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常連さん気分。

友人が昔よく通っていたお店で、最近は引越しでしまってなかなか行けないから、よかったらちょくちょく行ってあげて、というバーに行ってみた。

今回が二度目なので、覚えてもらえてるわけないのだけれと、友人の行きつけということで、勝手に親近感を抱き、かつ、マスターの、いらっしゃい、の声がとても心地よくて、こんばんわー!とめちゃくちゃ親しげに入店してしまう。

あれ?と思ったのか、マスターは

お久しぶり…ですか?

と、顔まじまじ見ながら尋ねてくれたので、お久しぶりですけど2回目なので、ほぼはじめましてです、と照れ笑いで返した。

そうですか、何にしましょう。

こちらは定番の銘柄があるのだが、それは後ほど頂くとして、けっこうあるいて喉も乾いたのでビールを注文。

小瓶ですけど。

大歓迎です。

その後、お通しの横綱揚げをポリポリつまみ、オニオンスライスに鰹節をかけたシンプルなアテをいただき、最後に、カナディアンクラブをソーダで割ったものを注文。

お仕事帰りですか?
そうです、今日は疲れちゃったなぁ。

なんて、常連気取りのお喋りをしたり。

途中から2組お客さんが来た時などは、

あ、席詰めますね!

と、マスターに声を掛け、慣れた手つきな感じを目指して、グラスやお皿などをすすっと横に移動させ、席をズレて小さく収まり、

どうぞどうぞ

みたいな感じで新客に目配せ。

目指したのは、まるで常連!なさりげなさ。

それも楽し。
できてたかどうかはわからないけど!

私自身はまったく常連ではないくせに、友人の行きつけだから勝手に親しみやすさを感じ、

あぁ、この感じ落ち着くわー

とお店を後にした。

よく考えると、お店がそのお客さんを常連さんと見なすには、かなりの年月・回数が必要で、お客側は、かなりの時間とお金を掛けて、「行きつけのお店」を、作るもの。

つまり私は、マスターと友人が費やしてきた時間とお金に便乗して、「常連さん」気分を味わわせてもらったということだ。

もちろん、彼らの味わってるものは年季が違うでしょうけれど、素敵な時間だった。

ご馳走様でした!
また、行きます!

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