【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ⑲
第19話 襲撃、無銘なる黙示団
外ではけたたましい警報音が流れていた。
その合間を縫うように、アナウンスが帰宅を促す。
『オースグリフの皆さん。緊急警報です。『無銘なる黙示団』がこちらへ向かっています。いますぐに建物内へ避難してください。安全が確認されるまで、外へ出ないようお願いします。繰り返します、オースグリフの皆さん……』
駅の方から、人間もトカゲ人も関係なく走ってくる。ばたばたと慌てて逃げていく人々の合間を、ウィルとカナリアは足早に駅へと向かっていった。完全