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聖書タイム

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山形優子フットマンが綴る、楽しく、優しく、そして日々の生活に根ざした聖書のおはなしです。毎月更新いたします。
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記事一覧

再生

2024年4月6日の礼拝メッセージ「イエス様は本当に死からよみがえられたのか(Did Jesus really rise from the dead??)」

英国ロンドン郊外ウインブルドンのエマニュエル教会で開かれたキリスト教日本語礼拝です。今月の英語のメッセージはロビン・トムソンさんでタイトルは、「イエス様は本当に死からよみがえられたのか(Did Jesus really rise from the dead??)」です。

5月の聖書タイム:「人の次元を高く超える神の愛」

by 山形優子フットマン 冒頭の聖句はキリスト自身が、「キリストの救いが来る新しい世(新約時代)とは、掟と律法だけが一人歩きしてしまった旧体制(旧約時代)とは相入れないほどに、喜びと恵が満ちるものとなる」と示唆する箇所です。キリストが十字架で流す血潮を新しいワインに例え、そのニュー・ワインを発酵させるためには古い革袋(律法)だと対応できないが、弾力性ある新しい革袋(信仰)に入れれば、ワインはその革袋がパンパンに膨れ上がるほどに発酵し、芳しい香りと美酒ができあがるーーー古い時

4月の聖書タイム:「門を開けたバラバ

by 山形優子フットマン 「ピラトは、言った。『真理とは何か。』こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。『わたしはあの男に何の罪も見いだせない。ところで過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。』すると、彼らは、『その男ではない。バラバを』と大声で言い返した。バラバは強盗であった。」ーーヨハネによる福音書18:38~40 みなさん復活祭(イースター)おめでとうございます。復活祭はキリストの十字架の死

2月の聖書タイム「愛の源に繋がろう」

by 山形優子フットマン 「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」     ーーーヨハネの手紙1、4:19 2月と言えば14日のバレンタインデー。日本には翌月のホワイトデーまで視野に入れた義理チョコもあるので、早春の巷は賑わいます。英国でも赤バラの価格がこの日だけは釣り上がり、カード交換、レストランではカップルの予約が立て込み、「愛」につけ込む商魂がひときわ目立ちます。でも、コマーシャリズムに乗って財布の紐を緩めても、来年のバレンタインデー

1月の聖書タイム「初・終・初・終・初」

by 山形優子フットマン 「天は巻物が取られるように消え去り、山も島も、みなその場所から移された。」      ーーーヨハネの黙示録6:14 日本をはじめ世界は波乱万丈の年明けを迎えました。冒頭の聖句はローマのドミティアヌス帝によるキリスト教迫害を受けたキリストの愛弟子ヨハネが、流刑地パトモス島(ギリシャ)で見た幻を記録した「ヨハネの黙示録」(推定AD70年~95年)からの引用です。神から掲示されたビジョンは、この世の終末、キリスト再臨など壮大で複雑、視覚に強く訴えるも

12月の聖書タイム「光を求める旅人たち」

by 山形優子フットマン 「やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が照った。ひとりのみどり子がわたしたちのために生まれる。ひとりの男の子が、わたしたちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君と呼ばれる。」ーーーイザヤ書9:2、6-7 上記の聖句はキリスト誕生から約700~600年前に預言者イザヤによって記されたイザヤ書からの引用です。今年もクリスマスが巡って来ました。と同時に2023年

2023年11月の聖書タイム「主は賛美の中に住われる」

by 山形優子フットマン 「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに」ーーー歴代誌下20:21  11月ともなれば雨も多く、めっぽう冷え込む今日この頃、この時期の散歩の楽しみは、不思議な形をしたキノコを森のあちこちで発見することです。どれも毒のような気がして採集こそしませんが、例え同種だとしても、一つとして同じ形をしていないのが実に面白いです。昨日あった場所に今日行ってみると、もう姿を消し、かと思えば別の場所に見慣れないのがニョキニョキ出ていたりまさに神出鬼没、キノコ自体が小

2023年10月の聖書タイム「恵は増えに増える」

by 山形優子フットマン 「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」 ーーーヨハネによる福音書6:9 みなさん、日本で一ヶ月ほどの休暇を過ごしてきた私ですが、英国に戻って何が一番恋しいかというと、季節感のある美しい新鮮な魚が店頭に並ぶ有様です。秋はなんといっても秋刀魚。日本のニュースでは「今年は海流の温度の変化から、秋刀魚が不漁で、形も小さく、その割には値段が高い」というような話題が連日のよう

2023年8月の聖書タイム「はじめまして、聖霊さん」

by 山形優子フットマン 「風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆その通りである。」 ーーーヨハネによる福音書3:8 酷暑の中、みなさん、いかがお過ごしですか?(ここ英国は冷夏で雨ばかりです。)地球の温暖化が加速する折、軒先に風鈴をつけ、涼風の渡りを楽しむ日本独特の風情は、今では昔話?昔人は風の音を聞き、それを浮き彫りにする風鈴の響きを喜び、微風をも楽しんだのでしょうか。 冒頭の聖句は三位一体の一

2023年7月の聖書タイム「一つ星を仰ぐ」

by 山形優子フットマン 天は神の栄光を物語り、大空は御手の業を示す。 昼は昼に語り伝え、夜は夜に知識を送る。 話すことも、語ることもなく、声は聞こえなくても その響きは全地に、その言葉は世界の果てに向かう。 ーー詩篇19:2ー5 7月7日は七夕でした。子供の頃、短冊に願い事を書いて笹につけ、軒下に飾ったのを思い出します。どんな願い事を書いたかは全く覚えていませんが、御用済みになった笹が色とりどりの短冊をつけたまま、裏の焚き火の上に放られていたのは覚えています。まるで、人

2023年6月の聖書タイム「あなたのために天使を送る神」

 by 山形優子フットマン 「恐れることはない。わたしはあなたと共にいる神。たじろぐな、わたしはあなたの神。」ーーーイザヤ41:10 冒頭の旧約聖書の句は、神が預言者イザヤを通して語りかけている言葉で「恐れることはない」が第一声。神は、私たちが本当に臆病で怖がりなのを、ご存知です。人が問題に直面した時、悩む場合、たちまち恐怖は暗雲のように広がり、目先真っ暗となります。同じ問題に直面しても、恐怖心さえなければ異なる対応ができるはずなのに。つまり恐怖こそが、人の足を引っ張る大

2023年5月の聖書タイム「心のゆりかご」

by 山形優子フットマン 「幼児(おさなご)はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵に包まれていた。」 ーーー ルカによる福音書2:40 芽吹きの訪れと共に、小鳥たちの囀りが、いっそう華やぐ5月が到来。森を往けば目に映るのは若葉、まさに森林浴です。 ふと思い出すのは、江戸時代前期に活躍した俳人で松尾芭蕉と交流があった山口素堂の俳句、「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」です。残念ながら、英国に初鰹はありませんが、野鳥の囀りをBGMとした森林浴は最高です。最近は「フォーレスト・ベージ

2023年4月の聖書タイム「開かれた門」

by 山形優子フットマン 安息日が終わると、マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、イエスに油を塗りに行くために香料を買った。そして週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。彼女たちは、「だれが墓の入り口からあの石を転がしてくれるでしょうか」と話し合っていた。ところが、目をあげて見ると、石は既にわきへ転がしてあった。石は非常に大きかったのである。」 ーー マルコによる福音書16:1~4 みなさん、イースターおめでとうございます。冒頭の聖句はキリストの復活の

2023年3月の聖書タイム「待ち望む春」

by 山形優子フットマン その日が来ればエッサイの根(キリストの意味)は、 すべての民の旗印として立てられ 国々はそれを求めて集う。そのとどまるところは栄光に輝く。 ーーー イザヤ書11:10 今年の英国の3月は、例年になく冷たい毎日です。寒風の中、スノードロップの花が頭を垂れて涙のような形の花を咲かせ、野生のクロッカスも見事に群生しています。冬の間、あんなに静かだったキツツキも姿を現し、春の扉をこじ開けるかのような勢いで、嘴のドリル音を森中に響かせています。次の曲がり角