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東京オリンピック・パラリンピック延期のダメージ

新型コロナウイルスの世界的な感染流行を受け、主要なスポーツの国際大会は中止や延期となる中、2020年7月24日に行われる東京オリンピック・パラリンピックの延期を巡る問題は、ここ最近のトップニュースとなっていた。

3月24日夜、安倍首相と国際オリンピック委員会のバッハ会長との電話協議が行われ、安倍首相が「1年程度の延期」を提案し、バッハ会長率いる国際オリンピック委員会はオリンピックの延期を承認した。

戦争以外では近代オリンピック、初の事態となる、、、

ホテル会社やテーマパークの運営会社、レストラン、旅行会社といった事業者達は、今夏の五輪に国内外から何十万人もの旅行客がやってくる事をあてにしていた。新型コロナ感染拡大の影響で外国人旅行客の激減に見舞われる中、五輪延期により見通しは一段と暗くなり経営困難となってしまう事業者も少なくない。

フィッチ・ソリューションズのアナリスト、ニコラス・ソペル氏は「五輪が延期され、2020年の旅行客が55~65%減るかもしれない。これは個人消費に大きな打撃になる」と語っている。

フィッチ・ソリューションズとは金融商品または企業・政府などについて、その信用状態に関する独自の格付け情報を提供する、民間企業。

また日本経済は、消費税の増税と輸出減速の影響で縮小していたが、そこに新型コロナが追い討ちをかけた。フィッチは五輪の延期を受けて2020年の国内総生産(GDP)が1.6%減と、従来の予想を1.1%からさらに悪化する見通しと示している。

国内総生産(GDP)とは、一定期間の間に、物やサービスの付加価値の合計金額。簡単にすると日本が儲けたお金。

五輪用施設の多くは、既に来年の予約を受け始めていたが、開催延期によって経費が積み上がることが予測される。五輪の1年延期に伴う経費は6400億円に上がると推計が出ている。この試算には、競技場の管理費用、日本選手の再選考イベント、新日程の大会広告費などが含まれている。

不動産業界にも影響が出ており、東京のベイエリアには選手村として使われるマンションが建設されている。五輪後はマンションとして分譲される予定で、既に4分の1は契約が完了いる。購入者は入居を待たなければ、ならないかもしれない。このプロジェクトを主導する1社の三井不動産は、新規の販売を延期する事を発表している。

米国や多くの欧州諸国と比べ、日本の感染者は24日時点で約1200人と比較的に少なく、死者も42人にとどまる。その為、ほとんどの機関は営業を行っている。学校については3月に休校となったが、4月上旬には再開される予定となっている。

生活は他国と比べると平常に近いにもかかわらず、3月の企業景況感は2011年の東日本震災以来の大幅な落ち込みとなっており、今月の百貨店売上高は前年同月比で40%程度の現象となる可能性が高いと予想される。



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