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光のほうへ

コロナウイルスという脅威によって、わたしたちの生活は大きく変わり、誰もがあらゆる価値観を問い直し、生活とは何か、生きるとは何かということに向き合わざるを得なくなった。

人が集まること、そしてその場所は悪となり、それまで縁のなかった者から浴びせられる心無い批判。
弱者を追い詰める政策。
距離ではないもので分断される心。
少しずつ街は疲弊して、本来有るはずの優しさを忘れていく。

しかし、このような状況だからこそ、失いたくなかったものがあったことに気付くことができた。
例えば音楽の現場。
窮地に追い込まれ、新しいスタイルでの活動や表現方法に価値を生み出す為、模索し続けるミュージシャンや技術者たち。
それでもやはり人が集まることによってしか成さないエネルギーを彼らは信じている。
失いたくないその大切な場所を思い、そこでしか会えない誰かをみんな思っている。

生きることは、他者を思ったり、思われたりすること。
誰かが自分のことを思ってくれることで、存在が証明され、自分が誰かを思うことで、自分でいられる、そこに自分が在る意味が生まれる、そんな気がする。

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