身ひとつで「何か」を成す人
子どもの頃からずっと、身ひとつで「何か」を成せる人に憧れていた。
それはたとえばバトル漫画で自分の身を自分で守れる戦士だったり、伴奏やエフェクトなしでも人々を魅了する歌い手だったり、もはやそこに立っているだけで空気を変えてしまう俳優だったり。
大人になってからは、センターマイクだけの舞台で大勢の見知らぬお客さんを笑わせるお笑いの人々も大変尊敬するように。
(お笑いの人々に対する尊敬の念については、いずれ改めて書きたい)
…さて。
そんな身ひとつで「何か」を成す人に憧れた自分がいま何をしているのかというと、絵を描いている。
絵を描くことは、とても楽しい。そして身軽。
紙とペンがあれば、いやもっと云えば地面に指で描くこともできる。
なにしろ、点と線を組み合わせていけば勝手に「何か」になるのだから。
文字を書くには決まった形を守らないといけないけれど、絵は描き手が「犬を描きました」といえばそれで犬になる。場合によっては「ご想像におまかせします」と云ってしまってもいい。
その絵の目的や用途が決まっている場合にはそれではいけないのだけれども、根本的にはそれくらいの気持ちでいいと思う。
それに身軽ということは、勝手に道具や荷物や関わる人を増やしてもいいということ。
一人で手元に何もなくてもできるけど、使える道具をどんどん増やして人を巻き込んでも良い。
一人でもいいけど、一人を選ばないこともできる。
それは、なんだかとても安心できることだ。
私はまだまだ絵描きとして何も成していない、はじまってもいないぐらいの場所にいるけれども、それもまた良しと思っている。
だって、まだ何も背負っていないのだ。
これから先で背負うものも、自分で選ぶことができる。
軽やかに、しなやかに。
身ひとつでたくましく生きていきたい。
弾く人 / un suonatore
ギター一本で空間を変えるギタリストにも憧れたなあ。
今後はnoteでいろいろ試していきたいなと思っています。絵とか文章とか。
とにかく、書いてみないことには。
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