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【不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録】

2024年4月プレイ開始
総プレイ時間:約35時間

【ストーリー】

★★★★★ 5

本作の舞台である「とぐろ島」という小島の奥には巨大な怪物が棲みついており、その腹の中には財宝が眠っているという噂が流れていた。
そんな風聞を聞きつけた風来人・シレンと相棒の語りイタチ・コッパは、一攫千金を狙った冒険者たちと共にとぐろ島へと辿り着いた。
ある日、シレンとコッパはとぐろ島の怪物・ジャカクーの腹の中で助けを叫ぶ少女の夢を見る。
とぐろ島の最奥に捕らわれている少女を救出すべく、シレンとコッパは不思議のダンジョンへと旅立つことになる。

単刀直入に述べてしまうと、本作のストーリー部分はおまけである。
あくまでダンジョンへと挑むための建前となっており、とりわけプレイヤーの心を動かすような物語にはなっていない点が特徴的でもある。
しかし、ダンジョン攻略という最大の目的を阻害しない設計として功を奏しており、プレイ中に特別気になるようなことはないはずだ。

【ゲームシステム】

★★★★☆ 4

『不思議のダンジョン』シリーズ最大の特徴として、「ダンジョンで死ぬとレベルが1に戻り、所持品・お金を全て失う」というシステムがある。
どんなに強力でレアな武器だろうと、24.5億円だろうとお構いなくだ。
まずはこれを受け入れられるか否かで、必然的に本作の評価は大きく分かれる。
某密林サイトで例えるのであれば、☆5か☆1かのどちらか、だ。
僕は『風来のシレン』は64版しか遊んだことはなかったが、『ポケモン 不思議のダンジョン』は全て遊んでいるため、この理不尽なシステムはしっかりと受け入れられている。

さて、それ以外にもダンジョン内には、プレイヤーにとって不利に働く要素が満載である。
罠・敵の特殊行動・アイテムによって引き起こされるアクシデント・モンスターハウス etc…  挙げていけばキリがないほどであり、基本的に9割は嫌がらせだと思って間違いなく、プレイ中に何度も理不尽な死を体験することになる。
また、本作は敵からの被ダメージが大きく調整されているため、運が悪いと一番最初のマップの一階層で雑魚敵に殴り殺されることすら起こりえる。

もうお分かりだろうが、『不思議のダンジョン』シリーズは鬼畜ゲームである。
そんなゲームが、なぜこれほどまでに愛されているのか。

答えは非常にシンプルだ。
上手くいった時のリターンが途轍もなく大きいからである。
通常であれば理不尽な目に遭うことが多い探索において、時たま何もかもが自分の思い通りに進行することがある。
そこにプレイヤーは快楽を得てしまうのだ。
もはやパチンコやマリ〇ァナの類と言っていいだろう。(どちらも知らないが)

そして、本作は遊び易さやちょっとした救済措置など、快適なプレイをする上で嬉しい機能が揃っており、初心者や、僕のように久しぶりにプレイする人はもちろん、往年のプレイヤーも楽しめる作品になっている。
失敗を重ねてもイベントがちゃんと進行するようになっているので、徐々に打開策が見えてくるようになる設計は助かる人も多いのではないだろうか。

しかし、新要素である「デッ怪」だけはもう少し工夫が欲しかった。

【キャラクター】

★★★★☆ 4

本作には、和風の世界観に合ったキャラクターが多く登場する。
海賊、忍者といった定番のキャラたちは、イベントを進行していくとダンジョンで同行することが可能だ。
また、過去作に登場したアスカも登場する。
しかし、どのキャラにもあまり会話のイベントが無いため、深堀りされない点が少々寂しい。

敵キャラは可愛らしい見た目のデザインが多く、難易度とは裏腹にポップな印象を与えてくれる。
僕は「オトト兵」がお気に入りだ。

【音楽】

★★★★★ 5

本作の音楽はイメージ通り、和楽器を多用した和風テイストの楽曲が多い。
だが、その中にファンクやフュージョンといったジャンルの楽曲を組み合わせており、それらを調和させた結果、斬新な楽曲へと昇華させている。
和洋折衷とはまさにこのことだ。

また、ダンジョンのひとつひとつに固定の曲が用意されており、汎用の曲が非常に少ない点には驚きだった。
後で知ることになるのだが、本作の楽曲は『ポケモン 不思議のダンジョン』を担当しているスタッフが関わっていると知り、妙に納得がいった。

【総評】

90点

本作は『風来のシレン』シリーズ14年振りの新作のようだ。
道理で名前を見かけない訳だった。
僕が本作を手に取ったきっかけは、本作が原点回帰を謳っており、非常に遊び易くなっているという品評を目にしたからだった。

さて、上述の通り本作の評価は人によって大きく異なるだろう。
元より『風来のシレン』は神ゲーとクソゲーの間を行ったり来たりするゲームであるからだ。

僕はどちらかと言うと、神ゲー寄りの評価を下しているわけだが、そんな僕でも実はほとんどの隠しダンジョンや追加ダンジョンはクリアしていない。
いや、難し過ぎてクリア出来なかった。
何度挑んでも失敗してしまい、自分のプレイを反省しながら、ふとダンジョン突入前の画面に目が移った。

――みんなのクリア率:6%

あ、無理だな、と悟った瞬間である。
「1000回遊べる」は伊達ではなかった。

<執筆中BGM>
♬ Sole Survivor / Helloween
♬ 【合唱】COSMOS / -Chorusmate-
♬ ROSIER / LUNA SEA
♬ Playmate of the Year / Zebrahead


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