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1 山道を照らすのは月明かりだけだった。 冷たい風の音はバイクの駆動音にかき消され、…
迷宮館の扉から繋がっているのは、なにも無人の廃墟だけではない。 どことも知れぬ世界の…
廊下にたむろする猫たちが、熱心に床を見つめていた。 ウィルはその様子を何気なく覗き込…
その都市は、突如として現れた第二キッチンの竈から繋がっていた。 館にはときおり、第二…
ウィルがかつて扉のひとつを開けたとき、世界そのものが水没していた事がある。 「うお。な…
最果ての迷宮館の中には、常に何匹かの猫が居座っている。 猫たちは気まぐれだ。 廊下の…
「そちらに、うちの不肖の弟子がお邪魔していないかしら」 上品な老婆はウィルにそう尋ねた。 「少なくとも俺は見てねぇな」 薔薇の紅茶には一枚だけ薔薇の花びらが乗せられている。 ちらりと見てからウィルは飲んだ。 「そう、困ったわねえ」 まったく困ったようなそぶりのないまま老婆は言った。 ウィルと老婆がいるのは薔薇園「ウィッチ・ローズ」の中心にあるガゼボの中。 英国風の白いガーデンテーブルを囲んで、ガーデンチェアに腰掛けていた。 老婆は七十代くらいの背筋
最果ての雪原にある館は、突然新しい扉や廊下が現れたかと思うと、まったく別の場所に繋がっ…
冬の魔術師ウィルという存在ができるまで。 **************** 男が、ぱ…
魔術師ウィルという存在が出来るまで。 **************** じゃあまたな…