかどうかは別問題)

  • 最大の特徴: 蒸気式カタパルトに代わる次世代の航空機発艦方式。電磁力で艦載機を加速させるため、従来方式に比べて以下の利点がある。

    • 発艦効率の向上: 蒸気式カタパルトよりも短い滑走距離で済むため、より多くの艦載機を短時間で発艦できる。

    • 運用性の向上: 風向きや天候に左右されにくいため、悪天候下でも安定した発艦が可能。

    • 艦体への負担軽減: 蒸気式カタパルトに比べて発艦時の衝撃が小さいため、艦体への負担が軽減される。

  • 中国にとって初の採用: 電磁式カタパルトは技術的に複雑で製造コストも高いため、これまで米海軍の一部空母にしか搭載されていなかった。福建の就役は、中国が電磁式カタパルト技術を習得し、空母戦力を飛躍的に向上させたことを示す。

  • 今後の課題: 電磁式カタパルトは運用経験が浅いため、信頼性や維持管理に関する課題が残されている。福建の試験航海では、電磁式カタパルトの性能や運用上の問題点を検証することが重要となる。

3. 中国海軍への影響

  • 空母戦力の飛躍的向上: 電磁式カタパルトの搭載により、福建は遼寧・山東よりも格段に高い戦闘能力を備えている。中国海軍は、福建の就役により空母戦力を飛躍的に向上させ、東シナ海や南シナ海における活動範囲を拡大することが可能になる。

  • 台湾海峡への影響: 福建は、台湾海峡に近い福建省で建造された。就役後は、台湾海峡の軍事バランスに大きな影響を与える可能性があり、台湾情勢を悪化させる要因となる懸念も指摘されている。

  • 米国との軍事競争: 中国は、米国に次いで世界2位の空母保有国であり、近年は空母戦力の強化に力を入れている。福建の就役は、米国との軍事競争をさらに激化させる可能性があり、地域の安全保障環境に影響を与えることが懸念される。

4. その他の情報

  • 建造期間: 約4年

  • 建造費用: 推定約1500億元(約2兆3000億円)

  • 艦名: 中国南東部の福建省に由来

  • 就役予定: 2024-25年頃

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