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勉強時間を増やせば増やすほど得点が下がる本当の理由とは?
よくこんなことがあります。
テストの得点が返って来たときに「何でこんな点数なの?」と本人も保護者もショックを受けるという事がありますが、学校の先生や塾の教師や家庭教師はなおさら「どうして?」と首をかしげる事があります。
それは、テスト前の演習だったり、ちょっとした内部テストで確認した時にはかなり順調で、「今回はこれはいけるぞ」と思っていたのに、ふたを開けてみると、普段できている問題も含めかなりの間違いがあり、さらにだいたいそういう場合に共通するのは、時間不足で最後の付近は白紙といった状況がみられたりするからです。
正に予想外の結果です。
慣れていない指導者や保護者の方、そして当の本人はここですぐに「頑張りが足りなかった」「次は1.5倍やろう」いうような計画を立ててしまったりしますが、これが真の間違いの始まりです。
そういう対策を行うことは逆効果になる事が多く、次のテストでは1.5倍くらいの時間と量をこなしたのに、得点や順位は何とまたさらに下降してしまうということが現実にあります。
そして頭を抱えてしまうわけですが、そもそもこのやり方は、全く何の対策にもなっていない事に気がつかなくてはいけません。
当日実力が出ないのは、当日のやり方を直さない限り改善しない
テスト前に順調な感じで準備ができているのに、当日得点に反映されないのは、当日のアウトプットに問題があることは明白です。
だから当日のアウトプットのやり方を変えて、この部分の対策をしなくては、状況が改善することは決してありません。
インプットがある程度順調であったのに、テストで出来ないからさらにインプットで一生懸命準備をして、そして再びテストでもっと出来ないということになれば普通の生徒であれば、心が折れてしまいます。
「もうどんな事をしても無理」そう感じてしまう事でしょう。
こういう状況に追い込まれてからでは、立ち直るのにかなり時間がかかってしまいます。
生徒によっては準備50・当日50という場合も
生徒を指導していて、アウトプットについて意識を十分にできている生徒は極めて少ないと感じます。
あがり対策
ケアレスミス対策
読み間違い対策
時間不足への対策
緊張で冒頭にミスが続出することへの対策
学習したことがすべて混乱して頭が白紙になることへの対策
転記ミスの対策
力み過ぎて、普段と全く違った事をすることへの対策
コンディションを万全にするための対策 等々…
アウトプット対策でやらなくてはならない事は、非常にたくさんあります。
しかしながら本人はもちろん保護者の方や周りの教師たちも、アウトプットの問題に関してはなぜか「頑張れ。やったんだから出来る」の一言でまとめてしまって、どうしたらよいかを具体的に示す事がありません。
「頑張れ」と言うだけでは、時間不足になる対策はできませんし、「頑張れ」とばかり言えば、力んでいる生徒はもっと力んで実力なんて発揮できるはずはありません。
100m走を全力でただ走ってくるというのとは違うんです。
頭脳を冷静に働かせて引っかけや難易度のばらつきを作ってミスを誘ってくる問題を正確に解いて行かなくてはなりません。
だから、周到な計画が必ず必要になります。
そしてインプットと異なりアウトプットは、本人の心理的な面が大きくかかわってくるので改善には普通時間がかかります。
生徒のタイプにより千差万別ですが、準備90・当日10くらいでテストを乗り切れるのは、小学生だけです。(*数字は、「必要な対策100」に対するそれぞれの割合)
精神的にタフなお子さんでも、準備70・当日30くらいでしょうか。
「少し気が弱いかな」と思われるお子さんの場合には準備50・当日50くらいのイメージになることが多い様な気がします。
そうなると、あらゆるインプットを完全に仕上げてもテスト前日までで半分しか準備ができていないことになります。
当日の注意点や対策が極めて重要になるため、アウトプット対策をしないと本人の実力で取れるべき点数の3割~5割引きの点数しか取れません。
アウトプット対策の本当の厄介さ
アウトプットに問題があるという話をして対策をしようとすると、保護者の方は、割と早期に気づいて協力をして下さる事が多いのですが、肝心の本人がその対策の有効性に疑いを持つ事が多いのが実状です。
「問題をバリバリといておけば、次は大丈夫」と安易に思いこんでいるからです。
もちろん状況によっては結果として上手くいく場合もあります。全くインプット対策をしない場合よりはましになるでしょう。
しかし意識を変えないと、その後、またアウトプットの問題の壁は、彼の前に立ち続けることになります。
テストでは、準備すること(インプット)だけでなく当日実際に答案に正答をきちんと書ける事(アウトプット)の両方がそろって、初めて成績アップになる。
この事を一度しっかり意識することが非常に大切です。
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