今週のお弁当 2022.12.12-
お師匠が走る月というだけあって、さすがにはえーはえー。今月も三分の一が過ぎてしまったのだネ……(白目)
今年のお弁当記録も、たぶん来週で締めかなあと思っている。再来週はもう年度末、仕事納めだしな。夏から始まったドタバタがようやく落ち着きを見せてきたと思ったらまたバタついて、でもなんやかんなでやっと通常モードに戻りつつような気がしないでもないけれど、年明けからは『わくわく!春の忙殺☆キャンペーン』が始まるので、なんとか年内くらいは穏やかに過ごしたいものである。過ごさせて……お願い……。
さてさて今週のお弁当は、
・ポテトチキン
・水菜の浅漬け(と、京都の柴漬け)
・ひじきの煮つけ
・菜飯(ちょこっと京都のちりめん山椒載せ)
以上4品。
今週のメインおかずは初挑戦メニュー!
この街(note)でご縁のできた敬愛する凄腕料理人の方々が召し上がっていた、『ポテトチキン』(個人的にはぜひ『ポテチキ』の略称を広めてゆきたい)を作ってみました。
わあ、まあるい。
餃子さん&おてだまさんの聖典をご覧いただければ一目瞭然なのだけれど、もっとハリネズミちゃんみたいな形状になる予定だった。こうさ、まりんとした愛らしさを漂わせつつも、ひとたびギアが入れば疾風のごとく駆け抜けてゆく俊敏さ、しなやかさ、そんなものを内に秘めてるっつうの?そういうのイメージしてたんだよ。ところがまあ、なんということでしょう。私のポテチキにはそういうものが清々しいほどに感じられない。
まずこいつ、絶対走れないであろう形状をしている。どうかすると自立歩行も厳しそう。移動=転がる部族なオーラが満ち満ちていらっしゃる。どうしてこんなまんまるになった?私の顔がまんまるいから?ちょっとポテチキー、そこ寄せてくんのやめなさいよねー!キャラかぶっちゃうじゃん!
このポテチキってのは、鶏むねからあげの衣をじゃがいもにしちゃおうぜ!というなんとも画期的な逸品である。ポテトとチキンというテッパンな組み合わせ、でも別々に食べるのはちょっとめんどう……そーんなモノグサさんなあなたにぴったり!作るのがだいぶ面倒という一点に目をつむりさえすれば、これはめんどく星出身の鶏芋愛好家を誰ひとり余すことなく救済する救世主となりましょうや。
まず鶏むね肉を大きめの一口サイズにカットして、料理酒・マヨネーズ・おろしにんにく・おろししょうが・鶏がらスープの素・ほりにし・砂糖(隠し味程度)をよくよく揉みこむ。さらに溶きたまごをこれまたよーく揉みこんだら、冷蔵庫にてしばしお休みいただく。要するにいつも通りのからあげの仕込みです。下味用の調味料はお好きなものでどうぞ。
衣の準備。いたいけな芋(乙)女を数多ある手練手管で篭絡し続けてやまない男爵野郎(今回はきたあかり)の皮をむき、スライサーで薄切りにしたのち、これを数枚重ねて千切りにする。
ここで水にさらすか迷ったのだけれど、でんぷん質がアレすることにより仕上がりがいい感じになりそうな気がしたので、そのまま使ってみることにした。バットの上に千切り男爵を敷いて、上から小麦粉を振っておく。ここでふと思いついて、追いほりにしも振りまいた。
下味が馴染んだ頃合いで、鶏むね肉のボウルにコーンスターチを投入。いつもはジル感がなくなるまでがっつり粉振るけど、今回は漬けジルをそのままバッター液に流用するべく、粉は控えめに。どろっとしたジルが肉に纏わりついたら、そのまま千切り男爵プールにスライドして衣を纏わせて、あとは180度程度に熱した油でジュワー!
……等とさらっと書いてみたけれど、実際にやってみたら男爵衣を肉につけるのがかなり大変だった。まあ、パン粉みたいに粒が細かいならともかく、千切りの芋ですからね……多少覚悟はしていたけれど、「よーしジュワるぞー!」って持ち上げた肉片から男爵が面白いようにボロボロと滑落してゆくもんだから、あやうく精神に恐慌をきたしかけた。
試行錯誤の末、「衣をつけたら両手でぎゅっと芋肉を締め上げ」「ただちに油にぶちこむ」「ただし油への投げ入れはうやうやしく慎重に!」という活路を見出せたので、なんとか食べられそうなものが完成してひと安心。
まあ、なんだ。最後におにぎりみたいにぎゅっと締め上げれば、まあるくもなりまさァ……。
さてこのポテチキ、見た目のハリネズミ感には欠けるものの、味の方はばっちり!カリカリさっくさくになった男爵のスナック感、その奥にみつしりと詰まつてゐるしっとりジューシイな鶏むね……ううむ、これは大変においしい!大成功!餃子さんがおっしゃっていたように、これは芋女のみならず、お子さまのハートをがしっと鷲掴みするおいしさだ。揚げたてのアチアチはもちろん言うまでもなく、冷めてからだってちゃんとパリパリ&しっとり。「お弁当に入れるならがっつり味つけしたいな」と思い、衣の男爵に追いほりにししたのも我ながら大正解だったな。にんにくしょうがのパンチと下味に少しだけ使った砂糖の甘みも効いていて、実にジャンクな味わいである。鶏むね揚げる時はマヨを念入りに揉みこむのが大正義だね。時間が経っても固くなりすぎず、ほどよい歯ごたえが楽しめるのがうれしい。
これ、大葉と梅混ぜたやつと二種類並べて食べたりしたら、永遠に酒が止まらないやつではないかしら……(ゴクリ
初挑戦にも関わらず大量生産して恋人&弟一家に味見をお願いしたのだけれど、どちらにも大変に好評だった。特に甥っ子受けがものすごくよかった!うれしい!
この、千切り男爵をジュワーするのって色々とアレンジできそうだなあ。芋だけでやっても立派なスナックになりそうだし、ちょっと入れ物風にというか、芋籠を作って中にディップを詰めてみたりしたら、これはもう美人OLがお開きになるホームパーティの様相を呈するのではあるまいか。私に芋籠が作れるかどうかはまた、べつのおはなし……だけど。
メインがガツン、とパンチ系なので、他のおかずはあっさり系で。水菜を浅漬け仕立てにするのはこれまた初だったけれど、酸味の中にかすかなピリリ感が味わえてこれまたおいしい。今まで生食かスープ仕立てにするかばっかりだったけれど、これからは作りおきメニューとしても活躍してもらおう。水菜もおいしい季節になってきたしな。
ひじきの煮つけ、今回はあさりとにんじんと油揚げ入り。こってり甘辛味が菜飯の爽やかさともベストマッチング。ええ、先週こさえた菜飯にぎりが大層おいしかったので、連続菜飯待ったなしよ。新鮮な大根葉はこの時期じゃないとなかなかお目にかかれませんのでね……シーズン中にたくさん食べたい。そんで、やっぱ大根葉とおじゃこの組み合わせって最強だ。
ということで今週は我ながらかなり満足度の高いお弁当になった。新しいメニューって作ってる最中はドキムネするけれど、やっぱりわくわくする。トライアンドエラーを重ねていい感じのやつが完成したりするとめちゃくちゃテンション上がるし。やはり台所仕事は日々のセルフご機嫌取りにうってつけだな。
ヨッシャヨッシャ、今週もがんばるぞーい!!
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