【映画感想】メットガラ ドレスをまとった美術館
読んでくださりありがとうございます。
今日は、『メットガラ ドレスをまとった美術館』の感想をつづろうと思います。
美しさの祭典だと思ってた…!メットガラとは
「メットガラ」
私たちにとっては、年に1度セレブ系のニュースなどで目にするファッションの祭典。私は映画が好きなのでスターたちのきれいな姿を目的にネットを徘徊しています。そもそもメットガラって何を目的にしているのかというと、「メトロポリタン美術館<メット>の服飾部門の活動資金の調達」です。メットの理事を務めるアナ・ウィンターがイベントの主催者です。彼女は、US版VOGUEの編集長として有名ですね。映画好きな方はある作品が思い浮かぶのではないでしょうか?
リアル「プラダを着た悪魔」
アナ・ウィンターという名を耳にすると真っ先に頭に浮かぶのは映画『プラダを着た悪魔』のミランダ。仕事の鬼。
『メットガラ ドレスをまとった美術館』でピックアップされることの一つにアナ・ウィンターの仕事ぶりもあります。VOGUEの仕事に加え、メットで行う企画展の全てに携わり、パーティーの席順についても的確に指示を出す姿に『ミランダ』を思い出さずにはいられませんでした。(そもそもミランダのモデルが彼女)
行き詰まる場面で、正直「キツすぎる」ひとことを冷静沈着にズバズバ言う姿が印象的です。ですが、プロジェクトを成功させるためには彼女のような人が必要なのも確かなことです。厳しい表情の印象が強いですが、彼女の娘がドレスアップしたシーンでのやさしい眼差しにも心奪われました。
キュレーターとデザイナー -ファッションはアートに値する?-
本作ではメットガラを通じたアナ・ウィンターとメットのキュレーターであるアンドリューの密着が主です。メット、つまり美術館のスタッフとしてのアンドリューは「ファッションは芸術(アート)」と考える立場。
かつて、ファッションはアートではないという扱いでした。メットの服飾部門も地下に存在しています。デザイナーによる繊細で美しい刺繍を見たとき、デザイナーこそ素晴らしいアーティストだと感じているアンドリューに対して、デザイナーたちは「アートではない」と意見を述べるのが印象的です。デザイナーは美術館に展示されることを夢見てオートクチュールを製作していない、という意見にも納得できました。キュレーターとデザイナーの2つの考え方を知ることが出来ました。
ファッションはアート的な側面で異なる文化を結ぶ
ファッションはアートなのかというトピックに結論は存在しないと思いますが、本作を通じてファッションのアート的な側面で文化を結べることを実感しました。
メットガラが開催されるのは毎年5月の第一月曜日。
あっという間にやってきそうですね。
憂鬱な4月ですが、本作の美しさで癒されること間違いなしです!