オカルト麻雀対戦記 vol2 最高位戦日本プロ麻雀協会 谷崎舞華プロ 対局編

2022年11月09日 五反田next
Mリーグルール、時間打ち切り有り

谷崎舞華プロと打つために、本日ゲスト出勤される、五反田は麻雀nextさんへ。着いてすぐ、ゲストに誰が来てほしいかを投票する用紙に、ノータイムで、「伊達朱里紗プロ」と書きこむ。
ほどなくして、17時になる。新しく、もう1卓、卓が立ち、最初は舞華さんと同卓出来ないかなと思っていたが、誰かが気を使ってくれたのか、お客さんが一人移動となり、1戦目から同卓出来ることに。

戦いが始まって、しばらく、指の震えが止まらなかった。もう、まず、言うことを効かない。牌の外切りなんて、優しい外切りなんて、全く出来る余裕もない。この緊張、まるで放送対局の態。
その原因は、僕と舞華さんの関係にある。過去の職場での、いざこざ。僕が悪い。もう、11年前になるのか、、、。11年振りの、再会。
ついさっき、僕がゲスト希望投票箱の場所を、わざとマスクを取ってスタッフに聞いた時の、僕の顔を見て認知した時の舞華さんの驚きぶり! リアクション!! 一目散に、ケータイを持って、トイレに駆け込んで行った。11年経った今の、この感じ。俺、どんだけ嫌われてるんだよ。笑 つーか東京の、この、今はまだまだ狭い世界の麻雀界に、こういう関係性の人、俺、何人いるんだよ。まあ、全部俺が悪い、仕方ない。俺は自分で自分の世界を狭くしてしまっている。これからの僕を、物凄い時間をかけて、ゆっくり、見ていってもらうしかない、、、、、。

過去に何があろうが、指の震えが止まらなかろうが、戦いの時は普遍に進んで行く、、


東1局 0本場 北家 ドラ⑨ピン

1337s 四九萬 ⑤⑤⑥⑧ピン 北北発
⑤ピンの1枚は、赤牌。

舞華さんは、僕の上家の西家。僕の下家の方が親番の、東パツスタート。

この配牌、、ド緊張のなかの、この、卓に着いた時の、煮詰まってます感。もう色々、来るところまで来てしまってます感、、、。

369だ!! 今この局を支配している筋は、369だ。 どこかの色の、369のあがりになるはず! つまり俺のこの手、シュンツ手ではない。トイツ手だ。深い数字(369)や字牌の縦重なりを見て、タイミングが合えば、、トイトイ、かっ!? イーソーなんて早い段階で切り飛ばしてしまおう。ただ、この、ドラ表示牌の⑧ピンだけが、いつ、どのように扱うべきか、、。いや、体が反応するまま、どこかで処理しよう!
第1打は、すぐに場に2枚見えた、南のツモ切り。早い段階で九萬を重ね、北をポン。道中に1枚切れの発を重ねて、その後、九萬もポン。親にタンヤオ仕掛けっぽい8ソウのチーが入る。舞華さんも、まだまだ生牌を押している。対面の方も、受けている気配がない。むしろ、スムーズに来ている態。その後、僕は、最後に親から3ソウをポンして、

発発⑤⑥ 333(ポン) 九九九(ポン) 
北北北(ポン)


黒⑤ピンを切って、なんと、トイトイに取らず!!! 満貫手に取らず、北、赤1の、出あがり2600点の、④⑦ピンの両面テンパイに取る!!

フッフッフッフッフッ。
これは、誰だってここまで順序良く仕上げたなら、誰だって、トイトイに取りたいはず。だが、僕が3フーロ、親が1フーロ、この鳴きによって、場の支配筋が、369から、一つ繰り上がって、低い方に戻って、147に変わっているんだよ。その、はず。きっと、そっちのはず、、! だからこその、両面テンパイ!!

(四人麻雀は、基本的に鳴きが3フーロ入ったら、支配筋、いわゆるアヤが変化します。4フーロなら、ほぼ確実に変化。三人麻雀は、2フーロで変化し、3フーロなら、ほぼ確実に変化。ただ、変化しない場合も。例えば、不調者が、場のアヤに、鳴きによって状態が追いつくような場合があるにはあるし、全員が鳴いたり、6フーロ以上の鳴きが入ると、普通に元の支配筋に戻ったりもします。また、ドラや、明らかに出しちゃいけない牌を出して鳴かれてしまった場合は、たった1鳴きで、それまでの支配筋から、一気にガラッと変化したりもします。つまり引っくるめてこれらをどうすればいいか? そう、感じ取るしかないんです、オカルトは!)
結局?! 笑

自分のあがりを確信した僕(オカルト)が次に考えること、後は、巡目だ! この巡目まであがりが拾えなければおかしい、僕のあがりじゃないのかも知れない、という巡目は、まあ、13巡目あたりまでか、、、。

そんなこんなことを考えていたら、対面の方から⑤ピンがバスンと切られた。

あれっーーーーーーーー!?
いや、俺が切ったからだ! 俺が切ったから切ったんだ、決してあがり逃しでは無い!

続けざまに、次巡、また対面の方から、今度は発が切られる。

あれっーーーーーーーーーーーー!??

なんだっ!? 読み違えたか!? まずい!まずいぞ! 1個下の方の筋に、高打点が推移していく半荘だったか!? やはり、あまりにも打点も違うし、トイトイに受けるべきだったか? っていうかこの局面、明らかに親は聴牌気配だし、全員が全員、押して来ている。俺の目からは、⑤ピンも⑥ピンも3枚見えだ。どこに行っちまったんだよお④⑦ピンは!? 何故に1枚も姿を現さない!? 絶好のはずの、④⑦ピン!!

場が、張り詰めている。
いい加減、顔を見せろよおぉ!!
 ー  俺の④⑦ピン  ー !!


「ロンッ」


あがったのは、下家の親番の方だった。
タンヤオ赤1の、2900点。舞華さんが、三萬をツモ切って放銃。親の待ちは、六萬が雀頭扱いの、アリャンメンの形の、三六萬待ちだった。

これは、、俺のあがり逃しによって、本来感じていた369に固まったのか、、。ツモとタイミングにめちゃくちゃ恵まれたのに、、。やはり、トイトイに取るべきだったか、、。
萬子が、このあと、全員に強い色になるとは到底思えない。あがりを逃したピンズなんてもってのほか。これは、これは、、、。

ああ、あがりが、好調さが、体から遠のいていくのを感じる。しばらく、手が効かなくなるぞ、これは!
舞華さんに、強くなった自分、良い所を見せるんだろうが!!!


この後、親がチョロッと連荘して、流れて、東2局も3本場まで積まされて、最後は舞華さんの、500、1000は、800、1300のツモあがりになった。案の定、この間、僕は、全くテンパらず。まだ全然、僅差ではあるが、持ち点は僕だけが2万点を割っている状態。だが、舞華さんが親の東3局、そんな僕に、思わぬ好配牌が入った。そして、8巡目に、この聴牌を入れた。

11s二三四五六七萬②②④④⑤⑥ピン
五萬、⑤ピンは、赤牌です。

ドラは、三萬。手役は無いが、赤赤ドラで、満貫に足りている状態。②ピンを切って、場に1枚も見えていない、間③ピンに受けるか、④ピンを切って、場に1枚見えの②ピンと、生牌のイーソーとのシャボ待ちに受けるかの選択、、。

ここ数局、ピンズとソウズのリャンウー(25)でのあがりが続いている。とてもじゃないけど、今の僕の状態で、1個上の筋の、間③ピンになんて、とてもじゃないけど、受けられない。そして、打点が低いからではなく、なんだか、なんだか、印象の弱いあがりが続いている。そう感じる。これは、ひょっとして、いよいよ147に、この半荘では高打点になる方の、低い筋に移行する、、か、、、

僕クラス(オカルト)は、テンパイしてノータイム選択。
勢い良く振りかぶってリーチ。イーソーと②ピンのシャンポン待ち。

2~3巡後、対面の方から、イーソーが、ひょいっと切られた。ロン。僕のあがり。裏ドラは乗らず、満貫。8000点の収入。僕の捨て牌に、5ソウが切られていて、イーソーは思い切っり裏筋になっていたのだが、うまいこと行ったぞ!

よしっ!! これで26000点持ちの、暫定2着まで行ったぞ! さあ続いて親番だ。

打点は無いが、比較的テンパイまで早そうな手が入る。そして9巡目、テンパる。

一一三三三三四五萬 ③⑤⑥⑦⑧ピン 中

ドラは中。中を切って、リーチ。間④ピン待ちの、リーチのみの手。

よし、ドラは、鳴かれない!
僕は、①ピンをだいぶ早い段階で処理して、リャンカンだった形を外して、この間④ピンに狙いを定めていた。何故かって? お分かりでしょう。前局がイーソー、147の筋でのあがりだったからですよ。この狙い定めリャンカン外しは、僕の十八番です。余剰牌に、安牌や字牌やドラなどを残し、手牌に厚みや他の可能性を充分に残せる。リーチ宣言牌が①ピンじゃないことで、カンチャン待ちの出あがり率を1パーセント弱でも上げることが出来る。フッフッフッフッフ、これを、オカルト打法櫛引流と命名しよう。いやちょっと長いな。シンプルに、櫛引打法と名付けよう!!
(ドラを抱えている場合は、結構みんな、よくやるやつ笑)

きっとこの待ちはあがれるはず、ツモれるはず、、、、。

果たして、このリーチのみの手の、運命は如何に!? あがれるのか、否か? この後、卓上の4人を待ち受ける、衝撃の展開とは?
半荘の、 ー 勝者は誰だ!!?? ー


2巡後、②ピンを持ってくる。間②ピンに取れていたら、あがりだった牌。

うわああああああああああああああああ!
あっ、そういえばさっきのあがり、イーソーと、②ピン待ち、ピンズは②ピン流行りってことかあ、、、。
くそう、麻雀の神様ぁ、システムが細かいぜぇ。なんか、なんか、、、嫌な予感。

そのまま場に何のアクションも起きないまま、15巡目、ようやく④ピンをツモることが出来た。

きたあああああああああああ、あの日ツモることが出来なかった④ピン!(今日です)
裏ドラは、、、、一萬!!
ウラウラあああああああああああああああああ!! この4000オールはデカい。一気にトップ目だ。

その後、親でも子でも順調に加点を重ね、僕は52000点台のトップ目。2着目の下家で、25000点持ちの状態。

南3局、舞華さんの親番。僕は早々にこのテンパイを入れた。

③④⑤⑥⑦⑦⑦⑧ピン234s三五萬
⑤ピン、五萬は、赤牌です。

少しして、2着目からリーチが入る。1発目に引かされたのが、6ソウ・・・・。

う~、う~ん、、。比較的ソウズでのあがりが多い半荘だし、現況の支配筋も、確かに上の方に寄っている気はする。でもどうだろう、25000点以上離れているから、押すかあ? ただ、思い切っりリーチ者の裏筋が36ソウだし、僕の目から5枚目の36ソウなんだよなあ、、、。(ちょっとデジタル思考、笑)

僕は現物の2ソウを切って、まわる選択。だが、その後、5ソウを引いたりなんかして、押してるんだか引いているんだかのバランスで(この押し引きは、冗談じゃなくて、本当はあまり良くない。降りるなら降りる、行くなら行く!)、結局、

③④⑤⑦⑦⑦ピン3456s三四五萬

高目三色の、この形になる。もちろん道中、36ソウが切れないゆえ、あがり逃し有り。
ほどなくして2着目のリーチ者から3ソウが出て(通ったんかい)、タンヤオ赤赤の、5200点の直撃。ほぼ試合を決定づける。

タイマーが鳴り、南4局、僕の親番は1局だけの打ち切りになることに。ドラは、四萬。

平和のみの、安目の七萬を、最後も僕があがることができ、対局終了。東パツのやらかしから、一時はどうなるかと思ったが、なんとか途中から大物手をたくさん決めることができ、トップとなった。

この半荘、本当に苦しかったのは、東パツでやらかした僕ではなく、舞華さんだった。
あがりも1回だったし、とにかくとにかく、全部、全局、後手。麻雀打ちなら一緒に打っていて感覚として分かるが、ほとんど全く、手になっていなかったんじゃないかな?
勝負形に、全然、ならなかったんじゃないかな。

2戦目は、舞華さんが別卓へ移動して、一緒には打てなかった。2戦目の結果は、ちょいプラスの2着。この日は2半荘打って、82.7ポイントのプラスとなった。


店をあとにして、ビル街の中の夜道を、歩きはじめる。

舞華さんとは、一つも会話は出来なかった。

が、僕は、やっぱり、麻雀ってすげえなと思った。

過去に何があったにせよ、卓を囲んで、戦いに没頭し合える、切磋琢磨し合える。


大変長くなってしまいましたが、本日の教訓です。

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