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【パイオニア】来世の警告入りロータスコンボ【ルールス禁止~ニューカペナ】

■前書き

初見の方は初めまして、お馴染みの方はお久しぶりです。
みどりと申します。
自己紹介しますと、その昔に晴れる屋で神だったりパイオニア王だったりしたプレイヤーで、長らく【ロータスコンボ】を回しています。

この度、MOのパイオニアチャレンジで優勝しました!
更にその後も入賞を続け、TOP8→TOP8→TOP4と四連続を成し遂げました!

四連勝の記録(この下がボコ負けなのはひみつです)

新環境の構築に悩むのもようやく一区切りが付いたかなといったところで、《夢の巣のルールス》禁止や新パックの発売によって激変したパイオニア環境ですが、今回は「ロータスコンボ」の変化やマッチアップ考察などを書いていきます。


本記事は無料でお読みいただけますが、有料部分には『ニューカペナ環境雑語り』を追記しています。
パイオニアの現環境に興味がある方、「ロータスコンボ」の深みにハマりたい方、記事を評価してくださった方など、サポートとして購入して貰えますと大変嬉しいです。

■ロータスコンボの構築

2022年5月23日時点での最新デッキリストがこちら

・デッキ概要の説明

キーカードは《睡蓮の原野》。
これを《演劇の舞台》でコピーする土地コンボです。

パイオニア界のトロンランド(呪禁持ち)

土地に依存するビッグマナなので、いわゆる【トロン】に似た要素があります。
あちらがトロン土地を3枚並べるのと同じく、こちらは4枚必要です。
(《睡蓮の原野》、《演劇の舞台》、生贄に捧げる土地2枚)
そのため、《樹上の草食獣》を用いて加速を狙います。

首尾よく《睡蓮の原野》を2枚並べた後は、《見えざる糸》・《熟読》、《砂時計の侍臣》を使ってマナを増やして行きます。
《見えざる糸》は4マナ、《熟読》と《砂時計の侍臣》はそれぞれ1マナの加速になります。

マナ加速のキーパーツ

増やしたマナの活用手段は主に《出現の根本原理》。
場に《睡蓮の原野》が2枚ある状態で唱えれば、「《全知》・《熟読》・《来世の警告》」の3枚を選択しておよそ勝利出来ます。
最終的な勝ち手段は《副陽の接近》による特殊勝利。

「お前はもう死んでいる...…」

キルターンは4~5ターン程度。
理論上3キルもありますが、200マッチに1ゲームくらいの確率ですね。
パイオニアのアグロデッキに対してやや心許ない数字ですが、その分コンボ自体に干渉されにくいのが魅力です。
打ち消しやハンデスよりも、《減衰球》や《エメリアのアルコン》といったヘイトパーマネントによる対策を苦手とします。

・マナベースの変化点

魂力土地の《耐え抜くもの、母聖樹》《天上都市、大田原》が加入したことにより、マナベースが大幅に強化されました。
従来採用していた《爆発域》と比較しても、
・色マナが出る
・セットランド権やチャージが不要で即効性がある
というメリットが非常に強力で、複数枚採用しています。

その数なんと、合わせて5枚。
伝説であるデメリットも、《睡蓮の原野》で生贄に捧げてしまえば関係ありません。

土地なのにスペル、最強。

サイド後に必要となるバウンス等が土地枠で満たされることになり、サイド枠の節約になっていることも素晴らしい
おかげでメイン戦から《エメリアのアルコン》や《覆いを割く者、ナーセット》に完封されることも無くなりました。
《精霊龍、ウギン》によるボードコントロールプランを取る際、障害となるミシュラランドを除去出来るので、デッキ全体の干渉力が跳ね上がっています。

基本土地を採用しているのは《廃墟の地》警戒のため。
また緑色のデッキから《母聖樹》されることを考えると、《繁殖池》は是非とも欲しいところ。

以前は3枚目の《母聖樹》をサイドに置いていたのですが、サイドインすることが非常に多く土地事故もあまり起こらなかったので、それならメインでいいやと移動させた経緯があります。
色マナのバランスを取るため基本土地は《島》になりました。

土地26枚はややフラッドに偏りますが、マリガンで土地を確保出来る確率が若干プラス。
その分、他のスロットにはリソースになるスペルを詰め込みました。

・溺神の信奉者、リーア

これは強い! 当たりのカードでした。

生きる《炎の中の過去》

《見えざる糸》と組み合わせないと非常に重いものの、
・素引きしてもフィニッシャーになれる
・打ち消し無効が強烈
・インスタントで除去するのが難しい
などなど、様々な強みがあります。

《来世の警告》と合わせて《出現の根本原理》から選択すれば確実にアクセスできる、《全知》が追放された場合でも墓地からマナを出しまくれるなど、最初に考えた方は間違いなく天才。
単体で何度か試した時はイマイチだったのですが、組み合わせでここまで強くなるとは思っていませんでした。

《バーラ・ゲドの復活》を土地で置いた後は《睡蓮の原野》で生贄に捧げましょう。リソースが1枚増えるので、かなり重要です。
伝説のクリーチャーなので「魂力土地」が1マナ軽くなるのもたまに使います。

・来世の警告

《深淵への覗き込み》枠に新たな仲間が登場。

トリプル《悪魔の教示者》。

先程は《リーア》の項目で「《見えざる糸》と組み合わせないと……」とお伝えしたところ、なんということでしょう。
《見えざる糸》が無ければセットで引っ張れば良いじゃない。3枚も選べるので、追加のドロソもOK。

組み合わせ方は浮きマナや状況次第で変わります。(後述)
2マナ浮きならば「《見えざる糸》・《熟読》・《リーア》」。
3マナならば「《見えざる糸》・《熟読》・《出現の根本原理》」。
《出現の根本原理》から《熟読》と一緒に唱えた場合は実質6マナ浮きなので、「《見えざる糸》・《全知》・ドローソース」などが考えられます。

《深淵への覗き込み》と比べて、
ライフを支払わないので本体火力に強く
・ドローしないので《ナーセット》に封印されない
のがメリット。
手札を捨ててしまうこと、最終的に《リーア》へ繋ぐことを考えると、墓地対策に多少弱いです。しかし完封はされないので、やはり優秀。

持ってくるカードから更にリソースを稼がなければ勝てない都合上、《深淵への覗き込み》をデッキから抜いてはいけない点にご注意。

・闇の請願

あっても良いけど要らないかな枠。
不採用ですが、一般的なリストには入っているので触れておきます。

《首謀者の取得》でよくない?

カード単体での役割は主に次の3つ。
①10マナから《出現の根本原理》を持ってきて唱えること。
②《見えざる糸》を経由して2マナ増やせること。
③《出現の根本原理》を打って青マナが浮いている場合、ルートが増えること。

しかし「魔巧」を前提とするため墓地対策に弱く、フィニッシャーとしての仕事をするのに10マナ必要なのが余りにも重いので、デメリットの方が大きいと判断して不採用となりました。
これが無くても《出現の根本原理》を打てば勝てます。だからこそ、直接引いた時の評価が重要。

《ナーセット》の上から勝つルートを増やしてくれるカードなので、メリットとデメリットを考慮した上であれば採用に値すると思います。
とはいえマナ加速になる《熟読》を減らしてまで入れたいとは思えず、次で触れるような他の採用候補に負けている印象です。

・感電の反復、時を越えた探索

自由枠と言えるのは土地枠1枚を含めて計3枚。
この2枚でその枠を埋めます。

最高のタッグ

他にはマナ加速の追加、《発生の根本原理》の4枚目、《闇の誓願》などが候補ですが、スクリューフラッドのバランス感覚から追加のマナ加速は不要と判断し、リソースを積み増す方向で考えた結果です。

重視しているのは『軽い』こと。
ただでさえビッグマナ系のデッキなので、スペルは4~5マナかそれ以上に偏っています。
そこで、自由枠に追加するスペルは複数回行動に貢献し、チェインを繋ぐことが可能かつ、サイド後も含め様々な局面で使えることが望ましいところ。

《時を越えた探索》は青マナで撃てる上にインスタントで、何よりカード枚数が増える理想のドローソースです。《闇の誓願》よりも強いと考えています。
《感電の反復》は様々なスペルとの組み合わせが強力で、何よりメインボードから打ち消しを乗り越える力になるのが素晴らしい。
更にこの2枚はそれぞれシナジーしており、《睡蓮の原野》2枚の状態から《時を越えた探索》をコピーすれば、「14枚の中に見えざる糸があればチェイン」というかなり分の良い動きが出来ます。

次からはサイドボード編。
環境によって大きく変わることもありますが、現時点では《真髄の針》を除く14枚を固定し、残りの1枚をその場で選んでいるような状況です。

・危難の道

新規の全体除去。

実質モード呪文

全体除去と言えば《神々の憤怒》ですが、タフネス4の多い「イゼット果敢」や「エンジェルカンパニー」にはこちらの方がよく、6マナの全体除去モードが存在するので取り回しも優れています。
こちらに統一してしまうと《エメリアのアルコン》にぎゃふんといわされるので、散らすのが良さそう。

・精神迷わせの秘本

ハンデス対策。

場に出せるリソース

カードを引くために土地側の動きを控えたりすることはしません。
あくまで本道はコンボで、土地のために使うマナを優先します。
(土地が揃っていないなど、場合によっては2マナ起動より《可能性の揺らぎ》を優先することも。)

《演劇の舞台》がコピーするターンは1マナ余るので、《砂時計の寺臣》を使って2マナ起動という選択肢もあったり。
対戦相手や状況に応じて臨機応変に使いましょう。

■《勢団の銀行破り》との比較
《勢団の銀行破り》:最終的に殴れる(《ナーセット》などに強い)
《精神迷わせの秘本》:1回多く使える、0マナ起動がある、ライフゲイン。
銀行破りはどちらかというとイゼット系に強く、秘本はラクドス系に強い。土地にマナを使うことが多いので、そのターンを占術モードで無駄にしない《精神迷わせの秘本》の方がデッキと相性が良いです。

・真髄の針

主に【緑信心】の《大いなる創造者、カーン》一点メタです。《減衰球》にアクセスしつつ、追加のフィニッシャーまで持ってこられてはゲームになりません。
他に【緑信心】に対してまともな抵抗手段が無いんですよね……。
ついでに《パルヘリオンⅡ》くらいなら刺せるかも。

・長老ガーガロス

カード自体は強いものの、やはり5マナという重さがネック。
よほど効果的な相手でないと、普通にコンボを決めた方が良さそう。
【赤単】や【ラクドスミッドレンジ】には1枚で勝てるのが評価点。
【ナヤウィノータ】には《粗暴な聖戦士》が厳しく、青いデッキには《霊気の疾風》されるのであまり良くないかも。

以降は不採用のカード群について。

・至高の評決

普通の全除去だが、やや色マナがシビア。《睡蓮の原野》+《母聖樹》で打てないのが心配なので今は採用していない。

・九つの命

【ボロスバーン】が《夢の巣のルールス》の禁止で【赤単アグロ】になり、《砕骨の巨人》が一般化してしまったのが致命的。
延命枠としては《長老ガーガロス》に席を譲った印象です。

・高山の月

《睡蓮の原野》のデメリットを消してしまうリスクの塊。
特に《砂時計の寺臣》先出しパターンだと、土地生贄を踏み倒された上で《母聖樹》されるのが最悪です。
このデッキだと赤マナが《睡蓮の原野》からしか出ないのも厳しい。
《睡蓮の原野》があるならそのまま勝った方が良いので、置くタイミングが無いという。

・終止符のスフィンクス

メタゲーム上は【青白コントロール】が少ないので必要とは考えていませんが、数が増えれば検討候補。
イゼット系には弱いです。
《氷の中の存在》で手札に戻ったら大変なテンポスイングが起こり、《感電の反復》+《時間への侵入》に無力で、《ナーセット》+《集団的抵抗》にもそこまで強くない。
展開次第では《船砕きの怪物》に跳ね返される可能性もあります。
《思考のひずみ》対策の《即時却下》にも巻き込まれるので、そもそもコントロール相手には打ち消しを乗り越えて勝ちに行く方が好きです。

・神聖の力線

手札が減ってデッキに不純物が混ざる。とても辛いです。
ただでさえマリガンが厳しいデッキなので、とにかく噛み合っていないサイドボードという印象。
【トロン】や【ポスト】が力線入れてますか?(入れてたらごめんなさい。)
そもそもハンデス相手はデッキトップに望みを賭けた方が、分がいいと思います。

・渦巻く霧の行進

ヘイトベアを退けてコンボに行けます。《ウィノータ》に刺せれば1ターン飛ばせるかも。
バウンスとフォグの中間のような印象です。
しかしながら《精霊龍、ウギン》等の全体除去を無意味にしてしまうカードでもあり、難しいところ。
今現在気にしたいのがヘイトベアではなくヘイトパーマネントという点から、採用圏内からは外れています。

ここで触れていないカードについては、以前の記事もご参考になれば幸いです。

■マリガン基準

「《睡蓮の原野》と《演劇の舞台》が揃っているからキープ」、これが基本ですね。
多くの場面で正解ですが、実は横のスペルが弱ければマリガンすることもあります。
例えばこんな感じ。

環境が遅ければ結構やれそうですが……

環境の高速化に伴い、最低でも《睡蓮の原野》はある前提で、4キルを目指してマリガンしましょう。(特に後手)

「【ロータスコンボ】のマリガンは、手札が7枚の時は実質フリーマリガン」

ロータスの師匠、Tyerube1618先生

これ即ち、7枚と6枚ではほとんど差が無いという意味であり、7枚の時はよほど良くない限りマリガンすべきということ。
(不純物の多いデッキなので、7枚でも実質1枚が腐っていたり、ボトムに送る1枚にあまり困らない。)
5キルの7枚より4キルの5枚。4枚でも勝てればOKです。

構造上、トリプルマリガンしても勝つこと自体は問題無く可能であり、マリガンを重ねることよりもむしろ、妥協キープする方が敗因となるデッキです。
(こんなところも【トロン】に近い。)

倒れるなら前のめりに! いざマリガン!

実際には、環境に「打ち消しやハンデスで1・1交換を狙うデッキ」が多い場合にはキープ優位に考えるべきです。
現在はそれよりもマナクリを使用したり、キルターンが速いデッキが多いためマリガン優位に軸を置いています。

具体的に4キルを考える際、必要となるのはマナ加速。
《睡蓮の原野》が置ける前提で、《樹上の草食獣》《見えざる糸》《砂時計の寺臣》のうち、どれか1枚あれば4キルの可能性が見えます。
(《可能性の揺らぎ》で土地を探さなくて良い場合も含みます。)

4キルのお供

もちろん先後、マリガン回数によってはこれらが無くてもやむを得ずキープすることもあります。
先手シングル〜後手ダブルマリガンあたりからは、《睡蓮の原野》か《森の占術》があればとりあえずキープになりがち。

後手だとついキープしてしまう

このような「マナ出る土地は1枚だけど、《睡蓮の原野》と《森の占術》があって、他の手札も強い。土地1枚引ければ勝てる!」という手札は、鉄の意志でマリガンしましょう
あまりにも魅力的でキープしてしまうことを責められないので、デジタルに『この場合は必ずマリガン』と自分ルールを定めているほど。
占術土地の場合や、5枚以下の場合はやってもOKです。

■《出現の根本原理》の選び方

「《出現の根本原理》で何を選べば良いんですか?」というのは結構聞かれます。

「撃ったら勝ち」が意外と遠い

これがなかなか複雑で網羅出来ないので、今回の記事を機に一度整理しました。
少し長くなりますがお付き合いください。
結論から言うと、「何を抜かれても勝てる3種」を選びましょう。

・基本形

「《熟読》、《全知》、《来世の警告》(or《深淵への覗き込み》)」の3種類。

盤面と手札を見て、ここからスタート

まずはこれが全ての基本です。
これだと勝てないかな? と思った時だけ別のパターンを検討すれば、困ることは少ないはず。

何故基本形が基本なのか、場合分けで検証してみます。
ポイントは「追加の浮きマナ」と「追加のドローソース」(《全知》を置けた時にフィニッシャーを探せるかどうか)の有無です。

①浮きマナ無し、ドロソ無し

基本形の「《熟読》、《全知》、《来世の警告》」しか選択肢がありません。
浮きマナが無くても動けるようマナソースが2種類かつ、《熟読》+《全知》の場合でも何らかのリソースを引けば勝てる組み合わせです。

《熟読》+《来世の警告》を残された場合は、《リーア》ルートと《全知》ルートのどちらかを選びましょう。

A.《リーア》ルート
《熟読》+「《見えざる糸》、《リーア》、《出現の根本原理》」
→10マナから《リーア》をキャストし墓地のスペルを使いつつ《出現の根本原理》
→「《首謀者の収得》、《全知》、《熟読》」
→これで《全知》と《リーア》が揃います。

B.《全知》ルート
《熟読》+「《見えざる糸》、《全知》、《出現の根本原理》」
→10マナで《全知》設置から《出現の根本原理》
→「《首謀者の収得》、《成就》、《リーア》」で勝ち。

②浮きマナ無し、ドロソ有り

これも基本形でOK。
《全知》を戻された場合は①と同じですが、《全知》を場に出せると更に強いです。
《バーラ・ゲドの復活》は最強ドローソースに化け、《成就》や《出現の根本原理》が見つかれば完走待ったなし。


③浮きマナ有り、ドロソ無し

ここからが頭の捻りどころ。
基本形で行くと《熟読》のドローに依存したギャンブルになってしまいます。
それだと浮きマナが勿体ないので、2マナあるなら「《熟読》、《リーア》、《来世の警告》」というのはどうでしょう。
何を選んでも《リーア》とマナ加速のセットが確定しますし、《熟読》+《リーア》であれば少なくとも山札の上6枚を見られるわけです。

《リーア》を除去されそうな場合には「《首謀者の取得》、《熟読》、《来世の警告》」なども考えられます。
《首謀者の取得》+《熟読》なら、《熟読》のドローを見てから《首謀者の収得》で好きなカードを加えるなど、手札を伸ばしつつ柔軟なルート選択ができます。
《首謀者の取得》+《来世の警告》であれば、《来世の警告》で《見えざる糸》を持ってきて好き放題してやりましょう。

3マナ以上浮いている場合は好きなルートで勝ちましょう。
《首謀者の取得》で好きなカードを選べるようにするのが手っ取り早いです。

④ケアすべき状況

《全知》や《リーア》に干渉出来るカードが入っているデッキを意識して、相手のマナが立っている場合は警戒します。

・全知に干渉出来るカード

《母聖樹》、《消失の詩句》、《厚かましい借り手》など
例:【ナヤウィノータ】【緑信心】【イゼットコントロール】【五色ニヴ】

これらを警戒する場合はそもそも全知を出さないようにするか、《熟読》や《出現の根本原理》を抱えた状態で出すようにしましょう。
《全知》が場に出たタイミングで《熟読》等を唱えれば、スタックで《全知》を割られたとしてもマナを出してチェインを継続出来ます。
その後は《バーラ・ゲドの復活》で破壊された《全知》回収するか、《リーア》や《感電の反復》からマナを伸ばして完走します。

・リーアに干渉出来るカード

《無謀な怒り》、《引き裂く流弾》、《運命的不在》など
例:【イゼット果敢】【ボロスヒロイック】【青白コントロール】その他

回避は難しいので、最低限優先して、1枚は墓地から呪文を唱えます。
基本的にはマナが伸びる《見えざる糸》や《熟読》を唱えるのが無難。
サイド後は墓地対策にも注意。
とはいえ基本的には盤面で見えているはずなので、根本原理から持ってこないようにするだけで大丈夫です。

・深淵への覗き込みを撃ってはいけない状況
赤い相手にライフを2にするのはやめましょう。

⑤場に《睡蓮の原野》が1枚しか無い場合

どうしても《演劇の舞台》が見つからない時、「《睡蓮の原野》1枚+《見えざる糸》や《砂時計の寺臣》」でムリヤリ《出現の根本原理》を唱えることがあります。一発逆転ホームラン狙い。

その場合の3枚は「《熟読》、《リーア》、《全知》」になるかと思います。
この状況で《全知》を出させてくれることはまず無いはずなので、残りの2枚が場に出てきます。
《リーア》を直接場に出すことで唱えるためのマナを節約し、あとは墓地の見えざる糸などを用いて、上手いことチェインして完走出来ると良いな……(願望)。
実際には残りの手札と《熟読》のドローによります。

《樹上の草食獣》から《睡蓮の原野》や《演劇の舞台》を出して、道中で《睡蓮の原野》2枚の場を整えられれば勝ちに向かえる印象です。

■根本原理の色マナ

土地コンボにあるまじき色マナ管理のシビアさなので、プレイ中は必ず意識してください。
しないと負けます(体験談)。

圧のある色マナ「黒黒緑緑緑青青」

コツは黒マナを2個浮かせること。
アンタップイン青マナの土地が意外と少ないことに注意。

①《睡蓮の原野》+《睡蓮の原野》+《砂時計の侍臣》

青2つ使ってサイクリングすると撃てないので、青黒を使ってサイクリングするようにしましょう。
手札に無くても、デッキトップが《出現の根本原理》かもしれません。

②《睡蓮の原野》+《睡蓮の原野》+青マナが出る土地2枚

土地から両方青マナが出ないとダメです。結構難易度が高い。
《睡蓮の原野》2枚の場から、《神秘の神殿》を置くか追加の《演劇の舞台》を置いてコピーするかの選択肢に影響します。
(手札に青マナがある場合は《神秘の神殿》を置けます。そうでない場合は《演劇の舞台》でコピーしないとトップ《出現の根本原理》が受からない。)

③《睡蓮の原野》+《睡蓮の原野》+土地1枚+《熟読》

《睡蓮の原野》2枚から青1マナ浮かせて撃つのではなく、土地を置いて青2マナを浮かせた方が良い場合もあります。
(捨てる用に土地を置かない選択肢もあるので、ケースバイケース。)

■サイドプラン

目指すべきサイドプランは何種類かあって、サイドチェンジによってデッキ内リソースの総量が変化することに注意してください。
《樹上の草食獣》を抜いてドローソースを入れれば山札は濃くなります。
逆に《出現の根本原理》などのフィニッシャーを抜いて全体除去などを入れれば、マナフラッドし易くなります。

また、相手によって《来世の警告》と《深淵への覗き込み》を入れ替えましょう。
《深淵への覗き込み》の方が効果は強力かつコストが重いので、デメリットが影響しない相手を選んで使うということです。

①ガンガンいこうぜ

サイドチェンジ枚数:少
メインプランを維持する方針。
サイドチェンジは数枚程度に抑え、あくまでメイン戦と同様に、相手より速いコンボ完走を目指します。

主にコンボ同型でのプランですが、こちらの干渉手段が上手く当たらない場合に選択することも多いです。
例えば【緑信心】には全除去が刺さらず、【サクリファイス】には《精霊龍、ウギン》を出してもアーティファクトや《大釜の使い魔》が残ってしまいます。

◆凡例
サイドイン:相手に合わせて2〜3枚程度
サイドアウト:《首謀者の取得》、《感電の反復》(+《出現の根本原理》) 各1枚

②カードだいじに

サイドチェンジ枚数:多
ギアを一段階落とす方針。

《樹上の草食獣》のような損するカードを抜き、《精神迷わせの秘本》などのアドバンテージソースを入れて、相手のゲームレンジに付き合う型です。
【ロータスコンボ】は本来、ロングゲーム向きのコンボデッキであることを思い知らせてやりましょう。

◆凡例
サイドイン:《神秘の論争》、《精神迷わせの秘本》、《思考のひずみ》 他
サイドアウト:《樹上の草食獣》、《全知》 等

③いろいろやろうぜ

サイドチェンジ枚数:中
速度を落とさずサブプランに寄せる場合。

主に《精霊龍、ウギン》のこと。(《思考のひずみ》は②との複合要素が強い。)
このパターンでは全体除去をサイドインするために《出現の根本原理》などの重フィニッシャーをサイドアウトすることが多く、リソースが枯れやすい点に注意が必要です。
《時を越えた探索》などのリソース確保手段は減らさないようにしましょう。

◆凡例
サイドイン:《神々の憤怒》、《危難の道》、《精霊龍、ウギン》 他
サイドアウト:《感電の反復》、《出現の根本原理》、《全知》 等

■マッチアップ所感

※サイドチェンジは相手のサイドボードによっても変わるので、参考程度に。

・ナヤウィノータ

相性:五分(先手が非常に有利)
作戦:いろいろやろうぜ
サイドイン:《神々の憤怒》2 《危難の道》1 《精霊龍、ウギン》2 《深淵への覗き込み》1
サイドアウト:《感電の反復》1 《出現の根本原理》3 《全知》1 《バーラ・ゲドの復活》1

20220529_パイオニアチャレンジ_2nd Place_JacesUltimate

お互いにきっちり4キルを決めた方が勝ちます。
《ウィノータ》に《大田原》を当てれば1ターン稼げるので、余裕が無い時は狙いましょう。
相手にも《母聖樹》が入っているので、《演劇の舞台》でコピーするタイミングにお気を付けて。

サイド後は《精霊龍、ウギン》で全て流すマッチアップなのは永年変わらず。
《母聖樹》でミシュラに触れるようになり、完封力が上がりました。

相手のサイドで意識する点として、ヘイトベアが出てくることを念頭にプレイしましょう。
《スレイベンの守護者、サリア》→3マナ目の土地を確保する。
《エメリアのアルコン》→3枚目のセットランドで、《睡蓮の原野》よりも《演劇の舞台》を優先して置く。
《精鋭呪文縛り》→《森の占術》や《砂時計の侍臣》など、使いたいカードを早めに使う。

・イゼットフェニックス

相性:有利
作戦:カードだいじに
サイドイン:《神秘の論争》2 《精神迷わせの秘本》1 《思考のひずみ》2
サイドアウト:《樹上の草食獣》4 《出現の根本原理》1

20220522_パイオニアチャレンジ_2nd Place_MorilloMarcos

メイン戦は基本的に取りたい相手。
《呪文貫き》《イゼットの魔除け》など、メインから2マナ要求をケアしましょう。

サイド後は《感電の反復》+《時間への侵入》コンボとの時間勝負。
《思考のひずみ》の分だけこちらの方が速いはずですが、相手の下準備を念頭に置いてコンボの準備を整えること。
どこかのタイミングで《パズルの欠片》を唱えて来たら、そこが仕掛けのチャンス。
とはいえフルオープン相手に行かねばならないこともあります。
《時を越えた探索》や《感電の反復》で出来るだけ揺さぶりをかけるのが勝ち筋か。

・イゼットコントロール

相性:少し不利
作戦:カードだいじに
サイドイン:《神秘の論争》2 《精神迷わせの秘本》2 《思考のひずみ》2
サイドアウト:《耐え抜くもの、母聖樹》1 《樹上の草食獣》4 《熟読》1

20220530_パイオニアチャレンジ_1st Place_moon11

《覆いを裂く者、ナーセット》が大量に入っている厳しいマッチアップ。

《ナーセット》《集団的抵抗》の手札破壊コンボは、いつかは食らいます。
それを前提に、受け身が取れるようにプレイしましょう。
場にカードを展開することで、手札破壊された後でもトップ解決が効くようにするのが序盤の目標。
少なくとも手札破壊コンボに先行して土地だけでも揃えたいところ。

サイド後は《精神迷わせの秘本》などで、場にリソースを確保出来れば手札破壊も怖くありません。
デッキトップに期待をかけつつ、《ナーセット》に縛られないドローソースで戦いましょう。

・イゼット果敢

相性:有利(相手のサイド次第)
作戦:ガンガンいこうぜ
サイドイン:《危難の道》2
サイドアウト:《首謀者の収得》1 《出現の根本原理》1

20220530_パイオニアチャレンジ_8th Place_runn3runn3r

【赤単】から《熊野》・《大歓楽の幻霊》・本体火力が抜けている構成に不利なわけもなく。
1マナクリーチャーを連打されなければ、こちらの方が速いはず。

サイド後にヘイトパーマネントが出てくる場合は立場が逆転します。
ドローソースが大量に入っているため、対策カードを見つけるのが得意。いつかは出てきます。
ヘイトパーマネントを越えるための《砂時計の寺臣》をプレイしにくい相手です。
《樹上の草食獣》を突破し辛い構造なので、《無謀な怒り》が残っているかも。

逆にカウンターを入れて来て減速するようならこちらの土俵。
全体除去を挟みつつ、ソフトカウンターに注意してゆっくりとコンボを決めましょう。

・緑信心

相性:とても不利
作戦:ガンガンいこうぜ
サイドイン:《真髄の針》1 《深淵への覗き込み》1
サイドアウト:《首謀者の収得》1 《来世の警告》1

20220523_NRGシリーズ予選_TOP4_FleshEatinGnome

メインから《減衰球》が出てくる絶望感たるや、言語で表現することは不可能。
オマケに《母聖樹》まで入ってます。
《大いなる創造者、カーン》が出てこないことを祈りたいところですが、《ビヒモスを招く者、キオーラ》《収穫祭の襲撃》から掘り当てられるので、誠に残念ながら原則不可避です。

こちらがやるべきことは単純。次のどれかです。
 ①《カーン》が出てくる前にコンボを決める
 ②《カーン》が出てきて《減衰球》を置かれる→即割ってコンボを決める
 ③《カーン》が出てきて《減衰球》を置かれる→それを割るけど《王神の立像》が出てくる→それも割ってコンボを決める

無茶なのは重々承知ですが、出来なければ負けるしかないので大真面目です。
相手のサイドに《減衰球》が2枚あると概ね負け。(《減衰球》→《減衰球》→《王神の立像》で何も出来ない)

唯一の救いは《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の採用が減っており、《砂時計の寺臣》を場に出しやすいことでしょうか。
負けて元々の相手なので、相手が《カーン》を見つけられなかったり、こちらが超絶ブン回ったり、《減衰球》の2枚目を取っていなかったりすることを期待しましょう。

・ラクドスミッドレンジ

相性:五分(相手のサイド次第)
作戦:カードだいじに
サイドイン:《精神迷わせの秘本》2 《精霊龍、ウギン》2
サイドアウト:《樹上の草食獣》4

20220601_パイオニアプレリミナリー_3-1_komattaman

ハンデス、クロック、ヘイトパーマネントとの噛み合いがとにかくすごいマッチアップ。
《睡蓮の原野》を直接引けていればなんてことのないハンデスも、《森の占術》を落とされるだけで致命傷になります。

一番厳しいカードは《鏡割りの寓話》。
クロック・マナ加速・手札調整・バースト火力の全てを1枚で供給してくるインチキカード。本来は除去を引きすぎてしまう等の噛み合いを期待出来るはずが、英雄譚2章によって効果の薄いカードを捨てられてしまいます。
血トークンと合わせてヘイトパーマネントを探すなど、試合全体の再現度を高めているのが厄介。

メインボードはとにかく土地を揃え、手札が無くなってもトップデッキに期待を掛けましょう。

サイド後は《真っ白》を連打されることを念頭に、《精神迷わせの秘本》でリソースが尽きないように振る舞うのが本筋。
キープ基準もかなり緩めにとって、ダブマリはしないようにします。
高速で殴り切ってくるパターンはどうしようもなく、割り切りが必要。
《精神迷わせの秘本》の4点ライフゲインが沁みることも。

相手はサイドにヘイトパーマネントをきっちり取っていることが多い反面、サイドインするカードが多くなると除去を残せなくなるデッキなので、《砂時計の寺臣》や《精霊龍、ウギン》を出していく戦法はそれなりに有効です。

・マルドゥパルヘリオン

相性:少し不利(振れ幅が大きい)
作戦:ガンガン行こうぜ
サイドイン:《精神迷わせの秘本》1 《真髄の針》1 《深淵への覗き込み》1
サイドアウト:《樹上の草食獣》2 《来世の警告》1

20220416_第7期パイオニア神決定戦_GOD_Yusuke Matsubara

《大牙勢団の総長、脂牙》と《パルヘリオンⅡ》の組み合わせで、最速3ターン目に13点パンチを叩き込むコンボデッキです。

相性はパルヘリオン側がコンボを決める速度に拠るところが大きく、何とも言えません。
コンボ同型の常として先手が大幅有利なのは間違いないですが、3ターン目のパルヘリオンシュートもあり得る一方で、何ターン経っても揃わないこともあり、振れ幅が激しい印象です。
3ターン目《鏡割りの寓話》から4ターン目にシュートが一番多いのかと思っておりますが、パルヘリオン専門家の方からも意見を伺ってみたいですね。

試合展開も、ハンデスの刺さり具合と相手の速度感に大きく左右されます。
3ターン目パルヘリオンシュートされると概ね負けですし、こちら先行で4ターン目のコンボ成立にはこちらの5キルが間に合っています。

サイドプランは【ラクドスミッドレンジ】とコンボデッキの合いの子として考えます。
相手には《死の飢えのタイタン、クロクサ》をフィニッシャーに据えたハンデス乱打プランも存在するため、速度は落とさずにドローソースを追加したいところ。
《精神迷わせの秘本》を使えば、0マナ占術モードが優秀なので、速度を落とさずにアドバンテージも確保出来ます。

・エスパーパルヘリオン

相性:少し不利(振れ幅が大きい)
作戦:カードだいじに
サイドイン:《精神迷わせの秘本》2 《思考のひずみ》2
サイドアウト:《樹上の草食獣》4

20220508_パイオニアチャレンジ_3rd Place_coldfire153

メインボードの考え方は【マルドゥパルヘリオン】と同様。
ルーティング呪文の種類が豊富で、揃っている時の仕掛けはエスパーの方が速いかも。
《呪文貫き》に致命傷を負わされないよう注意。

大きく違うのはサイド後で、こちらは「コントロールのフィニッシャーが3マナで13点」と考えましょう。
《思考のひずみ》も有効。《パルヘリオンⅡ》ごとカウンターを吹き飛ばせます。
《思考囲い》《沈黙》《ドビンの拒否権》相手にやり方は選べません。
対コントロールと思って戦い、隙あらばコンボを決めましょう。

・赤単アグロ

相性:少し不利(先手ならひっくり返る程度)
作戦:ガンガンいこうぜ
サイドイン:《神々の憤怒》2 《危難の道》1 
サイドアウト:《感電の反復》1 《出現の根本原理》1 《全知》1

20220508_パイオニアチャレンジ_3rd Place_hcook725

《熊野と渇苛斬の対峙》が入って《樹上の草食獣》が頼りなくなったマッチアップ。
《大歓楽の幻霊》で蓋されるのが最も厳しいが、《出現の根本原理》自体には効果が無く《母聖樹》で除去出来る場合もあるので、完全に諦めるには早いかも。

サイド後も目指すべきところは同じで、全体除去を織り交ぜて延命しつつ、コンボの完遂を狙うこと。
マリガンでは意識して壁を探すようにします。

《墓所の門番》《減衰球》《乱動の渦》《揺らぐ信仰の呪い》など、様々なヘイトカードが考えられます。
とはいえ一番厳しいのは最速で殴り切られることなので、置物を置かれるのであれば、その間に着々と準備を進めましょう。

・スピリット(青単、青白、青白緑)

相性:不利(色が少ないほど不利)
作戦:いろいろやろうぜ
サイドイン:《神々の憤怒》1〜2 《神秘の論争》2 《精霊龍、ウギン》2 《深淵への覗き込み》1
サイドアウト:《耐え抜くもの、母聖樹》1 《出現の根本原理》3 《全知》1 《来世の警告》1 (《首謀者の収得》1)

20220527_パイオニアプレリミナリー_3-1_lord_wannam

《樹上の草食獣》からスタートを切れた場合は、ライフを温存出来てチャンスが生まれます。
それ以外はかなり厳しいです。
特にカウンター超マシマシの【青単スピリット】は、スペルが1枚たりとて通らず匙を投げるほど。

とにかくテンポが重要なマッチアップ。
相手の動きが鈍いことを祈るのは当然として、出来るだけ相手の思い通りに動かないようにしたいところ。
《霊廟の放浪者》はカウンターとしての性能以上にクロックが速過ぎるので、《森の占術》すら「実質除去ならOK!」と叫びながら叩き付けます。
なんならすぐに《呪文捕らえ》のターンになってしまうので、本命から先にぶつけましょう。

コンボターンはとにかく相手のカウンターの数を越える手数で仕掛けるしかないです。
(青単以外のスピリットは)マナ数から相手の手数を読みやすいので、なんとかソフトカウンターをくぐり抜けて《熟読》を通すのが理想。

サイド後は除去と《精霊龍、ウギン》で勝つべし。
《神秘の論争》は実質除去としてガンガン撃っていきましょう。狙いは打点が高い《霊廟の放浪者》と《至高の幻影》。

・青白コン

相性:少し有利
作戦:カードだいじに
サイドイン:《神秘の論争》2 《精神迷わせの秘本》2 《思考のひずみ》2 《深淵への覗き込み》1
サイドアウト:《樹上の草食獣》4 《熟読》1 《出現の根本原理》1 《来世の警告》1

20220529_パイオニアチャレンジ_3rd Place_Salvatto

《放浪皇》の素早いクロックにより、以前ほどの圧倒的な相性差は無くなりました。
《森の占術》をカウンターされる。
《廃墟の地》を構えられる。
《放浪皇》で殴りつつ《ドビンの拒否権》を構えられる。
などなど、負け筋には事欠きません。

《検閲》《ジュワー島の撹乱》《廃墟の地》は必ずケアしてください。
2マナオープンに《森の占術》をフルタップで撃つのは絶対にやめましょう。
通常は《睡蓮の原野》から先に置くべきですが、《演劇の舞台》で基本土地をコピー出来る時は積極的に狙いましょう。

相手のマナがフルオープンの時はなかなか仕掛けにくいですが、その時はこちらも追加の《演劇の舞台》を探すなど、出来るだけマナを伸ばしておくのがロングゲームを制する秘訣。
《見えざる糸》で白マナを潰せばカウンターが撃てないことも多く、特に除去の無いサイド後は《願いのフェイ》から「暗号」を絡めて4マナ潰すパターンが必勝。

相手のサイドは《安らかなる眠り》《減衰球》《ナーセット》などに注意。
《来世の警告》は墓地対策の被害を減らすためにも抜いておきます。

・ミラー

相性:五分
作戦:ガンガンいこうぜ
サイドイン:《神秘の論争》1 《思考のひずみ》2 《深淵への覗き込み》1
サイドアウト:《耐え抜くもの、母聖樹》1 《感電の反復》1 《出現の根本原理》1 《来世の警告》1

20220530_パイオニアチャレンジ_4th Place_wkmidori

とにかく速度勝負。
《樹上の草食獣》、《砂時計の寺臣》、《見えざる糸》による1ターンの短縮が勝負を分けます。なんという無常。

《母聖樹》の存在が頭を悩ませます。
《演劇の舞台》コピーのためにマナを寝かせると《母聖樹》が打てない。
マナを構えていると相手の《母聖樹》でこちらの《演劇の舞台》を割られるリスクが生まれる。
これに関しては「先行している側はタップアウトして、遅れている側は構える」のが良いのではないかと考えていますが、未だに結論は出ません。

マリガン基準は、
先手4キル > 後手4キル > 《睡蓮の原野》+《演劇の舞台》のある先手 > 《睡蓮の原野》+《演劇の舞台》のある後手 > それ以外
ということを念頭に、どこまで深くマリガンするか検討しなければなりません。
《睡蓮の原野》+《砂時計の寺臣》の組み合わせなら《演劇の舞台》が不要になり、《母聖樹》を無視出来るので最強の構えです。
《神秘の論争》以外で干渉不可能というのも厳しい。

■あとがき

7月に地域予選を控えているパイオニアは、始めるなら今が絶好のフォーマットだと思います。
様々なアーキタイプが跳梁跋扈する世界なので、貴方の気に入るデッキもきっと見つかるはず。
「探査」などの他フォーマットでは使えないカードが存在することも魅力の一端。

【ロータスコンボ】は土地コンボながらチェインコンボの要素を併せ持つ複雑なデッキなので、この記事が取っ付きにくさを感じている方の助けになれば幸いです。

記事自体はしばらく前から準備していたのですが、「神河:輝ける世界」の発売から激変した環境になかなか適応出来ず、MOで破産するほど迷走していました。
ようやくリストが固まった頃にはもう「ニューカペナの街角」が販売されてから暫く経っていたほど。
そんな中、【イゼット果敢】が流行するなど環境の後押しもありつつですが、チャレンジを連続で入賞出来たので、自信を持って本稿をお送りすることができました。

カードを揃える分にはチャレンジャーデッキの存在もあり、【ロータスコンボ】の参入障壁は比較的低いデッキかと思いますので、「パイオニア界のトロン」という謳い文句にピン! と来た方は是非使ってみてください。

その他、【ロータスコンボ】のことやパイオニアのことで何か知りたいことや分からなかったことがある方は、本記事のコメント欄もしくはTwitterなどでお気軽にお尋ねして貰えると嬉しいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

本稿は結構な文量になったこともあり、内容を評価していただけた方や、次回投稿を期待して貰える方からのご支援をいただけると非常に助かります。
記事の購入者様には御礼として、ボーナストラックの『ニューカペナ環境雑語り』を進呈いたします。
『ニューカペナ環境雑語り』では、直近の環境変遷と強いデッキについて触れております。

■ニューカペナ環境雑語り

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