メタバース「P」報道部③
こんにちは、メタバース「P」管理局員、クレムです。今日もよろしくお願いします。
今回はショッピングエリアのすぐ隣にある、レストランエリアについてご紹介します。ところで皆さんは、現実世界の味覚体験がどういった仕組みかご存じでしょうか。
我々が味として知覚している刺激は、唾液に溶ける水溶性物質です。舌の上にある味蕾という受容器で刺激を受けて感じ取ります。
基本の味は甘味・苦味・酸味・塩味・うま味の５つ。渋みや辛味については痛み刺激として知覚されます。
味覚にも性差、年齢差があり、甘味と塩味は年齢とともに感度が上昇する一方で、酸味の感度は下がるとされています。60～70歳ごろになると、基本味すべての感度は低下します。（近江政雄（編）『味覚・嗅覚』，朝倉書店，2008．）
Pのレストランエリアは、一言でいえば巨大なフードコート。タッチパネルを使って注文すれば、あらゆる外食チェーンの定番料理を味わうことができます。甘いケーキからがっつりラーメン、繊細な和食まで、本当に何でもありますよ。
ただし、家庭料理や手作りメニューは、どうしてもデータの回収に限界があるため、登録されていません。予めご承知おきください。
あれ、お腹がすいてきましたか？まあ現実世界のあなたが飢えることはないんですけどね。ふふ
今日はせっかく体験ログインしていただいているお礼として、1食サービスしますよ。何でも食べたいものを注文してください。
そろそろこの体験ログインにも慣れてきたんじゃないですか。
今はまだ使える機能に制限がありますが、本ログインではそのロックも解除されます。お楽しみに。
って、何ですか、何か疑ってます？
そんなに自由だと何か怪しい……まあ、そうお考えになるのも分かります。大事なことをお伝えし忘れていました。実は、Pにご参加いただけるのは、厳しい選別をくぐり抜けた方のみになります。もちろんあなたもその1人。
すべてが自由だからこそ、規律は参加者たちで作り上げていく。アバターの皆さんの良識、理性的行動が必要不可欠なんです。周りをよく見て、空気を読むことができる、そういった方のみログインが許される。
我々はその規律を統制し、管理するのが仕事。もちろん、システムのメンテナンスなんかも行ってますけどね。とはいえ、“逸脱”しようとする面倒くさい連中も、必ずと言っていいほど出てきます。人間はそれほど複雑な思考回路を有していますから。
じゃあ、今日はこの辺で。デザートも注文していいですから、ごゆっくりお過ごしください。あ、領収書クレムでつけといてくださーい。
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